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CV:日野聡


概要編集

渇水の国サヴァロンの第一王子。物語時点では、行方不明となった父王・リオンの代理として国を取り仕切っている。

砂漠という環境下で暮らす国や民の事を真剣に考えている一方で、王政でありながらも評議会制度を取り入れている事から金儲けや自身の利益の事を優先しがちな豪商の議員達に議会を牛耳られている事を憂いている。

王族としての矜持が高いために平民への差別が顕著な傾向があるが、その点を除けば上に立つ者の姿勢としてはグローリアから共感を得ており、(恐らくミューザ健在時も友邦国であった頃から)彼女にとっては数少ない年齢が近い統制者として友好関係を結んでいる(年長者でない事もあり対等に議論を交わし合える間柄)。


物語内では、近年国内で発生した水害に加えてリオン王の不在という幾つもの問題を抱えながらも、利害の一致でグローリア達に協力し何度か同行する。ちなみに当初は上記のようにグローリア以外の三人を「平民」として突き放していたが、途中で彼らの力量を見て考えを改めると同時に、態度も掌を返すように好意的になる。但し、貴族でありながらもその振る舞いを見せずに積極的に距離を詰めてくるエルヴィスについては苦手の模様。


こうして劇中で紆余曲折を経て、水害と水のクリスタルの関係性からバーナードを一連の事件の原因として追い続ける中で、戦士達一行にバーナードの屋敷潜入について協力を申し出るが…。







1章(ネタバレ注意)編集






ここから先は、物語の根幹に触れる内容が含まれています。






ニハルの協力もあってバーナードの屋敷に潜入し、水のクリスタルを発見した戦士一行。しかしその直後、時間稼ぎという目的のために王宮に呼び出されていた筈のバーナードが彼らに迫る。疑問に思いながらも水のクリスタル奪還の為に戦士達は戦闘に入り、彼を撃破する。

だが、敗北したバーナードは何故か彼らに向けて嘲笑いながらこう告げる…「残念?降参?何か勘違いしていないか?」と。最後の悪あがきかと思われたが、その彼の背後から現れたのは同じく王宮にいるはずのカストルと、王宮の兵士達。


「追い詰められたのはお前達だ、カストル王子とオレは最初から…グルだったんだよ!!」


水のクリスタルを目当てにやってきた戦士達を罠に嵌める為の狂言だったと暴露し、形勢逆転の勝利に高笑いをあげるバーナードだったが、共犯者として並ぶような足取りで無表情のまま剣を抜き放ったカストルは…背後から彼を剣で一突きし、殺害した。





ここからはさらに、物語の根幹に触れる内容が含まれています。



…二転三転の急変で混乱する戦士達の前で、カストル王子は今しがた刺殺したバーナードの事はまだその存在に利用価値があるといい、その彼を殺害した「罪人」として戦士達を拘束してしまう。そして、依然として滾々と水を湧き出すクリスタルを前にこう言い放った。


「水のクリスタル、なんと美しい輝きなのだ…ミューザを滅ぼしてでもこれを手に入れる価値はあった!!


そう、そもそも水のクリスタルをミューザから強奪したのはバーナードと結託した王子本人であり、しかしバーナードがクリスタルの所有を独占してしまった為に最初から排除しようとは考えていた。そこにグローリア達がやってきたので、スケープゴートに仕立て上げる為に協力するふりをしていたのである。

この時から性格も豹変し、一人称も「俺」になったりと粗暴な面が現れる。これは下記による影響などではなく元々彼の性質が苛烈な方で、普段は鳴りを潜めているだけの所謂二面性を持ったキャラクターだった。



…更に、物語が進んで戦士達が改めて王宮でカストルと対峙した時に、彼の本性が露になった――今までの理知的な様子が嘘だったように、激昂と共に姿まで変化した彼は旅人の女性から与えられた「ベルセルク」のアスタリスク所持者であった事、そしてその力でミューザ侵攻を前に自ら父王を殺めてしまった事が、戦闘後にアスタリスクを手に入れた事で発動したエルヴィスの魔導書の力で周囲に知られてしまう。

記録官のアンドロの白状もあり、兵士達の信用を失った彼はその場から逃走を試みようとしたが、もたれかかったバルコニーの手すりが不意に崩れ、落下。音、そして物語終盤の試練の回廊の再戦時のカストルの図鑑の説明文からして、落水したものと思われる。

この事故は偶然ではなく、実はカストルが父王の抹殺時に1回目の攻撃を仕損じており、その際にバルコニーの手すりに掠っているように見えるのだが、1章終盤ではその箇所が崩壊したのである――章全体を通してみればこの結果はまさに因果応報、といえよう。


…水を持って国を救おうとした王子の末路は水による報いが齎された。彼の顛末については、父王共々「病死」という事で民に知らされ、真実は王族として唯一生き残ったポール王子を始めとした要人だけが知る所となったのだった。




余談編集


…全ては遺跡となった旧王朝がもたらした砂ばかりの環境を潤して国の現状を救いたいという思いからで、彼自身は決して暴君のような人間ではなかったものの国が潤うのであればその影響による被害が出ても知った事ではないという、思い詰めた思想が暴走してしまった事で今回の悲劇が起きてしまった(アスタリスクの性質と相性が合致していたが故の可能性もある)。

後のサブクエストでも父王や弟のポールが「未来の国や民」を重要視していたその一方で、「現在の国や民」の事を考えていたという彼の思想に間違いは無い。国難を一気に解決する可能性を秘めたクリスタルの力を聞けば何としてでも手に入れてみせるという流れになるのは当然だった。

募り燻り続けていた怒りと焦りは、仮にアスタリスクの力がなくとも何れは彼を凶行に走らせたかもしれない。




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