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「フ… 慎重だな」

「安心せい、我々を誰だと思ってやがる?」

「ん!? お前達、バリーを知ってるのか?」

「だとしたら話が早い…」

「奴と私は魔界でライバル同士だった…」

「本気でかかってこなければ… お前ら、死ぬぞ!!」

「フン、どうしたあ!?」

「我々はまだ8割の力も出しておらんぞ!!!」

概要

漫画「金色のガッシュ!!」及びアニメ「金色のガッシュベル!!」に登場する魔物の子(ピクシブ百科事典における他作品のキャラクター等は誘導記事のキースを参照)。

ファウードの最終的な横取りを企み、リオウに協力する魔物の1体。

CVは堀内賢雄氏。

公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明。

一応、原作239話ではバリーが同じクラスに転校してきたという過去が明かされているため、飛び級等の細々を考慮しなければバリーと同じ17歳だと思われる。

邂逅編時点でのガッシュ&清麿を完敗させたほどの実力を持つ強者・バリーのライバルという立ち位置で登場した魔物であり、現に総合戦闘力はファウードに集まった猛者達の中でも高い方だと思われる描写も多い。

ただ、作中の描写を見る限り、「バリーのライバル」というのは「競い合う関係」や「互いに認め合っている仲」ではなく「キースが一方的にライバル視しているだけ」といった印象が強い。

また、後述のようにファウード編における敵陣営の中では最もギャグ描写が多く、その上で高い実力も併せ持っているため、ファンからは「ファウード編におけるビクトリーム」「現代版ビクトリーム」等と称されることもある独特なキャラクター。

人物像

容姿

三日月型の頭部や、ビクトリームと同じような大きく角ばった白目が特徴的。

魔物に共通した目の下の線も独特であり、線の内側が唐草模様もしくは渦巻文様のような模様で埋め尽くされている。

前述の理由から、人間換算年齢はバリーと同じく17歳だと思われるのだが、人間換算が10代中~後半の魔物にしては珍しく小柄であり、概ね三頭身ほど(現にバリー、ダニー、ウォンレイはいずれも成人に近い体格となっている)。

また、両腕の肩~肘辺りまでが文字通りの「バネ」になっており、キースの意志で自在に伸縮させることが可能。

他、ステッキを常に携えており、葉巻を咥えているシーンが多い。葉巻はズボンの中に何本か収納している模様。

性格

一人称は「オレ」または「私」。

ギャグシーンが多いため、何かとコミカルな印象が強いかもしれないが、対峙した相手には冷酷な言動を浴びせながら追い詰めていくシビアな面も持つ。

現にガッシュペア&キャンチョメペアと対面した際には(熱唱を邪魔された怒りもあっただろうとはいえ)「虫ケラ」「道端のクソにもならんクソッタレ」とガッシュ達に罵倒を浴びせ、戦闘中でも記事冒頭のような台詞で相手を容赦なく煽っていく。

もっともこれらの言動は、邂逅編時点で退場した魔物達のように「王を決める戦いの中で性格が歪んでしまったから」というよりも「実力もプライドも高いが故に他者を見下している」といった魔界時代からの性格によるものだと思われる。

現に原作239話の回想シーンでも初対面のバリーを罵倒するだけでなく、机の上に両足を乗せ、教室の中であるにもかかわらず葉巻を吸っているので、元から素行が悪い学生だった可能性が高い。

また、ガッシュ&キャンチョメ戦にて事実上の敗北を喫した際には「いも天を食べなきゃいけないから見逃してやる」と明らかな言い訳をして去っていったり、人間界に来ても尚バリーとの再戦に拘り続けていた描写から、相当な負けず嫌いである面(悪く言えば「自らの敗北や苦い経験を素直に受け入れない」という面)を持つと読み取れる。

総じて邂逅編(=まだ大きな精神的成長を遂げていない)時点でのバリーと重なる部分の多い性格をしているため、ファウード編で再会したバリーが「昔のオレを見ているみたいでイライラする」と評したのも間違ってはいなかったのかもしれない。

補足すると、少年サンデーコミックス版第21巻の扉絵では人間界の料理店で(葉巻を咥えながらではあるが)厨房に立っている姿が描かれていたり、ブザライ達との連携も特に問題なくこなす等、社交性に富んでいると見られる面もある。

また後述されている最後のやり取りを見るに「根は良い奴」とも言える。

趣味嗜好等

登場時期がファウード編だったため、公式情報として好物等の詳細が明かされたことはないが、作中の描写を踏まえれば間違いなくいも天ベートーヴェンを愛している。

原作においてはいも天を好きになった理由が語られていないが、アニメ版においては魔界時代からの好物という設定になっている。

ベートーヴェンについては当然ながら人間界の偉人なので、間違いなく人間界に来てから存在を知ったと思われるのだが、こちらについても原作版では詳細は語られていない(アニメ版においてはベルンとの出会いと合わせ、アニオリ展開による補足が入っている。詳細は当記事における「本の持ち主」の項目を参照)。

また、「第九」を歌唱する際には相当に熱を込めた表情をし、原作237話では感涙(?)すらしているのだが、なぜか歌詞は、

ウェ――――ンヘン、

ヒョ―――ンフェン、

ヒョンロンペンチョン、

フェンチョンペンチャン、

ピョ~~~ロフッ!

ウェ――ディンロンフォン、

パンチョンペンチャン

ポイノイロンロン

ピーペプ!

ビーディルボーディル

ヘェンディンフォンデン、

フォーデルマイデン

ロンベルデン!

ハーマイロンガン

ビャービューローホー、

マーデルフォンデン、

ウィ――ベロー!!

などという非常にデタラメなものであり、なぜキースがきちんとした歌詞で歌わないのかは不明(まあ、メタ的に言えばただのギャグシーンなので、深い意味は無いのだと思われるが……)。

実力

前述のようにプライドが高く負けず嫌いな面が目立つが、決して実力と内面が吊り合っていないわけではなく、むしろ「王を決める戦い」に参加した100人の中では充分に強者といえるほどの高い総合戦闘力を持つ

原作239話でもキース自身が「魔界時代は西の地で無敵の子だった」と述べており、実際の戦闘能力を踏まえても決して自惚れや誇張ではなかったと思われる。

肉体面に関しては卓越しているとまで言える描写はないものの、原作193話でキャンチョメを肉体強化呪文抜きで背後から殴りつけた際には吐血させているので、腕力はそこそこ高い模様。

ギャグキャラクターという印象が強いものの、むしろ明確に優れた描写が多いのは頭脳面であり、バリーと同じように戦闘における判断力や分析力、及び直感に優れた技巧派である。

現にガッシュ&キャンチョメ戦では、

  • キャンチョメがポルクで岩の壁に変身して周囲の風景と同化した際には、周囲をつぶさに探索するのではなく、一度に広範囲を巻き込めるラージア系をブザライに使用させて確実にダメージを与えるという非常に効果的な手段を取る。
  • 同じくキャンチョメがコポルクを使用した際には、初見にもかかわらず小型化したキャンチョメを発見し、キャンチョメが小型化して接近してきた状況(=絶対にフォルゴレを庇うことができない状況)を逆利用してキャンチョメではなくフォルゴレに術を放って致命傷を与える。作中においてキャンチョメの術に対して初見で完全に効果を見抜いて対処できたのはキースのみである。
    • なぜ初見で小型化を完璧に見抜けたのかは不明だが、おそらく戦闘における直感が非常に優れている、もしくは作中における強者なら当たり前のように持ち得ている魔力感知能力を使用したのだと思われる。
  • ディカポルクに関しては一瞬だけ「巨大化!!?」と騙されかけたものの、ブザライの術によって幻だとわかった際には「だとしたら本体はそこだ」と即座にキャンチョメ本人が地上にいることを見抜いて攻撃する
  • ディマ・ブルクに対しても一度目こそ分身の「服を汚す」という工夫で本体を見抜けなかったものの、戦闘終盤では「ブザライとの格闘でもほとんど動けていない」という優れた観察力でキャンチョメ本人を完璧に把握し、フォルゴレが駆け付けなければ助けが間に合わない状況で攻撃を仕掛ける。
  • 清麿がザグルゼムによる連鎖誘導を一度も行っていないにもかかわらず、ザグルゼムを受けたブザライの武器が誘爆される前から連鎖誘導の性質があると見抜いて距離を取る。また、戦闘終盤では連鎖誘導が成立しないよう予めブザライとは反対方向に位置取っておく

等、実質的には自身の力だけで前衛と指揮官を兼任しているといっても過言ではない立ち回りを見せ、キャンチョメの呪文全てに対して完璧に対処している

更にはザグルゼムを被弾している状態、かつ防御呪文や肉体強化抜きでバオウに噛み砕かれても(足は震えているが)立ち続けられるほどの肉体強度も誇っており、総じて肉体面・頭脳面ともに優れた強者だといえるだろう。

公式から術属性が明かされていないため、公式情報としての表記は不明。

とはいえ、バリーとの関係性や作中の描写を踏まえれば、ほぼ間違いなくバリーと同じ「光」属性だと思われる(バリーに関しては公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」にて術属性が「光」だと明かされている)。

主にバリーと同じく光線を放つが、光線の形が「矢印」や「板状」といった「直線」をイメージしたものになっており、「渦巻」をイメージしたバリーとは対になっているようにも思える。

ガンズ・ギニス

無数の板状の光線を放つ。

原作191話で空中に放つ際と、原作192話でフォルゴレに放つ際では光線の拡散具合が明らかに異なっているため、任意で光線の拡散・密集を変えられる性質があるのかもしれない。

ギガノ・ギニス

矢印状の光線を10本以上も束ね、一直線に発射するギガノ級呪文。

アム・ガルギニス

両腕もしくは片腕に術のエネルギーを纏って攻撃する。

前述のようにキースは腕をバネのように伸ばして攻撃できるため、肉体強化系でありながら遠距離攻撃も可能という利点も持つ。

ゴウ・ガルギニス

術のエネルギーを全身に纏い、高速回転しながら突撃する。

バリーのガルゾニスと挙動がほぼ同じ。

ドルギニス

右腕にドリル状の光線を纏って攻撃する。

バリーのドルゾニスと同系統の術であり、装備する腕も右腕とお揃い。

バーガス・ギニスガン

全身を発光させ、20発以上もの小さな光弾を発射(弾の先端が矢印、根元が丸い形になっている)。壁や天井に乱反射させ、四方八方から攻撃する呪文。

キロン・ギニス

ムチ状の光線を発射する。

この術のみ描写が一瞬、かつ「ロン系」であるためか鞭のような見た目になっているため、先端が矢印や直線を象っていたのか不明。

ディオガ・ギニスドン

キースのディオガ級呪文。

ギガノ・ギニスよりも更に多くの光線を束ねて発射する。

威力についての公式情報

「ゴデュファの契約」を重ね掛けした際には、周囲の星型ユニットからも術が発射される描写となっており、演出上は3倍以上の威力があるような描写となっていた。

これについては、作者ブログ「雷句誠の今日このごろ。」にて「ファウードの力を得たキースが使った最後のディオガ・ギニスドンはディオガ級3倍の威力を持ってたのですか?」という質問に対し、雷句先生は「あのディオガ・ギニスドンはしっかり3倍、それ以上あります」と演出通りの威力であったことを明言している。

本の持ち主

ベルン

モジャモジャのロン毛や両頬の髭、目の下の隈や赤い鼻が特徴的な男性。

CVは滝知史氏。

公式からプロフィールが明かされていないため、年齢や国籍等は不明。

職業に関しては、原作191話におけるベルン本人の台詞から映画監督だと判明している。

職業柄(というか癖)で呪文を唱える合図にもかかわらず「アクション!」と叫んでしまった場面もある。

キースと同じく公式情報としての好物は明かされてはいないが、作中の描写や少年サンデーコミックス版第21巻の中扉を踏まえればいも天が好物だと見て間違いないだろう。

アニオリ描写

アニメ版144話では、少年サンデーコミックス版第21巻の中扉を踏まえたアニオリ描写が追加されており、

  • 人間界に来たキースは、ドイツのボン(ベートーヴェン生誕の地)にある日本料理店でバイトをしていた。ちなみに店名は「いも天国」
  • そこへベルンが客としてやってきた際、たまたま(?)店内のレコードで流れてきた「第九」に合わせていも天を調理したところ、ベルンも満足するような絶品になった。

という二人の出会い(?)が語られている。

活躍

初登場は原作190話。

リオウの指示を受け、ブザライと共にガッシュ達の始末を任される。

森から放ったガンズ・ギニスでガッシュ達を分断した後は、たまたま近くにいたガッシュペア&キャンチョメペアと2vs2で戦闘。

前述の通りキャンチョメの術を全て破るほどの実力を見せ、ブザライとの連携でガッシュをも一方的に叩きのめしたが、最終的にはキャンチョメの新呪文であるディマ・ブルク及び術を活かした連携により敗北。

本は燃やされなかったものの、既にベルンの心の力が尽き、自身も満身創痍になってしまったため撤退。

その後は玩具を使った拷問ゴッコに興じ、その中で「ファウードの力を横取りする」魂胆があることを示唆(アニメ版では「拷問」が放送コードに引っかかるためか、ただ遊んでいただけという描写に変更)。

原作208話でファウードの封印を破壊する際にも「絶対にファウードの力を横取りする」と大声で公言しており、シリアスなシーンでもギャグを担当(?)した。隣にいたロデュウも呆れていたが、それと同時にここにいる者全員同じだと内心ぼやいていた。

ファウードの「鍵たる石」がゼオンの手に渡った後には、他の魔物達と同様に「ゴデュファの契約」を行う(※)。

(※)ベルンからも「何の迷いもないのか」と驚かれるほどの即決だったが、具体的な理由は語られていない。

外部サイトでは「ゼオンを倒す力を得るために契約した」等と確定情報であるかのように記載されていることもあるが、あくまで読者の想像でしかない点だけは留意していただきたい。

そしてガッシュ達がコントロールルームへ向かう途中、術を通さない特殊な壁のある部屋で彼らを待ち受ける。

言動に関してはそこまで大きな変化はないが、「ゴデュファの契約」の影響で特に手足が伸び、ひょろりとした長身になった。

そこへファウードの外側から穴を空けて潜入してきたバリーと再会し、魔界時代ぶりの再戦となる。

キースはバリーに対して「お前を倒すことで前に進める」と拘り(というか執着)を見せるが、心技体を極めた現在のバリーには全く敵わず、精神面で圧倒されていく。

それでも尚バリーへの勝利に拘るキースは自身とそしてパートナーであるベルンをも生贄にファウードに更なる力を求める(尚、ベルンは「いも天はうまいが俺はマズいぞ」と拒否した)。

その意思とベルンの生贄(鼻毛数本)が通じたのか胴体に大きな星のような鎧(?)を装備し、額に角、更に自身と連動して術を放つ星型のユニット2つを携えた状態へと強化される(※)。

(※)強化後の姿に関しては、カードゲーム版に収録された際に「キース(ファウード形態)」という名称となっており、「星型ユニット」という効果を持っている。

だが、所詮はファウードの力を得て強化された借り物/紛い物同然の強化であったため、最初こそゴウ・ゾルシルドを打ち破るなど優位に見せかけるも真に磨き上げられた強さを持つバリーを相手に逆転できることはなく、最大呪文の撃ち合いにも完敗した上で本にも火が着いてしまう。

しかし、キースは敗北が決まった状態でもなお立ち上がり、バネの腕を伸ばして壁にあるスイッチを押し、「術を通さない壁」を「エネルギーの滝」に変えてガッシュ達を確実に始末しようとする。

そんな中で、

「本当は… ガッシュ達は私の力のみで倒したかった…」

「こんなひどい装置など使いたくは… なかったんだ…」

と、ファウードの力を得た自分が無意識の内に歪んでしまっていたことを自覚。

自身の身体が透けていく中、

「でもよ… 最後にお前と戦えてよかった…」

「それは… ちょっと思ってるぜ…」

「一応よ… なんつうか… ライバル… だったから… な…」

と、最後には少し悲し気な笑みを浮かべ、バリーへのリスペクトが感じられるような台詞を残して魔界へと帰っていった。

キース本人も言っているように、最後の最後でバリーと戦えたことは、彼にとっての数少ない救いだったのかもしれないし、バリー自身その言葉に思うことはあったのが後の行動につながった様だ。

その後は原作最終回で登場。

バリー、ロデュウ、ツァオロンと同じ学校に通っているが、なぜか3人の威圧感に冷や汗を流しているかのような1コマが描かれている。

完全版16巻に収録されたガッシュカフェにおけるパーティーでは、マルスの隣、ロデュウとは背中合わせの席に座っている。

余談

バリーとの対比

「バリーのライバル」という関係性を踏まえてか、作中においてバリーと対になっている要素が幾つも見受けられる。

具体的には、

  • 長身のバリー/小柄なキース。
  • 角ばった角を持つバリー/丸みを帯びた三日月型の頭部を持つキース。
  • 本の持ち主が喫煙者のバリー/自身が喫煙者であるキース。
  • 渦巻き状の光線を放つバリー/直線状の光線を放つキース。
  • エルザドルとの死闘を経て成長し、ガッシュとの戦いだけに拘ることはなくなったバリー/強敵に挑むことを避けた結果として成長せず、バリーとの戦いに拘り続けていたキース(もっとも、バリーとの戦いが結果論では成長につながったが)。

等が挙げられる。

このような対となる要素が多く、特にファウード編における精神面の対比に関しては多くのファンからも好評価されている。

尚、アニメ版では「イモ天大食い勝負」という勝負でバリーを下している。それでいいのか……

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金色のガッシュ!! 金色のガッシュベル!!

金色のガッシュ!!登場人物一覧

ヴィンセント・バリー……魔界時代からライバル視していた相手。原作のファウード編では心技体において対比になるような描かれ方となった。

ブザライ……同時に登場&共闘。主にキースが指揮を執り、抜群の連携を見せた。

ビクトリーム……ギャグキャラ・高い実力・術属性等、色々と共通点の多い魔物。

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