概要
CV:緒方賢一 (1994年版、2000年版)/ 小西克幸(2017年版)
『魔法陣グルグル』の登場人物。半裸の腰ミノ姿と怪しい踊り「キタキタ踊り」がトレードマーク。その凄まじいインパクトを誇るキャラクターから絶大な人気を得ている。
スピンオフ作品『舞勇伝キタキタ』ではついに主役に上り詰めた。
ちなみに演じた緒方氏がキャラを気に入って親父のコスプレ姿でアフレコしたこともある。
ガンガンONLINEで開催された人気投票では第4位にランクイン。獲得票数は1780票。
中間結果ではニケに6票差で勝ち越すも、主人公パワーに押されたのか402票差で追い抜かされる。
ちなみに第3位はジュジュ。彼女との票差は118票差。
『魔法陣グルグル+』での作者コメントによると「一回限りのつもりで出したキャラですが、出すほどに面白いので、ここまで来てしまいました」とのこと。
実は何気に同作では非常に珍しいキャラソン(?)持ちであり、タイトルは「DE・SU・ZO」。
なお、一応歌は緒方氏の声による物であるが、実際は歌というよりも緒方氏によるキタキタおやじの台詞をサンプリングして製作されたものであるため、公式音MADに近い。
実はパロディソングでもあり、元ネタは1994年に発表され、一世を風靡したEAST END×YURIの楽曲「DA・YO・NE」。
タイトルおよび「ですぞ!(ですぞ!)ですぞ!(ですぞ!)」と繰り返すところ等に元ネタの面影を感じることができる。
キャラの人気と合わせて比較的人気が高く、また魔法陣グルグルの劇場版アニメの主題歌「金のトビラ」とカップリングで収録されていたこともあってそこそこの知名度を誇る。
人物
本名はアドバーグ・エルドル。ただし、こちらで呼ばれる事は稀で、基本的に「おやじ」「おやじさん」といった通称で呼ばれる。
かつてはキタの町の町長で、貧しい田舎町だった同地を豊かにすべく、町興しの一環として古来より伝わる聖なる踊りキタキタ踊りを見世物にし、町興しに成功する。
だが、門外不出の仕来りであった踊りを部外者に広く公開したことが神の怒りにふれたのか、本来の踊り手である女子が生まれなくなってしまう。
その責を負う形で自らがキタキタ踊りの踊り手となるが、このせいで観光客は激減、町長の座を追われることとなる。
その後は町の宿屋の主人の傍ら、キタキタ踊りの後継者を探し、更にそれを世に広めるべくひたすらキタキタ踊りを踊る日々が続いている。
だが、彼の踊るキタキタ踊りは気持ち悪いの一言に尽き、大抵の人間には変態扱いされ、あまつさえ、魔物にすら気持ち悪がられ、避けられることがほとんどである(一応、一部の魔物や人間にウケたこともあったが、あまりにしつこくやりすぎたために飽きられてしまう描写もある)。
また、一人でも多くの人間に自分の踊りを見てもらいたいという気持ちが強すぎて、すぐ暴走し所構わず踊りだすという、始末に負えない癖を持つトラブルメーカーでもある。
ただ、踊りとその虚栄心さえなければ時折年長者として常識人の一面を見せる。
下記の様に常に踊り続けて鍛えられているせいか体力や耐久性は桁外れ(ギャグ補正と言えばそれまでだが)。足腰の強さは一流の戦士に匹敵する。
作品中でキャラクターのHPが表示されることがあるが、彼のそれはHP1650と桁違いの数値である(参考までに、原作最初のボスキャラカセギゴールドがHP30、中盤に登場したボス悪魔サタナチアのHPが190、雑魚キャラのタテジワネズミ・クロコに至っては2~3しかない)。
劇中での活躍
魔法陣グルグル
ククリとミグが攫われた際に巻き添えでノコギリ山へと連れて行かれる。
その後成り行きでカセギゴールド戦にも同行するが、戦いの途中で踊りの中に魔法陣が隠されていた事が発覚する。
この時に上記の身の上話をした事もあり、ミグをキタキタ踊りの後継者にしようと画策するが、しつこい攻勢をウザがられあえなく失敗。
そのため、後からニケ達のパーティに無理矢理加わり、旅をしながらキタキタ踊りを広めつつ後継者を探す事にする。
基本的にはひたすら踊っているだけで敵味方問わずうっとおしがられるだけの存在であるが、装備の力もあってのことだがサタナチア(ボス)の攻撃に一人だけ耐えて注意を引きつけるなど、要所要所で役に立つこともある(なんならラスボスの魔王ギリの攻撃にすら耐えていた)。
また、ひたすら踊り続けたためか体が鍛え抜かれており、大抵のモンスターはキタキタ踊りで撃退してしまうほど。
尚、おやじ自身はこれをキタキタ踊りの力であると言っている。
また、本来ならば断絶の危機にあったキタキタ躍りを自ら完璧な状態で継承したことによって、その躍りの中に封印されていた魔神「ベームベーム」をククリが味方にすることができたと考慮すれば、間接的にではあるもののベームベームを用いた戦果はおやじの戦果と言えなくもない。
もしもベームベームを味方にできていなかったならばニケとククリの冒険は最初のダンジョンであるノコギリ山の時点で終わっていたおそれすらあることから隠れたMVPと言えるだろう(仮にカセギゴールドはなんとか切り抜けたとしても後に襲われた101匹ものヤンバンに対処する手段が無いため、ベームベームが無い状態ではどちらにしても詰んでいた)。
なお、もしもの話ではあるがキタキタ躍りを本来の躍りてである若い女性が踊っていた場合、ニケもククリもその躍りに魅了されただけでベームベームの封印までは気づかなかった可能性も高い。
そもそもそれにニケが気づいたきっかけは、ニケがカセギゴールドとの戦いで死にかけた際にたった一度だけの奇跡として発動した星屑の剣の精霊の力でおやじの躍りがパワーアップしたことであるため、ただおやじの躍りを見ていただけでは気づかなかったおそれもある。
しかもそれもおやじがその戦いの場にいた理由も、特に理由もないのに魔物にさらわれてしまったからであり、様々な偶然と奇跡が重なった結果の習得である。
そのあり得ないような偶然と奇跡の中心にいるのは間違いなくおやじであり、ある意味で彼の功績である……が基本的に感謝されるようなことはないのもまたおやじだからであろう。
結局ニケたちとは最後まで同行し、魔王ギリの封印の際にはどさくさにまぎれ、グルグルとキタキタ踊りの力で封印したことにしてしまう。
このことは後の『舞勇伝キタキタ』の冒頭でも語られる。
舞勇伝キタキタ
魔法陣グルグルで世界平和に導いた実績をかさに各地にキタキタの像なる建造物を設立する。
おやじ自身は相変わらず後継者を探し続け、世界各地を放浪していた。
その途中、勇者を目指す少年チキを無理矢理後継者に指名し、彼に指導する形で旅に出る。
その道中立ち寄ったモヨリ城で、城の王女ルータが魔物にさらわれたことを知りこれを救助する。
その後、魔物に襲われ壊滅したモヨリ城を元に戻すため、ルータ王女を仲間にし再び旅立つ。
魔法陣グルグル2
ニケ達一行がキタの町を再訪し、町長から宿屋を勧められた際、おやじは後継者探しの旅からまったく帰ってこないため、宿屋は現在他の人が経営を引き継いでいることが判明している。
しかし、黒マントで変装をした姿でキタの町に戻ってきたおやじはニケとククリが魔王出現を捜査する旅に出たと聞き2人を追う。
その道中、マズロカの町の呪いをキタキタ踊りで解いたり、悪霊の軍団を退治したりと舞勇伝を作りながらも一人旅を続け、サビーナ山のダンジョンに向かう途中でついにニケ達一行と合流を果たす。
だが、バレバレの変装にもかかわらず、ニケ達は彼の正体に気づかなかったため、より目立つ形で正体を明かそうと画策し、そのためにキタキタ踊りを封じなければならないという縛りに苦しむ事に。その後、服がどんどん脱げていっても一向に正体がバレなかったのだが、最後にすね毛が露わとなった事でようやく気付かれた。
余談
1994年版魔法陣グルグルで演じた緒方賢一氏にとって大のお気に入りキャラであり、あるときなどおやじの腰蓑コスプレを披露したこともある。
2017年版で緒方氏からバトンタッチを受けた小西克幸氏も熱演したが、緒方氏の演技がほぼ素であったのに対し小西氏のそれは怪演と言って良く、違いを比べてみるとよりキタキタおやじを楽しめる要素となっている。