概要
第二次世界大戦期、セルビア人主導のユーゴスラビアの政治に不満を抱いていたクロアチア民族主義者たちが蜂起して1941年に設立した国家。
ドイツとイタリアの影響を大きく受けており、両国の傀儡国家として一般的には認識されている。現在のクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナにあたる領域を領土としていた。
1945年のドイツ降伏によって国家機構が崩壊し、国際的には独立そのものが認められなくなり、その構成地域はすべてユーゴスラビアに戻された。
政治
ヒトラーとムッソリーニを規範に、民族主義政党ウスタシャによって他の政党はすべて非合法化され、象徴君主制一党独裁のファシズム体制が敷かれた。
ウスタシャはナチスの親衛隊をまねた私設部隊を設置し、ユダヤ人とセルビア人の根絶を目的とした民族浄化政策を強力に推し進めた。その過激さたるや本場ナチスの親衛隊員がドン引きするほどであり、同国の治安悪化を憂慮したドイツが正式な外交ルートで警告するほどだったが、積年の民族憎悪が燃え盛っていた民族主義者たちは特に気にすることなく虐殺を続行した。
日本との外交関係
クロアチア独立国は日独伊三国同盟に参加しており、日本と同盟関係で国交もあったが、ウスタシャが掲げた大クロアチア主義の解釈では自国の領土であるべきダルマチア地方がイタリアの占領下にあり、両国が領土問題を抱えていた。日本はイタリアに配慮してクロアチアに大使館を設置することはなかった。