概要
徳之島に伝わる短い蓑と破れた笠を身につけた子供ほどの大きさの妖怪で、トウモロコシのような尻尾を生やしているという。
住処である犬田布岳から、片足で飛び跳ねながら(片足を痛めているからとも)降りてくるといわれ、人を化かして何日も道に迷わせたり、海水を飲ませたりといたずらするといわれる。
またイッシャに話しかけられたら、とっさにトウモロコシを尻に付けて真似をすると、仲間と思い込ませることができるので、さらにおだてれば大変な仕事を手伝ってもらえる。
イッシャは特に漁が得意で、たくさんの魚を捕ることができるのだが、魚の片目を食べてしまうので、捕れた魚は全て片目になっているのである。
上記の伝承は沖縄のキジムナーのものと共通点があり、さらに奄美群島のケンムンと同一のものであるとの説もある。
なお隣国韓国の済州島にも蓑笠をかぶっている、グスンセ(그슨새)という似た姿の化物が伝わるが、こちらは人に取り憑いて自殺させるなど悪辣な存在である。