概要
1874年に、アルフレート・フォン・クロパチェックが開発した黒色火薬のボルトアクションライフル。
1869年にフェルディナント・フリューヴィルトによって開発されたFruwith Systemと呼ばれる構造を改良して制作された。変更点は、より強力なカートリッジのガス圧に耐えることができる銃尾、操作しやすい翼型安全装置、およびフィーダーデバイスの簡素化など。
特徴として、セルフタイタニングロータリーローブブリーチと呼ばれる構造となっており、スイッチでニッケルメッキ鋼製チューブラーマガジンからの弾薬供給をカット・閉鎖し、圧力を上げることが出来る。
またこの構造は高い強度を誇り、無煙火薬に対応出来る程だった事から、ルベルや村田銃、Gew71などの参考になったと言われる。
この銃は最初、二重帝国軍に売り込むためにヨーゼフ・ヴェルンドルと協力して製造され、技術行政軍事委員会の試験に出されたものの、同年には既に正式採用銃が内定しており、正式採用はされなかった。しかし、海軍と憲兵隊の目に止まり、M1881として憲兵隊では合計で14,979丁ほど、海軍では試験のために合計で約500丁ほどが調達された。海軍では試験の後、何丁かは不明だが魚雷艇の兵士が使用した。
その後、コスト削減を求めていたフランス軍の目に止まり仮採用、海軍向けにステアー社が製造委託され、その後、シャテルロー兵器工場で小改良を施した物が制作され本格的に採用された。
その他、ワッスル帝国やポルトガルに導入された事も確認されており、使用期間は短いがひっそりと歴史を支えた偉大なライフルである。
主なバリエーション、派生型
Gendarmerie Repetier-Karabiner M1881
憲兵隊や海軍に採用されたカービンモデル。長さ以外の違いとしてはマガジンの容量が6発と少ないこと、銃身の取り付け部が変更されていること、銃剣のパターンと下向きに曲げられたボルトなど。
Torpedo Boats Gewehr M1893
魚雷艇の兵士向けに小改良を施したモデル。
Mle1878
フランス軍に委託されてステアー社で製造されたモデル。
Mle1884
Mle1878を元にシャテルロー兵器工場が制作した改良モデル。11mmグラース弾(11×59mmR)を使用する。その他、M1874 銃剣の柄頭を取り付けられるように、チューブマガジンと銃身の間でラグが内側に湾曲している。
Mle1874/84
既存のM1874を買い上げて、もしくはMle1878をMle1884の仕様にした改造モデル。
Espingarda de Infantaria m/1886
ポルトガルで採用されたモデル。88年に財務省警備隊、89年に植民地兵、91年に砲兵向けに小改良モデルが制作された。
性能
全長 | 1280mm |
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銃身長 | 806mm |
重量 | 4.35kg |
使用弾薬 | 11mm M.77弾(11×58mmR) |
装弾数 | 8 |
口径 | 44口径 |