オカエリナサイ
おかえりなさい
銀河中心殴り込み艦隊出発より12257年後の14292年7月7日
その夜、バスターマシン1号&2号 及び その搭乗者達が 地球に帰還した
それは、彼女が見守るなか 一人の少女が守り抜いた 地球に その少女が待ちわびていた ノノリリ達が 帰ってきた瞬間でもあった
トップをねらえ!の最後を飾る名言である。銀河系中心に巣食う宇宙怪獣たちをバスターマシン3号のブラックホール爆弾によって滅ぼしたノリコとカズミ、しかしそのブラックホールの影響によって(地球と比較して)1万2千年という膨大な時が流れてしまう。
なんとか地球に帰還したノリコとカズミであったが、地球には明かりが灯っておらず人類文明は滅亡したのかと悲しむ二人であったが、そこに次々と地球上の明かりが灯りだし、その明かりによって「オカエリナサイ」(イが反転している。)とかつてユング・フロイトが誓った二人の帰還を喜ぶ言葉が映し出された。
自分たちが命がけで守った人類文明が存続していたこと、自分たちのことを忘れずにいてくれたことに感激した二人は喜びの涙を流すのであった。
トップをねらえ!の企画、脚本を担っていた、実質の原作者である岡田斗司夫氏によれば、遙か昔の遙か遠い所から帰ってくる地球を救った少女達の事は時代が過ぎて曖昧になってしまって、それでも、命を賭けて戦い、遥か彼方から帰ってくる少女達に感謝をし、労いをしたい気持ちのあらわれである。しかし、一万二千年も経過している為に日本語などの文明や文化なども曖昧、または忘れられている可能性があるって事なので最後の「イ」が逆さまになっている。
実際には、制作側の照れ隠しもあるが、ストレートよりも少し外した方が心に伝わると考えた結果の演出でもある。
たしかに、本編を観ていると、岡田斗司夫氏が言うように「なんでイが逆さまなんだwwwでも泣けるやんけ!!」となる。
また、トップをねらえ!とトップをねらえ2!の間の時系列の物語であるという設定のトップをねらえ!ネクストジェネレーションはラストシーンまで完結しなかったのだが、後に単行本化されており、原作者の山口宏氏は後書きで「ラストは主人公のハヤミ・マリナが『オカエリナサイ』の電光文字を作るシーンにするつもりでした。慌てて作った為に『イ』だけ反転するというオチです」と綴っている。(マリナもこの作品の最終決戦でウラシマ効果を受け、ノリコ達が帰還する直前の地球に舞い降りた為、慌てて作ることになったという。)
なお、その当時岡田斗司夫氏が構想していた裏設定は『一万二千年も人類が地球で待ってて、"帰ってきてくれてありがとう"と言ってくれる、なんて普通に考えれば有り得ない。一万二千年も経っているのだから。とっくの昔に人類は絶滅し、生き残った生物が進化し新たな知的生命体が生まれ、そして滅び、さらにまた新たな知的生命体が生まれる。それが地球で一万二千年の間何度繰り返されたかもわからない。その知的生命体達の間で受け継がれ、唯一ずっと守られてきたのが「一万二千年後に帰ってくる英雄に"おかえりなさい"と言ってあげる」という使命であった。彼らは"オカエリナサイ"という意味も知らない図形を、いつか帰ってくる恩人のために代々書き写し受け継いできたのであった。』というものであった。ということが岡田斗司夫自身のYouTubeチャンネルにて明かされている。もっともこの裏設定はトップをねらえ公式が認めた設定ではなく脚本担当の岡田斗司夫氏の脳内で構成された裏話であることに注意してほしい。
このように、オカエリナサイについての公式の見解はかなり散乱しており、並べると
- 一万二千年経っても人類は地球を救った英雄の事を覚えていてくれた。(本編表層的設定)
- 別に覚えておらず英雄が帰ってくる直前に来た有識者の手伝いによりオカエリナサイ電光掲示板が作成された。(外伝設定)
- 上記2つどちらかの設定+英雄が帰ってくる直前、もう1つの地球存亡の危機があった。(トップ2設定)
- 人類は滅んだ。しかし一万二千年の間、地球に生きた知的生命体達の間でいつか帰ってくる英雄と"オカエリナサイ"の文字が口伝されてきた。(本編裏設定)
の4つがある。
はやぶさが地球へ帰還してきた際のイラストにも付けられている。
ここでも、岡田氏の考えたように、頑張ったはやぶさへの感謝と労いをしたいユーザー達のリアルな「オカエリナサイ」なのかもしれない。
トップが参戦した第3次スパロボZ天獄篇では上記の『オカエリナサイ』のシーンカットが存在するが、このときにノノ曰く「突貫工事でミスがあった」そうで、上記の後書きの設定が採用されているようである。