概要![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
『月刊アクション』(双葉社)創刊10周年を記念し、同誌の2023年8月号及び9号の2回に分けて掲載された特別読み切り。単行本としては『小林さんちのメイドラゴン』第15巻に前後編が収録されている。
あらすじ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
300年ごとに復活する魔王を退治するために、とある王国では魔法陣が発動し、異世界から勇者が召喚された。
今回現われたのは4人の人物。1人は気弱な少年キヤマ、1人はギャルの少女マコミ、1人は剣士の少女ナナクサ、長髪の男オーバヤシ。彼等は特殊な能力を女神なる存在から授かっているとされていた。オーバヤシを除いて...。
実はこの男こそ魔法陣のある王国の国王であり、この異世界召喚の儀式と異世界人の力の秘密の真相を突き止めようとしていたのだ。
こうして秘密を抱えた男とその珍道中が幕を開けたのだった。
登場人物![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
ルクス・インジェンス・カエルムレクス / オーバヤシ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
役職: 交渉役
能力: (最初の内は)なし
本作の主人公である某国の王。筋骨隆々とした長髪の大男。魔王を倒したことによる名誉を得るという下心もあったとはいえ、魔王退治のために異世界人に迷惑をかけ続けている現状を憂慮し、自分たちの世界だけで魔王を退治するようになるためにも、異世界人に成り済まして魔王退治の旅に参加する。
一人称は「私」だが、とある場面では「俺」とも言っている。上記の経緯ゆえに能力は授けられておらず、戦闘力は人の域は出ていないものの、一応剣を振るってモンスター相手に戦うだけの技量を持ち合わせている。何より大臣からは「この口八丁とアドリブで外交で優位に立ってきたんだよなぁ」と評されている通り、周囲を観察して分析し、相手に納得させる力と話術に秀でている。このようなこともあり、旅の中では交渉事等を引き受けた。
作者のツイートによると髪の色は茶色で瞳の色は紫である。(参考)
キヤマ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
役職: 勇者
能力: 神剣の生成能力
メカクレの少年。召喚された3人の中では最年少。
一人称は「僕」。内気な性格であり、家の中でゲームを遊ぶ日々を送っていた。シンドンジャーが好きであり、着ているシャツも同作の登場人物の顔が描かれたものである。
前編では終盤の1コマを除いてメカクレだったが、旅を続ける中で成長していったためか後編の終盤辺りでは完全に顔が描かれるようになった。
マコミ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
役職: 魔法使い
能力: 通常よりも遥かに威力がある精霊魔法
左サイドテールのギャルの女子高生。
一人称は「あーし」。良くも悪くも青春を謳歌する明るい性格の女子高生であり、道中ではコーラを飲みたがったり、聖海の主にオシャレの手ほどきをしていた。
召喚された段階で精霊がまとわりついていたが、戦いにおいては先端に宝珠が取り付けられた杖を使って魔法を使う。
単行本第15巻のオマケ漫画のとあるコマからは、彼女が3人の中で一番新しい時代から召喚された人物だったことが示唆されている。
ナナクサ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
役職: 剣士
能力: 身体能力の強化とそれによる斬撃の強化
左目に眼帯を付け、刀を帯びた和装の少女。長い髪を後ろで留めている。
一人称は「拙者」。他人に対しては「殿」と敬称を付けている。普段は落ち着いて礼儀正しい振る舞いをしているが、戦いの場では得物の刀を嬉々として振るって敵を切り捨てていく戦闘狂。強敵との戦いを望み、戦いによる死も恐れないが、流石に自分以外の全員がそうではないと理解したり、ルクスの言動に不信感を抱き続けたりとある程度の分別はある。
実は本来いた世界で何かしら面倒事を抱えており(本人曰く「やらかした」)、これが本編の彼女の去就に関わって来ることになる。
後編ではルクス王に火縄銃の戦術について説明している場面があり、3人の中では一番古い時代から召喚された人物だったと思われる。
聖海の主![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
後編にて登場。二本角の巨大な水龍。似たような姿の同族を大勢従えている。神に仕えるとされ、勇者には協力的とされているが、その本性は尊大な性格だった。
ルクス王らとの戦いで角を切り落とされてしまい負けを認め、魔王のいる島まで一行を送り届けることになる。
本編に登場するドラゴン同様、人間姿を持っている。その姿は頭から角を生やした和装の女性だが、作中では顔ははっきりと描かれていない。
『小林さんちのメイドラゴン』本編との関わり![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
作者のクール教信者氏の作品はスターシステムを採用していることで知られているが、今作は特に単行本での収録先でもある『小林さんちのメイドラゴン』と所縁の深い作品になっており、実質的には同作の前日譚に当たる作品である。(第16巻発売を祝した無料公開時のXの公式アカウントでは『外伝』と紹介されていた。(参考))
作中ではキヤマと聖海の主という『小林さんちのメイドラゴン』側のキャラクターの過去と価値観が培われた経緯、そして両者の出会いが描かれている。この両者の関係性は前編と同じく2023年8月号に掲載された第133話のとある場面で前倒しで示唆されており、前後編を読んだ上で読み返すと両者のやり取りを推測できる構成になっている。
そして第152話においては、ある人物の口から「昔の王様に似てたんじゃない?」とルクス王らしき人物の存在が語られている。
今作の真の黒幕である女神は最後まで名前が明かされなかったものの、翌号に掲載された本編第135話でそれらしき存在が正式に登場し、以降の展開に大きく関わっていくことになった。
余談![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
- 前編の雑誌掲載時のキャプションでは「クール教信者先生に無理を承知で新作を描いてもらった件」と銘打たれていた。
- 収録された第15巻のオマケ漫画で明かされた当初の構想だと、準備編も入る予定だったという。
- 上記の通り、ルクス王は戦えるのは人並みと言いつつもモンスター相手に健闘しているが、本編第9話でのトールの台詞を踏まえると、彼もしくは彼以上に戦える人間はトール達の元いた世界では珍しくないという。
- 本作及び『小林さんちのメイドラゴン』の作者であるクール教信者氏の作品『ふくまでん』は「魔王が勇者に倒される間際、数百年後の復活をほのめかしたため、魔王を唯一倒せる存在である勇者の血族を絶やさぬようにハーレムが作られた」という荒筋だが、今回の話の魔王と関係があるかどうかは不明である。
関連タグ![編集](https://s.pximg.net/source/dic/images/icon_edit_partial.svg?20120424)
おじょじょじょ:こちらも『小林さんちのメイドラゴン』の前日譚に当たる作品。