概要
1987年よりコミックバーズで連載されたSF漫画
近未来の東京を舞台に、何者かによって「神の目」を与えられた私立探偵・風林寺悟空の活躍を描く。
週刊少年ジャンプで連載された『COBRA』よりもエロティックな描写が多い。
1989年にはOVAが2巻発売された。
主な登場人物
本作の主人公。33歳。
かつてはマフィア組織を一人で壊滅させるほどの凄腕の刑事だったが、現在は警察を退職して私立探偵をしている。
宝蔵院裏秘流・五行風林という棒術(あるいは槍術)の使い手。サイボーグや異能者の類ではないが、驚異的な身体能力とタフネスそして精神力の持ち主。
ジャケットの下にベストを直接着用し、ネクタイは首に直接巻くという奇抜かつ均整の取れた体格でなければ似合わぬ恰好をしている。
ある敵の特殊な催眠術により掛けられた自殺を促す暗示を破るため右手首に隠していた小型ナイフで自らの左目を潰し一命を取り留める。その後、何者かの手によって「神の目」と「如意棒」を与えられた。
謎の存在
CV:家弓家正
左目を失ったゴクウに神の目を移植し如意棒を与えた。
彼が何者で何が目的かは最後まで不明のままだった。
洋子編
矢吹洋子
CV:小山茉美
『洋子編』のヒロイン。
メガロポリス東京都警の刑事。白竜の犯罪を捜査する。
白竜幻二
CV:若本規夫
表向きはクラブやカジノを経営する実業家。裏の顔は各国に兵器を売りさばく死の商人。
彼を捜査する刑事が何人も変死している。
孔雀(ピーコック)
CV:寺瀬めぐみ
白竜の部下。クジャクの尾羽を身に纏った女殺し屋。
尾羽に付いた目の模様で標的を催眠状態にして自殺に追い込む。
良子編
門間良子
CV:藤田淑子
『良子編』のヒロイン。
野沢良子を名乗り兄リュウの捜索をゴクウに依頼した。
国防局の特殊工作部隊員で、特殊工作部部長・門間善蔵の養女。
リュウ
CV:郷里大輔
良子の兄。良子を襲った上司を殺害して逃亡中。
善蔵の実験によりバリアー発生装置を備えたサイボーグに改造される。改造の副作用である獣人化現象により中和剤を投与しなければ人格を保てなくなっている。
門間善蔵
CV:小林清志
国防局の特殊工作部部長。VIP護衛用の特殊サイボーグ開発に関わる。
リュウの実験データから完成させたパワーバリアを自らの身体に備える。
レイラ編
篠塚レイラ
『レイラ編』のヒロイン。
人気ロックシンガー。山神リサに盗作を疑われ命を狙われる。
山神リサ
暴走族「銀鬼」のヘッドにして地下ロックの女王。レイラの命を狙うが、正体は薬物の影響で生まれたレイラの別人格。
陳宮
新宿中華街の漢方薬店店主。
レイラに疲労回復薬と偽り人格の分裂を誘発する薬「紫液丹」を与えリサを作り出し、地下ロックコンサートで麻薬を密売していた。
ゆう子編
玄奘ゆう子
『ゆう子編』のヒロイン。
東京工科大学で超物理学を専攻する研究者。謎のエネルギー体「天童女」の調査をしており、撮影に成功した事から九鬼一族に狙われる事になる。
九鬼洋助
九鬼電子工業の社長にして九鬼一族の当主。戦略衛星による世界制覇を目論む。
九鬼礼子
九鬼洋助の母。故人。
九鬼主水
洋助の先祖で九鬼一族の創始者。とある国の領主に仕える忍者であり超能力者でもあった。
天童女
九鬼に敵対する者を殺害する謎の存在。正体は「念魂」と呼ばれるエネルギー体。外見は九鬼礼子を模している。
法眼坊
九鬼の執事。一度はゴクウに敗れるがサイボーグとして復活する。
岩鬼
九鬼の部下であるサイボーグ忍者。ゴクウと同じ宝蔵院裏流の使い手。
ボンバー八神
元女子プロレスのチャンピオンで九鬼電子工業のフェニチュアガール。
正体は情報機関JCIAのエージェント。
水島
八神の上司でJCIAの少佐。
天空魔楼編
李麗青/エスプリ・リー
『天空魔楼編』のヒロイン。
マフィア組織「黒竜」の売春宿で案内係をしている。
李麗珍
麗青の姉。妹を黒竜から抜けさせるようゴクウに依頼が、黒竜による「三龍の刑」を受けて絶命する。
四賢人
黒竜の最高幹部にして空中都市「天空魔楼(リトルホンコン)」の有力者である4人。
米ソの核戦争を引き起こして共倒れさせ、漢民族を世界の新たな支配者にすることを目論む。
鉄鬼人
黒竜の刺客。鎧武者のような装甲服を纏い、両刃剣型のチェーンソーを武器とする。
妖女カサンドラ編
キャシー・レイン
『妖女カサンドラ編』のヒロイン。
特殊部隊「レッド・アマゾネス」の隊長。研究所を脱走したカサンドラを追っていた。
カサンドラ
レッド・アマゾネスの元隊長。隊員殺しの罪で死刑判決を受けたが、幽霊遺伝子(ゴーストDNA)の被験者に志願。動物への変身能力と不死身の肉体を得て研究所を脱走した。
権藤敬司
座礁した輸送船から50トンの金塊を盗み出したヤクザの組長。金を狙うカサンドラによって殺される。
ボニー編
ボニー
『ボニー編』のヒロイン。
ゴクウの元恋人で「怪鳥ガルーダ」の異名を持つバイクレーサー。
父に託されたという機密文書のマイクロフィルムを狙われる。
ジョージ・キムボール
ボニーの父で遺伝工学・機械生物学の研究者。故人。
開発に携わった細菌兵器の極秘文書を持ち出すが、公表前に事故死した。
用語
技術・兵器・道具
神の目
謎の存在がゴクウに与えた眼球型の小型端末。
なお作中で「生身の目ではない」と疑われた事は無い。
いかなる電子防壁も突破してコンピューターに干渉可能。あらゆる機械がコンピューター制御されネットワークに繋がった未来世界においてはどんな兵器も念じるだけで自由に操作できる神の如き力を持つ。
超高性能センサーも有しており、スキャンすることで薬物の成分や胎児の血液型すらコンピューターで割り出せる。
如意棒
神の目と共にゴクウに与えられた武器。
無限に伸縮自在の棒であり、両端からは衝撃波を発射する機能を持つ。
ゴクウの愛車。
序盤は普通の車だったようだが、終盤では最高時速560kmで砂漠を走破するモンスターマシンと化していた。
バイク女(名称不明)
白竜の兵器。四足歩行で首にバイクのようなハンドルが取り付けられた女性サイボーグ。口からレーザーを発射する。
単行本の表紙イラストなどで採用される。
マイズス菌
白竜の組織が開発した細菌兵器。メスの白鳥の生殖器に付着させ、繁殖期に分泌されるホルモンと化合することで強力な毒素を発生させる。
次元移動ミサイル
次元移動によりあらゆる障害物をすり抜けるミサイル。リュウのバリアを突破するためにトヨタの新工場をハッキングして制作した。
スーパーⅩⅢ「カブト」
ホンダが開発したバイク。アルコールを燃料とする。
ガウス衛星
九鬼電子工業が開発した人工衛星。
表向きは気象衛星だが高性能な映像探知能力、レーダーに映らないステルス性、粒子ビームや高エネルギー・レーザーといった火力を備えた軍事衛星。
人工頭脳
九鬼一族の歴代当主の精神を電子化して記録されている巨大コンピューター。
アトミック・レディ
黒竜が人身売買で世界中から集めた女性を改造したサイボーグ。全身に4000個もの原子球が埋め込まれた「生きた核爆弾」
幽霊遺伝子(ゴーストDNA)
従来の遺伝子の陰に存在したもう一つの遺伝子。カサンドラはこれを操ることで原生動物や恐竜など進化の過程上にある動物へと変身する。
舞台・地名
東京シティ
作品の舞台となる巨大都市。2度目の関東大震災からも復興している。
作中の年代は2014年とされるが、2035年の日付の新聞が登場したこともある。
奥多摩
東京西部の山岳地帯。作中では奥多摩全域が九鬼一族の所有する土地であり、奥多摩湖には九鬼電子工業の本社および工場がある。
天空魔楼(リトルホンコン)
東京湾上空に浮かぶ人工島。
4000万人を収容できる都市であり核戦争時には宇宙へ避難するためのスペースコロニーにもなる。
組織・団体
メガロポリス東京都警
東京シティの警察組織。ゴクウもかつてここに所属していた。
銀鬼
山神リサを総長とする暴走族。放棄された新宿の旧地下鉄を根城としている。
九鬼一族
九鬼主水を祖とする忍者集団。構成員は最新鋭の技術で武装している。
JCIA(日本中央情報局)
日本政府の諜報機関。水島の部隊が九鬼一族を調査していた。
黒竜(ブラックドラゴン)
世界中で暗躍するチャイニーズマフィア。
レッド・アマゾネス
アメリカ軍海兵隊所属の突撃部隊。隊員のコードネームはチェスの駒に因む。
その他
精神転移
九鬼主水が考案した子孫に確実に超能力を発現させる方法。
死に際し自らの精神を子に受け継がせるというもので、これにより歴代当主は超能力を発現させていった。しかし長い歴史の中で複数人分の人格まで受け継がれてしまい精神が負荷に耐え切れず発狂する者が続出。
九鬼礼子が狂死してからは人工頭脳に精神を移すという方法がとられた。
三龍の刑
黒竜による裏切者の処刑法。
特殊な機械を用いて全身に竜の刺青を彫る。顔料に使用される高純度のヘロインが皮膚に侵入することで相手はショック死する。
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