概要
改良品種のヘラブナが釣り目的で全国に放流されているため、現在は他の地域でも国内外来種として見られる。
中国、台湾、韓国にも外来種として生息する。
原産地の琵琶湖では数が減っており、絶滅危惧IB類に指定されている。
ほかのフナとは遺伝子にかなりの違いがあり、形態や生態も異なる。
堅田の漁夫・源五郎がこの魚を捕らえて安土城主に貢じたことが名前の由来とされているが、諸説ある。
形態・生態
幼魚は琵琶湖の沿岸部や内湖、河川に生息し、成魚は沖合の中・上層や河川の深み、ワンドなどの開放的で広大な水域を群れで回遊する。
雑食だが、主に植物プランクトンを食べる。
産卵期は4~6月頃。ヨシなどの抽水植物や沖合に浮遊している水草などに産卵する。
成長が早く、数十年生きることもある長寿。
体長は20~50cmと、かなり大型になる。
日本のフナの中で最も体高が高く、菱形に近い体型をしている。改良品種のヘラブナは特に体高が高い個体を掛け合わせて誕生した。
目が顔の下の方に着いている。これは同じくプランクトンを食べるハクレンなどにも見られる特徴である。
エラにある鰓耙の数がフナの中で最も多く、これで植物プランクトンを越しとって食べる。
関連タグ
ヘラブナ(釣り目的の改良品種、カワチブナから体高が特に高いものを厳選し、さらに改良された。)
カワチブナ(食用の改良品種)
オウミブナ(霞ヶ浦での呼び名の一種)
ニゴロブナ(本種に似ていることから「ニゴロ」の名前がつけられたフナ。こちらも琵琶湖固有種。)
琵琶湖 (主な生息地)
淀川 (生息地の一つ)
巨椋池 (かつての生息地。カワチブナはここに生息していたゲンゴロウブナが改良された物。)
釣り (ヘラブナ釣りは釣りの1ジャンルとしてかなりの人気を誇る。)
ハクレン (同じく植物プランクトン食性の淡水魚。顔が似ている。)
ダントウボウ (姿が似ている。霞ヶ浦ではヘラブナ釣りの外道で掛かる。)