実力未知数の調和勢のナンバー2!(年齢のことは禁句です)
プロフィール
初登場 | 第83話 |
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種族 | ドラゴン |
所属/派閥 | 調和勢/神和派 |
性別 | 女性 |
人間年齢 | ???才 |
身長 | 人間姿140cm ドラゴン姿300m |
スリーサイズ | B60/W55/H60 |
好きな食べ物 | せんべい、熱い緑茶 |
嫌いな食べ物 | こんにゃく |
趣味 | カワイイ物探し |
特技 | 若作り |
エルマの心配なところ | なんでも背負いすぎるところがあるから、つらいときは言ってもいいんじゃよ |
概要
エルマのおばあ様。自称姉。
かわいい物好きであり、どんな時であれ、「かわいい」を特に重視している。人間姿は小学生の少女のような幼女というもの。
…が、その正体は調和勢次席の地位に君臨する指折りの実力者の一角。異名は「祖始竜」。
正確にはエルマの祖母どころか先祖にあたるほどの年月を生きている古い古いドラゴンである。年甲斐もなく若作りに拘っており、エルマが入れ込んでいる人間界の最新流行にも敏感な素振りを見せるが、根本的なセンスはダモクレスら親父ドラゴン世代と大差はない。これに限らず、パソコンでの仕事やテレビゲームを纏めてEゲームと理解するなど、人間界の流行や知識については偏っている一面もある(尤も人間界で長く暮らしているドラゴン達であっても本編やスピンオフでは怪しい所が多々あるので、テルネはそんな中では十分に頑張っている方である)。
何より、調和勢のくせにキムンカムイから「下手な混沌勢よりも混沌としている」と揶揄されるほどの自由人で、同胞の調和勢からもその動向を危険視されている(敵対勢力であるダモクレスやキムンカムイと仲良くしていることからも、その強かさは推し量れるであろう)。
2度目の来訪以降、エルマを元の世界に連れて帰ろうとする動きを見せていたが、「結び」としてエルマを調和勢の別の派閥、屠竜派に嫁がせる事を決めた事から小林さん達と対立、当初は調和勢の勢力維持のためと考えて押し進めるも、小林さん達による屠竜派の権威失墜と解散の作戦が成功し政略結婚は失敗に終わった。再度の小林さんとの対話の中で自らの過ちと彼女たちの実力を認め、最後にして最大の障壁として立ちはだかった。
ドラゴン形態
第112話で登場したテルネの真の姿。子孫であるエルマに似ているが、全身が毛のようなもので覆われ、左側の角が欠けた二本角の水竜の姿をしている。全長は300m。ルコアの「測定不能」、イルルの「不定形」を除き、『メイドラ大全』で判明している中では最大の大きさを誇る。
人物
上記の通り、若作りが常軌を逸しているところがあるが、そこは神との戦いを見限り平和的な種族繁栄を目指している調和勢のNo.2なだけあり、神との交流も深く、また勢力内での争いも勃発しないよう手を抜かない厳格さも持っている。外部に対してもエルマには監視役(リンク先ネタバレ注意)を付け、事前に彼女の職場についての情報を集めさせておく、交渉に際しても人間の価値観を理解した上で理性的に説得を行う事が可能(ただし、監視役が人間世界での暮らしを楽しみ出した頃に「エルマを政略結婚に使うから戻ってこい」と本人の意思を無視して言い放った無神経な一面もある)。総じてかなりの食わせ者であり、キムンカムイは特に後者に関して「テルネのババァに気を付けろってこった」と注意を促す発言を小林さんに伝えていた。現在の調和勢は彼女の意志が反映されて動かされているところがあるが、一方で調和勢の維持のためなら有無を言わさない姿勢や実力については身内からも少なからず反感を買われていた。こうした事情も一因となって政略結婚が事実上の失敗に終わった際には「信用の操り方はやはり人間の分野ということか…」と自身の限界を認める言葉を心の中で呟いている。
しかしながら第108話の冒頭で明かされたところによると、こうした婚姻による勢力の結束の強化と拡大を重視する在り方はかつて勢力内での争いの末に我が子を大勢失った経験から、やむを得ず取るようになった考え方であり、若い頃はもっと種族全体を愛し、調和を追い求めるような理想主義な生き方もしていたという。第113話では家族を理想の犠牲としてしまったことを悔いて、結婚が決まるたびに泣いて詫び、逆に家族愛的な接し方で困惑されたと振り返っている。
本作では「だいたいの大人は、子供でいられなくなっただけ」という小林さんが作品序盤で発したセリフやそもそもドラゴンは子供と大人の定義の境を持たない設定も相まって、イルルのような無理矢理大人の枠組みに入れられ自分という存在の自我を捻じ曲げられたようなキャラがチラホラ登場するが、テルネの場合は年長なこともあり「母としての自分を優先した結果、本来の自分の理想は諦めざるを得なくなった」という「大人になるということ」へのワンランク上の悩みを抱えている。第113話でダモクレスから感情的だと評されたものの、彼女は上記の通り感情的だったのは初めのうちだけで、今に至るまでの長きに渡る歳月の中で、後悔や悲しみといった感情は押し殺されていってしまったと否定しており、前話冒頭のトールとエルマとの2度目の対決でも自分の力を信じることが出来なくなっていたと述懐し、彼女たちの現状の否定には寧ろ期待を覚えさえしていた。逆に家族の方がテルネの家族愛を受け継いでおり、一連の騒動の後でテルネに怒りの声を上げるという皮肉な結果になってしまっている。
小林さんについては当初、洒落っ気がないと見下していたところがあったが、エルマの結婚を阻止する事と再びトールに戦いを強いる状況になってしまった事を悔い、自らも調和勢の拠点に乗り込んできた小林さんを見て「かわいい」と遂に認め、後日面倒を見ている幼竜たちが比較的優しく他人を気遣うような優しい人格に育っているのを見て、前述のこともあり「小林なら、ワシらの世界も変えられるかも」と評価するようになった。
オシャレについて
初登場時点でスマートフォンを所持していたが、第121話においてSNSアカウントを持っていることが明かされた。エルマによると自撮りが実質的な趣味となっており、新しい衣服を入手しては色んなポーズで写真を撮っているという。作中ではその例としてチアガール衣装、ワンピース衣装等の写真が出てきているが、最近では監視の一環もあるとはいえ、ジダも連れ回しているようである。
能力
エルマ同様に水流を操作する魔法は使えるが、彼女は神の加護を受けた竜の一体でもあるため、トールを傷つけた神剣の攻撃も効かない上、この恩恵なのか、エルマが種族としての違いゆえに使えなかった世界間のゲート生成やアーザードが使えていたのと同じ空間転移魔法、更には耐久能力の高さを持ち合わせている。
特筆すべきは「遠近とは無関係に物体への干渉が出来る能力」であり、これと本人の圧倒的な力を組み合わせることで多様な攻撃手段を行使可能。能力発動中は上記のイラストのように巨大な掌が出現し、標的へと襲いかかってくる。
第92話では右手で形作った筒から覗き見る形で地獄巡商事のビルを動かそうとする、人差し指を軽く曲げて上空に浮かぶ雲を真っ二つにする程の衝撃波を放つというように断片的に見せていたが、第112話では水流を操る魔法と組み合わせ、水上という地の利を生かした波による盾や壁などの障害物を生成し、終始トールとエルマを翻弄してみせた。しかしここで見せた能力ですら、まだ手加減しているものだと作中では指摘されている上に、後になって能力そのものが「神の『概念操作権』」を借りパクするために編み出されたと本人の口から明かされた。
一方で圧縮の際に働く力は逆方向からの同等の力で相殺され、この能力そのものもテルネ同様に使いこなすとなると、相応の魔力量や神の加護が必要という弱点を抱えている。前者に関してトールは力を相殺する方法を模索し続けており、上記の第92話ではエルマに力を相殺させてその隙に攻撃しようとして失敗したものの、第139話では新たに牙や鱗から作り出した布団叩きに魔力を込めて攻撃する度に相殺する戦術で攻略した。後者に関しては斬るという概念そのものを防ぐために魔力を使い切ってしまったことが第92話での実質的な敗因になっている。
尤もその第92話に関しても想定外の要素が入り込まなければ、終始トールとエルマを圧倒しており、第139話に関しても戦闘が打ち切りになったのは本人のプライドを慮って終焉帝が終了を告げたという経緯であるので、依然としてその実力には隔たりがある。
その実力ゆえにアーザードからは「片手を振っただけでこの町が消滅するぞ」、丸くなりつつあったとは言え戦闘狂なところがあるイルルからは『メイドラ大全』のコメントで「テルネとは戦いたくないぞ…。」と言われており、後者については直接話をするまで警戒の表情を浮かべる場面が多かった。
作者のコメント
長寿キャラにつきもののロリババァキャラです。遠近を無視する力を持っています。攻撃する瞬間が攻撃タイミングです。 |
余談
- 名前が判明したのは初登場の次のエピソードである第84話だが、異名の「祖始竜」は初登場回である第83話での朧塚の異世界出身者のリストのエルマの項目で言及されていた。
- 人間時の身長は真ヶ土翔太を2㎝差で上回っている。
- また『メイドラ大全』では人間年齢が明かされていないキャラとして他にルコアとファフニールがいるが、この2人が「不詳」となっているのに対して、テルネは上の言動ゆえか「???」となっている。参考までに記せば、前者の年齢は46億歳を越えていることが同じ作者で世界観を共有している『もののけ◇しぇありんぐ』のとあるコマから示唆されている。
- プロフィールで挙げられた以外に好きな食べ物として、第92話ではエルマから鯖を食べるのが好きだと説明があり、本人もそれを認めている。第114話ではカップ麺が加わった。
- 調和勢のNo.2という地位であるが、彼女より上にいるとされる指導者については114話時点で何も説明が無く、テルネ自身の過去回想にも登場しなかった。
関連タグ
小林さんちのメイドラゴン エルマ(小林さんちのメイドラゴン)
以下、原作第15巻重大ネタバレ注意
コイツは異世界からキテいない
同じ作者が手掛けた読み切りの後編において、第108話以前の彼女がどのようなものだったか語られた。但し同作ではテルネの名前は最後まで出てこないため、後述するキャラクターとの関係や、その姿から示唆されるに留まっている。
当時の彼女は聖海の主と称される二本の角を備えた水龍であり、自身と似たような姿の同族を多数従えていた。性格も現在と比べると尊大や苛烈といえるものであり、他のドラゴンと変わらず、人間を見下してもいた。そんな中、魔王退治の旅をしていた、オーバヤシとその一行が彼女の下を訪れた。一行の大多数がその巨体に圧倒される中で、オーバヤシは魔王島へ渡るために彼女の力が必要であると説明し、協力を求めたものの、上記の通りの性格なために拒絶され、戦闘を余儀なくされる。悪戦苦闘の末、キヤマの振るった神剣で左角を切断されてテルネは戦意を喪失、自身の負けを認めてオーバヤシ一行を魔王島まで送り届けた。角をへし折られたことに関しては一時的にショックを受けたものの、キヤマから謝罪を受けた際は「優しい子じゃ~」と喜んでいたため、そこまで気にしていなかったようである。加えてこの時は息子や娘に当たると思しき同族の水龍からも身を案じる声をかけられており、ドラゴンの中では親子関係は良好な部類だったようである。それだけに第108話で描かれた大勢の同族を失った悲しみは計り知れなかったことが改めて浮き彫りとなったと言える。
魔王島への道中、最後の準備のために港町に立ち寄った際には彼女も人間姿になって上陸している。この人間姿は上の画像のような額の右側に角を生やした巨乳の女性というものであり、服装もそれに準じたものになっていた。だがマコミからは「野暮ったい服ねぇ」「かわいくな~い」と酷評され、彼女から人間としてのオシャレについて手解きを受けることになった。一方、オーバヤシはキヤマと共に遠目でその光景を眺めていたが、キヤマを励ます中で彼が何気なく呟いた言葉から解こうとしていた謎の真相に気付き、その上で魔王との決戦に臨むことになる。
共にいた時間こそ短かったが、キヤマやマコミとの交流こそが今の彼女を形作る契機となったのだった。そして彼女の言動がオーバヤシが真相に辿り着く契機にもなるというように、その後の展開に大きな影響を与えることになった。
更なる余談
- そもそもオーバヤシがテルネに協力を求めたのは、女神の力を授けた者に聖海の主が協力的であるという書物の記述に基づくものだが、発端からしてこの伝承自体が女神がでっち上げたものだったものと思われる。
- 第84話で小林さんとテルネが初めて顔を合わせた際、テルネは「お主洒落っ気がないのう」と小林さんの服装を酷評する一幕があり、上記のマコミに酷評された場面はそのオマージュともいえるものになっている。本来は効かないはずの神剣の前に敗れるという展開も第112話と同様であるが、こちらは色んな面で対照的である。
- 前編と同じ『月刊アクション』2023年8月号に掲載された第133話の終盤では、テルネととある人物とのやり取りが意図的に吹き出しや台詞を省いて描かれている箇所があり、翌号の2人の関係性とその過去の伏線ともなっていた。このエピソードは読み切りの全編と併せて第15巻に収録されている。
- 第139話では現在の人間姿は魔力によって若作りされているものと語られており、仮にもし魔力が枯渇した場合はこの読み切りでの人間姿に近いものになると思われる。しかし人間姿が出てくるコマの視点はいずれも彼女から離れた場所からのものであり、どのような顔つきだったかは最後まで明かされなかった。