概要
1973年に山形県山形市に生まれる。現在、小説家であり、音楽制作チームFairlifeの作詞担当であり、翻訳家でもある。
清泉女子大学卒業後、小説家を志すが長い間芽が出なかった。
2000年に水谷公生と結婚。2004年に浜田省吾や水谷公生とともに音楽制作ユニット「Fairlife」を結成して春嵐のペンネームで作詞を担当し、作詞家として活動を開始している。
2006年の第1回ポプラ社小説大賞に応募した『食堂かたつむり』て入選こそ逃したものの編集者の目に留まり、2008年1月に出版、念願の小説家デビューを果たす。「王様のブランチ」において絶賛され、同作は2010年に柴咲コウ主演で映画化された。
作品発表前後からブームがきていた森ガールに絡めることで一部で人気を得てきた『食堂かたつむり』であったが、実質的な処女作であるためか荒削りな箇所が多くみられ、そうした部分から多くのご都合主義や矛盾点が読者らから指摘されていた。宇多丸は小説版・映画版双方を吟味した上で同作に関して「少女趣味というよりファンタジー」「現代日本を舞台にしているのに経済活動に関する描写がまったくみられない」「汚いものを意図的に排除し、綺麗なものしか描かない姿勢が露骨」「それにもかかわらず『ゲイは端っこの存在』といった他者や特定の属性への見下し表現が多々ある」「レストランを開業して以降、主人公を取り巻く人間関係が彼女を肯定するものしか居なくなっている」と指摘している。
こうした内容が祟ってか、宇多丸が司会を務める「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のシネマハスラー2010年全映画ランキングでは対象56作品中ワースト2位を記録してしまった。
しかし、以降の作家活動で自身の特徴であるハートフルな作風をより引き出すことでNHKでドラマ化もされた『ツバキ文具店』などを世に送り出し名を成している。
・・・が、小川の作品を追っていった先で件の『食堂かたつむり』にぶつかって「これだけは無理!」となってしまうファンも多く、トータルすると作品の評価は賛否両論な部分が目立つ。