概要
デスクルスの南西にぽつんと建っているドック。
特に危険なモンスターの徘徊も見られるこの地域に集まる屈強な者たちがあつまっているにしては、町としては小さすぎた。ためしに立ち寄ってみるとそこでは戦車の話ばかり。
メイン画像の文は入口の立て札に書かれている内容を概ね再現したものである。
内部は酒場兼戦車用の武器や道具の店となっており、戦車の素晴らしさを共有しようとする人、戦車の整備状態をつぶさに観察しようとしたあげくメカニックを紹介して修理代を取ってやろうと考えている人、戦車を持ってないのに戦車道具を購入しようとする人、戦車の良さを理解しない人への対抗意識を燃やす人、まだ発掘されてない戦車の噂話に花を咲かせる人など、みな「自分なりの」戦車への想いを持ったタンクフリークが思い思いの時を過ごしている。
指名手配のポスターも1枚あるのだが、それはカリョストロだった。戦車の上に棒立ちになって戦おうとする彼に何か思うところでもあるのだろうか?
荒廃した世界において、自分の目的を持って力強く生きている人がいることを、プレイヤーにまざまざと見せ付けるスポット、それがキャタピラビレッジである。
おおむねこんな感じ。
人間ビレッジ
このキャタピラビレッジの北部ほどない距離に、森に囲まれて戦車が入れないもう1つのビレッジがある。
立ち寄ってみると無数の戦車止めが幾重にも立てられており、これだけで彼らがどんな生き様なのか一目でわかる。
立て札も対になっており、「人間なら自分の足で歩こう!」と書かれている。そう、戦車嫌いの集まるソルジャーたちのたまり場なのだ。
こちらは宿屋兼白兵戦の武具や道具を取り扱う店になっており、集まる人々は戦車に頼らない戦いをしていることを誇りにしている。指名手配ポスターはなんとダイダロス。これを生身で倒すことを目標にしているらしい。
彼らもまた、この世界で自分の考えをしかと持った拘りある者たち。
対になっている2つを見比べて
これらの施設は、終盤の装備品を整えるスポットとしてぜひとも押さえておきたい場所。戦車が好きかどうかはともかく、役に立つものがどちらにも販売されていることは間違いない。
だがそれ以上に、ここを往復してみると、メタルマックスシリーズの世界観において自由に生きるとはどういうことかを見せ付けてくれている意味合いも感じられる。
自分が彼らと異なる考えがあったとしよう。彼らはそれを聞くと文句は言う。
「あんたは戦車がきらいか。でもわしは大好きじゃ!」「戦車? キャタピラビレッジのアホどもの仲間かい?」
このように言ってはくる。しかし拒むことはない。
自由に生きるとは、他人の自由を尊重することでもあると、彼らはわかっている。だから、お互いに攻撃へと走ることはない。
「人間村のおたんこなすどもに戦車の良さがわかってたまるかーっ!」
「戦車が怖くてソルジャーがやれるかーっ!」
こんなことを互いに言いつつも、それでもそういう人々が「共存」しているのはシリーズ共通の価値観である。
砂塵の鎖
本作にもこの2つを意識した町が存在する。
「キャタピラ要塞」と「人間砦」であり、基本的な考えは一緒。
違うのは1つの大きな町として両者が並存していることであり、立体構造の町の低層階にキャタピラ要塞があり、戦車では登れない階段を上がった上層階が人間砦になっている。
モンスターの襲撃があると両者はどちらがより手柄を立てたかで競争するために町を守ろうとするため、この切磋琢磨が功を奏して町の守りは鉄壁となっている。