概要
91年に集英社スーパーファンタジー文庫レーベルより第一巻「鳴動編」が出版。98年に同レーベルが廃止にともない、第六巻の「烙都紅蓮編Ⅲ」で一旦中断するも、2003年に徳間書店デュアル文庫レーベルより新シリーズ「真イズミ幻戦記」が刊行開始。
2007年には徳間書店トクマノベルズレーベルより、スーパーファンタジー文庫版を改訂した完全版が出版された。現在完結編が鋭意執筆中。
93年には外伝「砂上の旋律」が出版。
92年に「鳴動編」のみがカセットブックとCDブックでリリースされている。
挿絵担当は岡崎武士。
あらすじ
統一世界暦299年の未来世界、マザーコンピューター「ジュリア」の暴走と、それと同時に起こった大地震により、第十一区(日本)は崩壊。世界から完全に遮断され孤立した(後にこの一件は「大崩壊(クライシス)」と呼ばれる)。
それから七年後の統一世界暦306年、渡辺拓己と叶省吾の二人の少年は、荒廃し「ジュリア」配下の機械化軍団が、生き残った人間を狩る「人間狩り」を繰り返す阿鼻叫喚の地獄と化した十一区を放浪していた。幼馴染の少女響子の行方を探して・・・。
これは拓己と省吾、そして二人が有機融合して誕生する謎の天下無敵のヒーロー、「イズミ」を主人公に繰り広げられる「戦記」である。
登場人物
(CVは集英社カセットブックより)
物語の主人公の一人で、亜麻色の髪と端麗な容姿を備えた天下無敵にして傲岸不遜のスーパーヒーロー。省吾と拓己が有機融合することによって誕生する(何故そうなるのかは不明)。
その尊大な性格に相応しい以上の超絶的な戦闘能力を持ち、主に雷撃を用いて戦う。
物語の主人公の一人。七年前の大崩壊で家族を失い、それ以来省吾と響子とともに力を合わせて厳しい崩壊後の世界を生き抜いてきた。無邪気な性格で鋭い運動神経の持ち主。射撃を得意とする。
物語の主人公の一人。拓己とは対照的な性格で、コンピューターの天才。左目が不自由で常にグラススコープを着用している。彼と拓己が有機融合して誕生するのがイズミである。
行方不明となった拓己と省吾の友達。京都にて生存の噂が流れているが・・・・。
一匹狼の傭兵で、サイボーグ。クールながらも、義理人情に厚く、イズミと図らずもコンビのような関係となり道中をともにする。
数ある「ジュリア」に反目するゲリラ組織の一つ、師ファミリーの頭領。如月とは顔なじみ。
見た目は飄々とした青年ながらも、智謀に長けた策士。
女情報屋。普段はあっけらかんとしているが、戦闘となるとガラの悪い一面が現れる。
とある一件から拓己と省吾の旅に同行することになる。
・香ヶ沢静
いかついメカ屋のオカマ。サイボーグで如月とは古い知り合い。
「ジュリア」配下のサイボーグの青年。自分を奴隷同然の目に合わせた人類を憎み、「ジュリア」の名のもとにアーマノイド四姉妹に悪逆非道な指令を下し暗躍する。如月とは浅はかならぬ因縁がある。物語の当面の敵役。
「ジュリア」が生み出したアーマノイド(合成人間)四姉妹の一人(三女)。内気で臆病な性格だが、火炎操作などの強力な超能力の持ち主。長い黒髪に清楚な美貌、赤い瞳を持つ。風間に一途な想いを抱いているが・・・。
・ユキ
アーマノイド四姉妹の長女。アオイと同じ黒い髪を持ち、大人びた容姿をしている。瞳の色は白。性格破綻者の多い四姉妹のなかでは最も理知的な性格で、風間の参謀的な役割を務める。人の心を操る能力を持つ。
・サクラ
アーマノイド四姉妹の次女。銀色の髪とピンク色の瞳を持つ。残虐で好戦的な性格をしており、特殊能力のマイクロウェーブ照射で対象を見るも無残な有様に破壊する。
・カスミ
アーマノイド四姉妹の四女。他の姉妹よりも幼い外見で、薄茶色の髪と紫色の瞳を持つ。四姉妹最強のスペックを誇り、性格もサクラに輪をかけたように残虐であると同時に狂気的。体内に住まわせてる機械蟲での攻撃など、能力も多彩。
因みにアーマノイド四姉妹同士の関係はお世辞にも良好とはいえず、常に姉妹の誰かが同じ姉妹に対して対抗心や嫉妬心を燃やしている。
・アスカ
???
・ジュリア
物語の黒幕的存在で暴走したマザーコンピューター。
配下の機械化軍団を駆使して、荒廃した十一区で人間狩りなどの凶行を繰り返している。
アーマノイド四姉妹の創造主でもある。
何故暴走したのか?何故人間狩りを行うのか?そして狩られた人間たちのその後は?全ては謎に包まれている。