形状
最大39cmになる。
体高はコイやゲンゴロウブナよりも低いが、キンブナ程ではない。口髭は持たない。
背鰭条数はI+17で、臀鰭はI+5である。鰓耙数は48。
生態
日本の河川や沼池に生息する。
繁殖
通常の魚のように雌雄があるが、雄が非常に少ない。
大多数の雌は同種のオスのかわりに、他種のフナやコイなどと生殖行動を行い、卵を孵す。
まさにリアル異種姦である。しかしこの方法で生まれるのは他種の魚との交雑種、ではなくれっきとしたギンブナ。
本種の繁殖において他の魚の精子は卵における発生を促すための刺激として用いられ、子供の遺伝子に影響を与えることはない。
この方法で誕生するギンブナはみな母親のクローンとなる。
その理由は本種の個体の殆どが三倍体(2n=3x=156)だからであり、通常のフナは二倍体(2n=2x=100)で減数分裂が出来るが、三倍体では染色体のセットが3組になり奇数になるため減数分裂が出来ない。
そのためギンブナは雄のフナ又はコイの精子で卵子に刺激を与えて体細胞分裂を促す、しかし精子は卵子に取り込まれないためその結果、母親の遺伝子のみを受け継いだほぼクローンの子供が生まれる。
なお稀に卵子が精子を取り込むことがあり、その場合精子(n=x=50)と卵子(n=x=156)が組み合わさった四倍体(2n=4x=206)の個体が出現することもある。
分類
ギンブナは、テミンクとシュゲールによって『日本動物誌』内で記載された。
本種は、金魚やCarassius buergeriの亜種とされた事もあった。
人間との関係
ギンブナは日本各地で食用になる。ヨーロッパに移入されており、2018年にはカリフォルニア州タホ湖で米国初確認された。
3倍数のギンブナは、モデル生物として使われる。