概要
世界初の主砲多数搭載艦となったドレッドノート建造の後、準同型艦のベレロフォン級、50口径30.5cm砲搭載のセント・ヴィンセント級などを建造してきたイギリス海軍であったが、成長著しいドイツ海軍に対抗するため12インチ(30.5cm)の枠を破る戦艦の建造に着手した。
特徴
最大の特徴は、主砲にこれまで各国海軍が建造してきた戦艦より大口径の「1912年Mark5 34.3cm」砲を搭載したことである。
これまではドレッドノートに搭載したものより強力な50口径30.5cm砲を搭載した戦艦を建造してきたが、高初速のために砲身命数の低下や命中率の低下などデメリットも多く存在していた。
34.3cm砲は初速を落とす代わりに、砲弾重量を30.5cm砲弾の386kgから563kgと1.5倍に増しており、さらに艦首尾線上に砲塔が並べられたことで無理なく舷側側に全主砲を向けての射撃ができるようになった(これも世界初)。
装甲も34.3cm砲弾に対応できるように舷側305mmとなっており既存艦より強化されているが、一方でむやみな大型化を避けるために艦首尾を非装甲にした集中防御方式を取り入れている。
これだけの新機軸を搭載した本級のことを、就役当時は超ド級戦艦(Super Dreadnoughts:スーパードレッドノート)であると宣伝され、用語として定着した。
同型艦
オライオン、モナーク、コンカラー、サンダラーの四隻が1912年に就役する。第一次世界大戦を経て、ワシントン海軍軍縮条約で練習艦となったサンダラー以外を廃棄。サンダラーもネルソン級戦艦の就役により1927年に解体処分された。