「この娘を利用するのは、この俺だ・・・。死ね!!ドブネズミ!!」
「甘いな村上さん、俺は深町とはちがう・・・この戦いに巻き込まれて何万人死のうが俺の知ったことじゃない!!」
ガイバーⅢ
強殖装甲ガイバーに登場する主要キャラ、巻島顎人が「ユニット・G」を纏った姿、それがガイバーⅢである。
黒く刺々しい容姿とガイバーⅠよりマッシブな体型、左右二対の計四基の高周波ソードが特徴だが、これは単に体格と初殖装時のメンタル差がガイバーの姿に現れているだけで、基本能力はガイバーⅠと一緒である。
ガイバーⅠこと深町晶が一般民間人で大人しい性格の為無為な殺戮や争いを好まないのに対し、彼は対照的なまでに戦闘や殺戮に対してドライになれる男である。
物語序盤ではゼウスを名乗り暗躍し、正体を明かした物語中盤まではガイバーⅠと共にクロノスと戦っていたが、独自勢力・「ゼウスの雷」を組織し独自の調整体「リベルタス」達を率いる様になってからは主人公達と袂を分かった。
性格は冷静沈着だが内に傲慢さを秘めており、クロノスに取って代わって世界の覇権を手に入れようとする野心家である。
というのも彼は元々天才児でありその才能を大会社の叔父である巻島玄蔵に見出されたが玄蔵の養子になる際に実の家族を玄蔵の策謀によって殺されており、だが玄蔵もクロノスという大組織においては小さなポストを占める者に過ぎない事が分かり、そのコンプレックスから「自分は誰からも支配されぬ者になる」という思考原理を持つようになった。
優れた頭脳と身体能力にリーダーシップ、そして現実的な思考を備えているため、クロノスにとって最も危険な敵となっている。
この乱世の奸雄ともいうべきキャラクターは登場人物達の中でも異彩を放っているためか、劇中でも特異な存在感を放っている。ヒーロー漫画にはなかなか登場しない、”ヒーローの力を自分の野望のために使う”珍しい存在なのである。
ある意味ガイバーという作品の特異性を担っているキャラクターでもあるといえよう。
ギガンティック・ダーク
深町晶からガイバー・ギガンティックの制御を譲渡されて得たガイバーⅢの新しい姿。基本となる能力はガイバー・ギガンティックと一緒だが、数が多い高周波ソードをオールレンジ切断端末の様に使用したり、わざとその場に残る様に切断した足を制御して遠隔攻撃端末の様に使い熟すなど並外れた戦闘センスを誇る顎人によって潜在能力をフル活用されている。当初は巻島顎人の精神力が深町晶を上回っていたためにギガンティックの使用優先権は顎人によって奪い取られていたが、後に精神的成長を遂げた晶によって奪い返されてしまった。
現在はクロノス本部にて強奪した遺跡の制御球を使ってもう一組のギガンティック装備のセットである「蛹」を作り上げギガンティック・ダーク専用にし使用している。その後深町との個人的な「決闘」を経て深町からギガンティックXDのデータを渡され、ギガンティックXDのガイバーⅢ版である「XDダークネス」を使用出来る様になっている
余談
ガイバーⅢの体色は黒いが、これを決めたのがMAX渡辺氏が原作にて初めてガイバーⅢの出現シーンを見た(正体不明とする為に黒塗り演出にしていた)際にⅢって黒いんだね。と言ったのが決定理由だったりする。
当初ガイバーは顔のデティールの違いだけで見分けさせる予定で、ⅠもⅡもⅢも体色等の外見は同一だったのだが、その後最初に出したアニメ作品では女性が殖装するためか体色・甲殻部デティールなどに差異が有るデザインにされ、OVA版を出す頃には完全に修正されガイバー達はそれぞれのパーソナリティに合わせ、簡単に個体識別が出来る外観差異が形成される様になった。