概要
1868年にノルマンディー地方で生まれ、1951年にル・ヴェジネで没した哲学者であり、評論家。
学生時代は哲学と文学、批評に親しみ、卒業後は故郷に近いフランス北西部各地の高校で教師を務める。
伝統哲学に独自の解釈を加えた講義は人気があり、後にはレイモン・アロンやジョルジュ・カンギレム、シモーヌ・ヴェイユ、ジュリアン・グラックなどの思想家が教え子から育っている。
アランという筆名を使い始めたのは1903年頃。教職の傍らでは文学や教育、政治に関するコラム「プロポ」を地元紙に寄稿し、人気を博した。
(アランはフランス中世の詩人・作家アラン・シャルティエに由来する)
1909年からパリの名門校であるアンリ4世高校に哲学教師として赴任した後、戦争の愚劣さを直視すべく第一次世界大戦に志願兵として好んで前線に従軍。
除隊後は1921年に著した『マルス、または裁かれた戦争』など戦争体験をもとに戦争批判を行う。1925年には幸福論を著し、83歳で世を去るまで執筆活動を続けた。