概要
ラース・フォン・トリアーの代表作の一つ。
2009年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で初上映され、物議を醸した。
登場人物
- 夫(演:ウィレム・デフォー、CV:大塚芳忠)
- 妻(演:シャルロット・ゲンズブール、CV:田中敦子)
ストーリー
※ショッキングな表現があります。ご注意ください。
夫婦がセックスに夢中になっている最中に、不慮の事故で2人の息子が死んでしまう。
妻はそのことで精神病を患う。セラピストである夫は彼女を支えようとするが、妻は自分が恐怖を感じる場所は「森」だと言い、そこは『エデン』だという。2人は深い森の小屋にたどり着き、お互いにセックスに溺れつつ妻の治療を行う夫であったが・・・
その後、妻が「死んでいく全てのものの声」が聴こえると言い出す。自分自身の身体を喰いちぎっているキツネが「カオスが支配する」としゃべる。しばらく後に、妻が息子を日常的に虐待していたことが分かり、夫が問い詰めると逆上した妻が夫の足にドリルで穴を開けボルトで固定。逃げようとした夫を生き埋め。しかし助け出して再びセックスを強要、が途中でブチ切れて妻は自分の局部をハサミで切断。レンチを発見してボルトを外そうとしている夫に妻はハサミを手に襲い掛かるが、脱出に成功した夫は妻の首を絞めて殺害。
そして、妻の死体を大樹の下に置いて火をつけた後、深い森を抜けようと歩き出す夫に何人もの顔のない女性たちが寄ってきて彼の周りを何人もの女性が囲む。そして彼の横を通り過ぎた顔のない女性たちは、森のどこかへ向かい歩いていった。
評価
「カンヌ史上最もショッキングな映画」あるいは「グロテスクな傑作」と評される。
カンヌでの上映会では少なくとも4人の観客が激しい暴力シーンのために鑑賞中に気絶したとされる。上映後の記者会見も荒れ狂い、冒頭で「お前もしかしてキ●ガイか?(意訳)」といった言葉がトリアー本人に投げかけられたという。
エピソード
宇多丸は2010年に日本で放映された映画『食堂かたつむり』(小川糸原作)をレビューした際に、同作が当時流行していた森ガールをモチーフにしていたことに関連してこれら流行を「森を舐めている」と喝破。続けて「本当の森は『アンチクライスト』のことだ」と発言した。