概要
「若きウェルテルの悩み」や戯曲「ファウスト」で有名なゲーテによる物語詩「コリントの花嫁」で言及される吸血鬼。作中に吸血鬼という言葉は出てこず、直接的に血を飲む描写はないが、ゲーテの日記には「吸血鬼の詩」というメモ書きがあるので、海外の研究者を中心に吸血鬼の作品だと認識されている。
キリスト教へと改宗した母親の指示で修道院へと押し込められ、退屈で苦痛に満ちた日々を過ごして早世した女性、また一説によれば自分の病気が治ったお礼(自分の病気を治す為とする文献もある)としてキリスト教の神へ生贄に捧げられた女性が、「冥界神ヴィーナスの恩寵/呪い」で蘇った存在。
あらすじとしては、父親同士が決めた許嫁に遭うためにアテネから実家があるコリントに立ち寄った1人の若者と出会い、彼女に一目惚れした彼を合意の上で冥界へと共に旅立つ誓いを交わし、物音を聞きつけてやって来た母親に2人の遺体を古来の仕来り通りに火葬してほしいと願う所で物語は締めくくられている。