映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』のネタバレが含まれている可能性があります。
概要
異世界の魔法使い。小林さんちのメイドラゴン第69話でキムンカムイが率いる軍師として初登場。
人物
金髪で美形の青年。冷静で物腰が柔らかく、キムンカムイから説明役を任されたり、助言を素直に聞き入れられるなど、キムンカムイからの信頼は厚い。しかし表裏のないキムンカムイと比べ、いつも一定の微笑みを浮かべていて、自分の内面や手の内を明かそうとしない。
作中の活躍
映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』のネタバレが含まれている可能性があります。漫画未読で映画を楽しみたい方は回れ右することを推奨します。
かつては昔イルルがいたドラゴンの群れの長に仕えていて、長からの信頼も厚かった。その後長の思想が過激化しほとんどが群から離れ、残ったドラゴンも戦いによって傷を負ったらしい。
キムンカムイの状況がその状況と似ていることから、戦いを煽っている者として怪しまれる。
それは当たっていて、イルルの調査によりキムンカムイに軍師として仕えている一方、敵対しているはずの調和勢のルミネースにも仕えている、いわば二重スパイであり、両陣営の潰し合いを目論んでいることが判明する。
トールに報告すべく戻ろうとしたイルルはゲートに先回りされ、聖剣と聖骸布による徹底したドラゴン対策で傷を負いながらも命からがら撤退に成功する。その際アーザードはイルルに対してドラゴンの苦痛や死に愉悦を感じることを歪んだ笑いと共に明かした。
時を少し跨ぎ、報告を聞いた小林さんを含めた3人で、黒幕と判明したアーザードをどうするか、また両陣営の抗争にどう対処するか策を練るが、トールが買い物(とファフニールとの運動)から帰ってきたときにはカンナがアーザードに改竄されたキムンカムイの手紙を読んみ、次元ゲートに向かってしまっていた。
キムンカムイの元へ戻ってきたカンナと2人きりになった途端、龍玉を壊した犯人は自分であることを明かし、ドラゴンに対する憎悪をカンナにぶつける。しかしこれらの会話は録音、盗聴されていて、両陣営に目論見が暴露されてしまう。
後がなくなったアーザードは龍玉を使いキムンカムイ含む両陣営のドラゴンを操り、時を同じくして両陣営のど真ん中に降り立った小林さんたちとカンナに襲いかかる。キムンカムイを操りトールと互角の戦いを繰り広げるも、トールたちのバックアップのもと小林さんの裏技によりキムンカムイは一撃で倒され、アーザードも重傷を負い逃走した。
「どうして…」「俺は…俺はやり返しただけだ!!」
「ドラゴン共に…」
「君は間違ってないよ」「ただ何を選んでも正解だった」「だからこの結末も正解と受け止めるべきだ」
しかし途中でしれっと手助けしていたルコアに遭遇し、すぐに追いつかれたトールにより動けなくなるまで打ちのめされたのちに魔力も全て吸い取られ、おまけに両陣営は助太刀に来たエルマとファフニールに制圧されるという完全敗北を喫した。(のちにとある人物からもこの事件のしわ寄せを受けたと糾弾される)
「俺の時はあんな…あんな奴いなかったじゃないか!!」
「救ってくれる奴なんて…ドラゴンから俺を…妹を守ってくれる奴なんて…」
前述のルコアとの会話の中で、過去にドラゴンに妹を殺されその復讐のために動いていたことが判明する。カンナに対してドラゴンの情愛は人間のフリして面白がっているだけだと言ったり、小林さんにドラゴンが人間の情愛を理解するなんてないと言ったこと、そしてキムンカムイの手紙を改竄し親子愛を利用して誘き出したことは、逆に言えばドラゴンの情愛をより強く否定してやりたいという気持ちの表れであるといえよう。自分の家族を奪ったドラゴンが家族の情愛を大切にしていることなど到底受け入れ難いことであろう。
その後の処理はキムンカムイの手に委ねられたが、死んでも生き返る呪いがかけられているらしく、兄弟子である真ヶ土専務に預けられた。
現在は守護者の役割を命じられ、興信所所属の探偵「浅戸建(あさどけん)」と名乗り人間界で異世界の住民の信用調査などの内偵をしている。キムンカムイの元で似たようなことをやっていたせいで、内偵業務は楽にできるらしい。
人間界に来て日が浅い頃、不良グループに絡まれていたジョージーを助けたことで彼女に(執事服が似合いそうという理由で)興味を持たれる。初めは自分の監視係なのかと疑い、カフェ誘い懐柔しようと試みるが、重度のメイドオタクぶりを目の当たりにしたことで、彼女を何か特殊な変態だと認識し戦慄した。その流れで小林さんも同類と判断し、変態に負けたのかと1人で勝手にダメージを負っていた。
その後カフェを出た瞬間、再び不良(破滅の龍)に絡まれた際、自分を庇う姿にドラゴンから自分を庇い亡くなった妹が重なり、体を張ってジョージーを守る。聖骸布も魔力もないのでパンチ一発でもかなり辛そう(木の幹を殴る成果は一応出ていたのかもしれない)だったが、本当の監視者であるトールの手により不良は制圧、ジョージーも眠らされることで騒ぎはおさまった。
後日、列に並んでいたファフニールの調査をしていた途中で再び特殊な変態共に遭遇してしまう。調査を中止しようか迷っていると同じく列に並んでいた滝谷に話しかけられ、ファフニールを調査するべく適当言って同行に成功する。
しかし列の先に待ち構えていたのは、トールのバイト先のメイドカフェの人が始めたご当地メイドアイドルグループ「バーラーズ」のライブ会場、言ってしまえばアーザードにとっては特殊な変態たちの巣窟である。異様な空間や滝谷の豹変ぶりなど主要メンバーに総ツッコミを入れる状況となってしまうが、突如過去の祭りを思い出し、楽しい場を息苦しく感じてしまうことにショックを覚える。
そんな様子を察知したジョージーは2人きりで話を聞いてあげ、自分もこのような場は苦手であることを明かし、また次の機会があれば一緒に盛りあがろうと誘った。
「次があったら一緒に盛り上がりましょう」
「私を助けてください」
余談だが滝谷がファフニールを愛称で呼んでいることを驚き、また彼の二面性からかファフニールではなく滝谷を警戒するようになった。
その後、興信所仕事が新しく拠点を買うことができるほど順調にいき、新たに「浅戸探偵事務所」を設立する。事務所を掃除する際、ジョージーに連絡を入れ手伝ってもらうことに。口では利用してやると言っていたが、「女の子1人にやらせるなんてカッコ悪すぎるだろう」といい自分も参加するなど、本来の優しさが垣間見えるようになってきた。
それからというもの、雇われているかはわからないがジョージーはよく事務所の手伝い(助手)をするようになる。共に過ごす時間が長くなるにつれて牙が抜け、自然な表情が戻っていったように見える。小林さんとの会話の中で、何が起きてもジョージーを守ること、そのために頃合いを見て異世界のことを話すつもりだと伝えるほど、2人の関係は確かなものとなっている。
エルマの結びの騒動にて小林さんらが協力を仰ぎに事務所へ赴いたとき、小林さんにはジダについて調べておくと言っていたが、結局協力者に結婚式会場の内部構造を横流しにしてもらうなど、小林さん発案のエルマ奪還&儀のぶち壊し計画に全面協力している。
ロキの事件では人質とされたジョージー、才川リコ、会田タケトを奪還するために、本来憎悪の対象であろうドラゴンたちに直接協力し、異空間にてフェンリルと戦う。フェンリルの驚異的な力と耐久力を前に劣勢であったが、ファフニール含む援軍の助太刀のおかげでなんとか無力化し、救出に成功した。実際アーザードは案内役としての役割しか果たせず、魔力ゼロと相手の悪さで戦いの終盤では倒れ伏したままであった。
余談
キムンカムイの騒動中の彼は猟奇的で悪人のようではあるが、人類視点からだとドラゴンの全滅こそ人類とって最善だという彼の考えは、彼のように大切な人が殺されたりする恐れがあることを踏まえると、極端ではあるが必ずしも悪いとは言えないだろう。
ジョージーの妹である才川リコの容姿とアーザードの妹の容姿は酷似している。
カンナとイルルには未だ敵対視され、直接乗り込んで殺すまではいかないが、機会があれば即座に攻撃を行うくらいには警戒されている。
上記の展開のうち、小林さんが事務所に足を運ぶ話まではyoutubeの双葉社公式コミックチャンネルで視聴可能だ。 小林さんちのメイドラゴン
関連イラスト
現在確認できるイラストにアーザード単独のものはなく、ほぼ全てがアザジョである。