曖昧さ回避
概要
ガイバーⅡから採取した強殖細胞を元に生み出された分解酵素は化学反応でガイバーの強殖生物の細胞で構成された生体部分全てを溶解する性質を持ち、その酵素を体内で生成するエンザイムはまさにガイバーの天敵と言える。反面、「対ガイバー用」に特化されている為他の運用用途に使い辛い事もあってか正規獣化兵内でのランクは底辺レベルの扱いとされている。
血液にも分解酵素が含まれており、漫画ではエンザイムⅡ戦でガイバーⅢが怪我をしたエンザイムⅡの傷口に追い打ちの貫手を行った際に差し込んだ腕が溶解した事で判明し(角川新版では初代のエンザイムと同じである事への巻島の言及モノローグが追記されている。)
OVA版ではガイバーⅠが腕の高周波ソードでエンザイムを斬り裂いた直後に腕ごと高周波ソードが溶解している。
エンザイム(初期型)
初のエンザイムシリーズである試作型ゾアノイド。
ぱっと見で白い毛皮のゴリラの様な外見であるが、尾端に返しの付いた槍の穂先の様な突起が付いた長い尻尾が生えている上に頭部は昆虫のような複眼と触角が付いており、首を延ばして頭を急速に移動させる事での不意討ち噛み付き攻撃も可能となっている。
初期型の分解酵素は外気に触れると効力を失うため、爪・牙・尾の先端に分泌腺が設けられており、それらの部分を突き刺して酵素を注入する形でガイバーにダメージを与える事が可能となっている。
クロノス日本支部長であった巻島玄蔵が度重なる失態の制裁として調整されたが、生体バランスを無視した(玄蔵自身加齢や健康面など生体面で獣化兵向きの資質に乏しい)短期間の調整で寿命が1週間しかない。
一応、再調整で延命は可能であるが、短期間の調整の弊害で一生獣化後の姿で生きなければならず、また先述の通り獣化兵の中でも扱いは最底辺である模様。
ガイバーⅠこと深町晶の活躍で全てを失い獣化兵としても底辺レベルに堕とされた玄蔵は憎悪と執念で本来想定されていたスペック以上の性能を引き出し、ガイバーの左前腕を噛み切って落とした辺りから優勢を取り腹部を尾で貫いてガイバーⅠを追い詰めたが、直後にギュオーの精神操作による強制命令が入り制御装置(コントロールメタル)を抜き取った。その後制御装置を失って暴走した元ガイバーⅠの強殖生物に襲われ、最期はギュオーの精神操作による自壊命令で肉体が四散し、返り血を浴びた強殖生物諸共溶解して死亡してしまった。
それから程なくガイバーⅠは制御装置に付着していた強殖生物細胞(小説版ではコントロールメタル内に非常用として予め内蔵されているストック)の増殖で復活したのだが、連載から5話目で主人公を一度殺害した敵という印象を残す事となった。
ちなみに玄蔵亡き後のクロノス日本支部では同型のエンザイムが数体調整中の状態であったが、自身への襲撃用に使われる事を警戒し襲撃してきたガイバーⅢに全て処分され調整データもほとんどが失われた。
エンザイムⅡ
エンザイムの改良型(メイン画像)。
日本支部の崩壊で初期型のデータが失われため、ハミルカル・バルカスが新たに作り出した。
分解酵素データや概略的なデータしか残っていなかった為かバルカスは「ほとんどわしのオリジナル状態」と語っている。
初期型と同様に白い毛皮で覆われているものの、頭部はより昆虫に寄せたデザインとなり、尻尾は無くなり代わりに背中から左右二対4本の甲殻質で刃物の様な末端部を持った触手が生えている。
また、酵素に関しても「外気に触れると効力を失う」という欠点を「外気に触れても分解酵素が分解しないよう維持する触媒酵素を導入」する事で改善されたために口部から吐き出す溶解液としても使用できるようになった。
作中では晶の父親が最初の被験体としてエンザイムⅡに調整され、皮肉にも親子同士で戦わされる羽目になり、またアプトムも調整実験の一環で細胞サンプルとして摂取しエンザイムⅡの形質を使用出来る様になっている。また先行量産された者達が何体か出撃したが本格量産までには至っておらず、大量の本格量産向け個体達が調整を受けていたが遺跡基地崩壊の際に初代エンザイム同様全ての個体が失われた。
エンザイムⅢ
第三世代のエンザイム。
エンザイムⅡと比べると一回り小さく、アーマーの様な外殻も相まって更に昆虫寄りなデザインとなっている。反面、スリム化した為ガイバーやアプトムとの単純格闘戦をこなしやすくなり初代やⅡで存在した本体の巨体故の鈍重さによる隙を衝かれない様になっている。またⅡでは廃された尻尾は黒い甲殻で構成された物という形で復活し初代の様な尾による多角刺突攻撃が可能となっている。背面肩甲甲殻部は鞘羽となっており中にゼクトールと同じ昆虫の物に似た翅が存在し、これによって飛行移動が可能。またエンザイムⅡで採用されていた分解酵素液の吐き出し機能は無くなった。
分解酵素に加え、アンチアプトム抗体・ウイルスの付与、アプトムの使用する生体ミサイルの爆破をさせずに分解する機能や生体レーザーの貫通痕や高周波ソードによる部位切断をされても死亡分解リミットを超えなければ接合し切断面も癒着するレベルの身体修復・再生能力を有するが、その非常に高い身体代謝などの代償として寿命が数年となり、人間としての自我すら失われている等、純粋な生物兵器に成り果てている。
非戦闘時は延命装置であるカプセルに収容されて休止状態となっている。