ケンちゃん(彼岸島)
けんちゃん
「ジミヘンの曲だ!! 絶対にケンちゃんだ!!」
「そんなっ 丸太が割れた!!」
「すまんなユキ....俺が先に眠らせてもらうぞ....」
斉藤ケンは宮本明のかねてからの幼なじみの一人で、商店街の魚屋の息子。
高校卒業後は東京に進学した明達と違い実家の家業を継ぐことを決めており、特に彼女のユキの合格祝いには手際良く魚を捌いてお祝いしていた。
しかし、突然明たちの前に現れた正体不詳の女性青山冷の話により数体の吸血鬼に襲われたという絶海の孤島彼岸島に囚われた明の兄宮本篤の生存が判明し、彼を救うべくケンちゃんは卒業旅行がてら明達と一緒にノリノリで吸血鬼退治を行うと宣言して彼岸島へと渡ることとなったのだった....
島への上陸までの経緯
「くっ なんてついてねェんだ」
島に上陸するやいなや即座に数十〜数百体の吸血鬼に囲まれたケンちゃんたちは冷の情報が一部嘘だったことを知って憤るが、抵抗虚しくあっという間にジョードボドボして捕まってしまう。
その後、吸血鬼たちは人間椅子に座る人間を自分たちの中から自由に選べと明達に告げ、場の空気的にうっかりポンが捧げられそうになるも結果としてケンちゃんが身を挺した脱出作戦を実行した。
鍵を上手く気づかれないように明達に渡して彼らを脱出させ、数日後に明達は凄まじい実力で彼岸島を生き抜いていた宮本篤らを連れてケンちゃんを救出することに成功した。
そして彼岸島の吸血鬼達を束ねるリーダー雅様の操る邪鬼により北の灯台からのボートでの脱出が阻まれてしまったものの、ケンちゃん達は脱出の機会を窺いながら島で吸血鬼達と戦いながら生き延びていった。
峡谷の戦い〜要塞寺
「加藤の奴 何気に鋭いじゃないか...」
ケンちゃん達と離れ離れになっている間にポンが雅の手で亡者と化し、雅への復讐に燃えていた明は数ヶ月の間に師匠との修行の日々で尋常じゃなく強くなっており、並みの吸血鬼を瞬殺できるほどの戦闘力を身につけていた。
峡谷の戦いや炭鉱・百穴村・教会での連戦を経て明が吸血鬼化した兄貴と決着を果たし、続いて吸血鬼の要塞と化した病院を解放した人間軍だったが、雅様の統率する邪鬼の軍勢による大攻勢を喰らい甚大な被害を被ってしまう。
散り散りになってしまった明達の中でも、ケンちゃんは彼岸島最奥部の樹海に潜むことでベトコンじみたゲリラ戦を展開した。
丸太や杭の即死トラップを森中に配置することで物凄い数の吸血鬼を一人で討伐し、同時に攫われたユキの居場所を特定した。
しかし明達と再開する直前、討伐したばかりの吸血鬼の血液を少量ながら目に浴びてしまい感染してしまう。
かくして吸血鬼となったケンちゃんだったがフードとマスクで牙を誤魔化して明達と再開し、微かな違和感に気づいた加藤から少し訝しがられてしまい、そして加藤の血の匂いを嗅いで正気を失ったことで吸血鬼とバレてしまったケンちゃんは明と決闘となる。
戦略を練り上げた末に何とか明の動きを止めることに成功し、「ユキを助けるまでは」と交渉の末に和解した。
要塞寺の内部に吸血鬼として疑われずに潜入したケンちゃんはユキの救出に向かうが、何となくで寺を通りかかった雅様に捕らえられてしまいユキと共に地下牢に囚われてしまう。
血の渇きから無意識のうちにユキの血を吸ってしまうことを危惧したケンちゃんは自ら心臓を摘出して自害を図り、地面へと倒れ伏した。
そんな彼の姿を見て雅様が「興が削がれた」とばかりにイライラして立ち去ったのを見計らい、ケンちゃんは最期の全力を振り絞って地下牢を抜け出してユキを寺の外で待機していた明の元と脱出させる。
しかしそこで持てる力全てを使い果たしたケンちゃんは最期に「お前と出会えてよかった....楽しかったぜ....」と言い残し、追手の吸血鬼軍が放った無数の槍が身体を貫いて絶命したのだった。
「4月27日 斉藤ケン 享年20歳
彼岸島に散る______」
本編では長らく命日が5月12日と誤記されていたが、そのまま10年以上の時を経たことでツッコミが殺到したのか4月27日に修正された。そんなことある...?
自称ギター付きを自称するだけあって仲間を集めてバンドも作っているほか、元漁師の魚屋の父に買ってもらったデカい愛車に「ジミヘン号」という洒落た名前を付けて乗り回している。
…そんな彼の愛車だが、本編では一巻で初めて遭遇したしぶとすぎる吸血鬼を轢殺して確実に仕留めるために容赦無く使用された。
吸血鬼退治って保険降りるのかな…
ゲーム版では彼は魚屋らしく武器として銛を使って戦うキャラクターとなっているほか、本編でほんわかと触れられる程度だった加藤との友好関係なども語られる。
また、翔一という名の兄がいたが交通事故で失ってしまい、その後も原作通り親が離婚を繰り返して家庭環境が荒れてしまっていた事が判明した。
序盤で冷様が明達に吸血鬼達の正確な人数について嘘の情報を伝えた理由だが、当時彼女が本土に渡っている間の人質として彼女の妹の青山紅葉が危険にさらされていたことが挙げられる。
(まあ結局解放してもらえなかったので後になって明さんが助けることになったんですけど...)
本土編冒頭部にて人間の温かみを失いつつあった明さんだったが、たまたま出会った男が偶然にもケンちゃんという同じあだ名を持っていたことを知りふとケンちゃんの顔を思い出してほっこりするシーンが登場する。