声・緑川光
小説版の本名はウェルナー
ギザロフの魔導研究によって生み出された人造兵の一人。ヒロイン「ラムダ」と共に研究所で目覚めたところからストーリーが始まる。
形式番号は「Σ―063」。
当初はギザロフの部下として魔族からアルハザード奪還に出撃させられるが、Ⅳの主人公ランディウスによって標的であるボーゼルも主人であるギザロフも倒されて途方に暮れる事になる。
レーゲンブルグ軍から逃げ回るうちに魔将軍ガイエルがジェシカからラングリッサーとアルハザードを強奪する瞬間に遭遇。
ラムダことマリアンデールの兄、マクレーンからアルハザードの危険性を教えられ、以後はラングリッサーとアルハザードを奪還すべくイェレス大陸からエルサリア大陸に渡り、ジェシカとカルザス皇女クラレットの協力に回る。
クラレットが4年前に刺殺した筈のカルザス帝国近衛騎士団長そっくりの容姿・体格と声をしており、ギザロフの息子クルーガー同様のクローン人間と思われていたのだが・・・
その正体
実は殺された筈のカルザス帝国近衛騎士団長本人。
父はアルテミュラー&ファーナ夫妻を祖とするリグリア帝国皇族の末裔のエギル公爵、母はランス・カルザス&ナーム(およびその祖先のルナ・トーランド)夫妻直系の子孫であるカルザス皇帝の姉妹であり、容姿もファーナとルナが混じったような顔をしている。
叔父であるカルザス皇帝の大のお気に入りであり、17歳にして近衛騎士団長として軍の大幹部に抜擢されていた。
しかし、その当時、光輝の末裔として有力な一族がカルザス皇族以外絶えていたことから闇の皇子ボーゼルの標的にされてしまい、叔父の執務室に単身呼ばれたタイミングで魔将軍グロブの不意打ちを受けて気絶、叔父を絞殺されてしまう。
ゾンビ化にされた叔父が甥の剣で自刃、朦朧とした意識の中で現場から逃走してしまう、更に従妹クラレットの検死が杜撰で絞殺を刺殺と誤認してしまい、叔父殺し・皇帝殺しの犯罪者として指名手配されてしまう。
むざむざ叔父を殺されてしまった自責と逆上したクラレットによって両親を殺された悲しみから、ギザロフに拾われた時から既に自暴自棄となっており、両親に続いて自身を殺すべく現れたクラレットにも反撃せず心臓を刺されてしまう。
しかし、その場に居合わせたギザロフの部下がすぐさまギザロフの下に彼を担ぎこむ機転を利かせ、尚且つギザロフも気力増大型改造人間(数百人分に匹敵する気力を生涯に1度だけ行使出来る)の試作準備に入っていたタイミングの良さもあり、蘇生に成功はしたものの、記憶はすべて失ってしまっていた。
此等の情報をギザロフ配下時代の同僚オメガと叔父お気に入りの観葉植物と意識を通わせたマリアンデールから聞かされた直後に、統率者のボーゼルを失った魔将軍達が暴走を開始。
真犯人であるグロブが暗殺事件を肯定した事からカルザス皇帝の甥として魔族と闘う事を決意する。
尚、シグマに冤罪を着せる為の道具として使われた彼の愛用の剣はかつて先祖であるアルテミュラーが魔族として蘇ったものの、アルハザードの封印で衰弱死の危機に直面した妻ファーナを救う為に発掘した剣で、マナを砲撃に使ったり生命力に転嫁して目標に注入する機能を持った秘宝で、エギル一族でも稀にしか使える人間が出なかった一品である。
本来は古代種族の王族用の武器として製造されたものであり、PS版ではランディウスとレインフォルスも使用出来る設定になっている。
三つ巴の戦い
カルザス帝国を乗っ取って過政を敷く大臣ギルモア一派を倒し、エルサリアにおける魔族の拠点ヴェルザリアを攻略したシグマ達であったが、ラングリッサー無しでは魔将軍クラスに決定打を与えられないと判断し(実際はランディウスに魔将軍フェラキアが倒されるなど必須、と言う訳でも無かったが魔族の力を破るラングリッサーの力が極めて有効なのは間違いない)、古代種族反主流派の末裔クリムゾランダーと同盟を組んでラングリッサーの奪回の為にイェレス大陸に戻る。
イェレス大陸では古代種族主流派クリムゾニアの皇太子レインフォルス達が本拠たる「赤き月クリムゾ」のマナ切れによる同胞の全滅を防ぐべく、アルハザード、若しくはアルハザードの代替として改造されたマリアンデール奪取の大攻勢をかけていた。
レーゲンブルグ連邦王国の元帥であるランフォードを仲間に加え、カコンシス王国及びレーゲンブルグ連邦王国本国の協力を取り付けたシグマ達はクリムゾニア、魔族との3つ巴の大戦争に突入する。
クリムゾニアの強硬派首魁の参謀ゼロは魔族との戦いで戦死、元々暴力的な支配を好まず人間やクリムゾランダーとの穏健な共存を望んでいたレインフォルスやその同調者達はマリアンデールがクリムゾにマナを補給して同胞の全滅の危機が去った事から和睦に応じた。
残る敵は古代種族の最終兵器でもある「青き月ペイリア」の制御キーである魔剣アルハザードを持つ魔将軍ガイエルのみ。
ラングリッサーでガイエルに致命傷を負わせたシグマであったが、ガイエルは惑星全土を自身の道連れにすべく最後の力でペイリアをクリムゾへの激突軌道に乗せる。
マリアンデールによるマナのクリムゾへの大量供給とペイリアの使用で一時的なマナ不足に陥っていた状況では、アルハザードを正統の使用者たるレインフォルスが操作してもエネルギー不足でペイリアの元の軌道への回帰は不可能で万事休す・・・と思われたが・・・
最終決戦
アルハザードと同じ機能を再現し、尚且つマナではなく気力をエネルギー源にするラングリッサーならペイリアの中央制御室でなら自壊装置を作動させられるものの、直ぐに動かせるクリムゾニアやクリムゾランダーの宇宙船では必要な人数を送るのは難しかった。
此処でシグマは自分に施された「数百人分の気力の放出」と言う改造能力をラングリッサーで増幅してペイリアの自壊装置を作動させる作戦を発案。
そしてペイリアの制御室でペイリア防衛の為のロボット兵器及び彼を追ってきたオメガと最終決戦に突入する。
オメガを打ち負かし、防衛ロボットを破壊したシグマであったが、肝心の気力エネルギーの放出が出来ない。
実は、シグマはエルサリアからイェレスに戻った直後に爆弾で吹き飛ばされそうになった仲間のブレンダを庇って思わず気力放出能力を使ってしまっていたのである。
此処で、シグマに敗れて半死半生のオメガがサポートに名乗り出て、辛うじてペイリアの自壊装置は起動したが、重傷の身で死力を振り絞ったオメガは死亡、シグマも二度目の使用は致命的となる気力増大能力の二回目の使用で瀕死に陥ってしまう。
更に、ペイリアの自壊の衝撃で脱出に使った宇宙船の操舵装置がバグを起こして、残りの仲間も死を待つばかり・・・
此処で、ラングリッサーに宿ったジークハルト王の魂が、最愛の女性の必死の願いを増幅してシグマの魂に届ける事で辛うじて一命を取り留めることに成功。
宇宙船のバグも、危険を冒してクリムゾに残っていたレインフォルスの決死のサポートで帰還軌道に戻され、無事に地上に戻る事が出来た。
戦後、徐々に記憶が戻り始め、叔父をみすみす殺された自責で欝になってしまったシグマであるが、苦楽を共にした最愛のパートナーに支えられて復活したところでラングリッサーシリーズの物語は終了を迎える。