インスティチュート
いんすてぃちゅーと
インスティチュート(institute)とは、一般的に研究所・大学院などを意味する英語。
Falloutシリーズにおいては最終戦争(Great War)後の連邦(旧・ボストン)の地下に存在すると語られている、科学者たちによって組織されたとされる団体名。
『Fallout3』ではわずかに語られていたが、『Fallout4』でその存在が明らかになった。『4』のシナリオ中盤で必ず訪れる事になり、その後の派閥クエストに大きな影響を及ぼす。
連邦の人々の間で語られはするものの、地上の人間からは都市伝説的な秘密結社あるいはブギーマンのような存在として語られ、その実在さえ定かではない。
分かっているのは人型のロボット「人造人間」(Synth)を製造していること、誰かが行方不明になった後で同じ姿をした人造人間が現れ、どこかで本物と入れ替えられているということ。
人造人間があまりに本物と似た姿で区別がつかないため、いつ誰が人造人間に入れ替わっているか分からない事から、連邦の住民たちは親兄弟の間柄でさえ疑いあうようになっており、誰かが行方不明になってもあまり探そう(関わろう)とはしない。
B.O.S.などの名だたる組織の調査でも、インスティチュートの関与を示すと思われる高レベルのエネルギーは感知できているものの、追跡や特定できるまでには至っていない。
他、B.O.S.の組織内でも、人造人間がいることが確認されている。
また、かつての前身と思われるC.I.Tの廃墟なども捜索されているが、現在のインスティチュートにつながる痕跡は見られないことから、所在地・侵入方法・組織の全容のいずれも分からないままとなっている。
主人公(ネイト/ノーラ)は息子ショーンを探すため、ダイアモンドシティを皮切りに方々へ手がかりを探して奔走するが……
「あなたが聞いたこと、あなたが我々について思うことを私は想像するだけだ。」
「私はあなたが……我々に持っている印象が間違っていると証明したい。」
「インスティチュートへようこそ」
メインクエスト中盤から後半にかけて侵入方法を探し出した主人公が到達することによってその全貌をあらわす。
その正体は、人造人間(Synth)などの研究を行い「人類の再定義」を目標としている、研究者たちの組織。
かつて連邦にあった大学機関「C.I.T」の研究者たちを源流とする組織であり、最終戦争後は廃墟となったC.I.Tの地下深くに潜って研究を続けていた。
長らく見つからなかったのは、彼らが開発した分子転送装置(テレポーテーション)による移動で各地自由に出入りしていたため。つまり、出入口がそもそも存在しなかったからである。
技術自体は『3』のエンクレイヴをも上回り、人造ゴリラを始めとしてさまざまに高度なテクノロジーを所有する。
技術力やリソースを生かしてきれいな水や清潔なベッドなど安全でクリーンな環境が保たれており、不潔なベッドやサビ・ボロが出た建物が当たり前だった地上に比べるとあらゆる面でケタ違いの洗練された施設である(旧世代の古い部屋は地上の施設と同じようにボロではあるが)。
インスティチュート内での販売、環境整備、工事などの雑務は人造人間によって行われており、科学者たちは研究に専念しやすい環境が用意されている。そのため、「研究をしたい科学者にとっては最高の環境だ」とする者も。
地上での扱いとは異なり、インスティチュート内の科学者や人造人間たちは主人公に「比較的」友好的で、清潔な居住空間と研究施設を解放し資材や物資の販売もしてくれる。
その一方で、地上の人間を人造人間と入れ換え続けたり、「CPGの大虐殺」や「ユニバーシティ・ポイント」など、地上での大規模な殺戮に関与しているなどの問題もある。
優秀な人造人間を組み込んだ新しい社会の構築を目指すとは言っているものの、人造人間のことを「自我を持たない機械仕掛けの奴隷」としても扱っており、それゆえに一部の人造人間の反発や嫌悪を招き、レールロードを通じた脱走者を大量に出してしまっている。
また、FEV(強制進化ウイルス)を用いて人間をスーパーミュータントの実験台に使用していると見られる痕跡もあることから、本作におけるスーパーミュータントが連邦中にいる原因が彼らインスティチュートのせいである可能性が高い。
「連邦のためになる研究をしている」とはしているが、争い続ける地上を「あの場所は死んだ」として見限っていて地下に希望を見出しており、実際に住民が生きている場所(地上)を実験場所や資源収集場所のようにしか捉えていないといった、発言と行動の食い違いなどから不信感を抱いたプレイヤーも少なくない。
上記のような思想と行動から連邦住民たちからは恐れられ嫌われており、本作における黒幕的な立ち位置にあるため、BOS、レールロード、ミニッツメンなどほぼどの勢力のルートEDにおいても、インスティチュートは完膚なきまでに滅ぼされる運命となっている(今後のFallout世界の正史もこちらである可能性が高い)。
逆に「インスティチュート側」ルートの場合、連邦の地域密着組織(兼すべての救済措置ルート)であるミニッツメンとは敵対しないで済むが、それ以外の組織とは思想的にも合わず、やはり敵対組織は皆殺しという血まみれの覇道を行くような展開となっている。
インスティチュートは複数の部門に分かれており、それぞれに部門を統括するリーダーがいる。そしてそれらのリーダーを統括する最上位のリーダーは「ファーザー」と呼ばれている。
- 設備部門
インスティチュート内の電力の采配や水の循環など、インフラ設備の維持管理を行っている。
- バイオサイエンス部門
生命に関する研究を行っている部門。植物の改良や浄化、人造動物の創造・作成などを行っている(人造人間はロボット工学部門の取り扱い)。また、地上にいる仲間を使って研究を地上で行わせたりする実験も行っている。
- アドバンスシステム部門
最先端のシステムの研究を行っている部門。時々遊びでレーザーぶっ放しているやつがいる。
- ロボット工学部門
人造人間の製作(生産?)を行っている組織。製作工場と思われるルームでは人造人間が製造されていく過程を見ることができる。
- SRB
人造人間全般を監視する部門。「コーサー」と呼ばれるハンターを抱えており、特定の敵性勢力の排除や人造人間の回収・調整などを行う。
- インスティチュートの源流となった組織「C.I.T」の元ネタは、優秀な研究者たちの集まる場所として知られる、全米でも有名な私立大学・研究機関の「マサチューセッツ工科大学」(Massachusetts Institute of Technology、略称:MIT)である。
- インスティチュートの場合、製作されている小道具類には(地上の施設に比べて)アルミニウムを使ったものが多い。そのため、プレイヤーによってはアルミニウムの調達場所としているのも。
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