概要
作中の時代から約2500年以上前の古代インドの英雄。
産まれてすぐ村に流星が落ちて彼以外が全滅したため「呪われた子」として迫害を受けながら独りで生き抜いてきた。
全てを憎み見返すことを糧についには救国の英雄にまで上り詰めたが憎みは晴れることはなく、逆にあれほど忌み嫌っていた自分を一転掌を反したように英雄と称える人々の態度は余計彼の憎しみを増長させることとなった。
だがそんな彼に転機が訪れる。(蒼月潮や毒の抜けたキリオに瓜二つの)ラーマという少年と(中村麻子と井上真由子に似る)その姉との出会いである。
彼らは他の人たちと違い、シャガクシャを恐れることも媚びることもせずただ純粋に慕ったのだ。
初めて敵ではない存在の出会いによってシャガクシャは少しずつ変わっていった。簡単に人を殴らなくなり、彼らとの触れ合いに安らぎを感じるようになり、いつしか笑うようになっていった。
しかしそんなつかの間の安らぎは長くは続かなかった。
シャガクシャたちの国に大国が攻め込んできたのだ。圧倒的な兵力差にもはや勝機はなく、他人を信じなかったシャガクシャはラーマたちを連れて国を捨てようと考えた。
ラーマは見つからなかったのでまず彼の姉を安全な場所へ避難させようと国外へと急いだが、そこには敵軍が待ち構えていて……。
- ある邪な悪魔の影響にあったため、憎悪が力や強さを呼ぶという、一見すると漫画的にはアウトな方程式が、彼の場合は本当にそうなってしまった。だからこそ、何千年もかけて因縁に決着が付く際に、彼自身が「憎しみは何も生まない、かわいそうだぜ」と言ってのけたのには、彼自身による彼自身の救済と赦しができた事を意味し、決着が付けたのである。
ファン曰く、「シャガクシャと民にすれ違いがなければ、そしてシャガクシャが愛を知っていれば、白面は恐怖ではなく慈愛を糧にしたか、物質化に失敗したり成仏したのかもしれない」。
とらに残るシャガクシャの残滓
獣の槍によって字伏へと変貌し記憶を失ったシャガクシャだが、とらとなってからの容姿や行動にも人間であった頃の彼が垣間見られる。
- 両眼の下の隈取りのような四筋の模様は、ラーマとその姉を殺された深い悲しみと憎しみから流した血涙を彷彿とさせる。
- ラーマの姉が事切れる直前に遺した「シャガクシャ様のお口に隠れていれば良かった」との言葉を念頭に置くと、とらの言う「食べてやる」という言葉は「口の中に入れて守ってやる」という思いの裏返しともとれる。
- 何よりとらが最後に白面に向けて放った「憎しみは、なんにも実らせねぇ」という言葉はかつてラーマの姉がシャガクシャに向けて言った言葉でもある。
などなど
台詞集
その男は強かった。
その勇敢な戦いぶりで、幾度も国を護ったのだ。
その男一人が先頭に立つだけで敵兵は逃げ散る程だった………
人外の者よ、人が一番強くなる時はどういう時だと思うか。
憎しみさ。憎しみこそが人を強くする。
男は憎んでいた。全てを…
そしてそれ故に強かったのだ。
(過去へと遡りキリオは初代獣の槍伝承者と会った。彼の口から400年前(作中から2500年前)の英雄の話が語られる。全ての始まりの物語を……。)
……オレはちがうんだよ…オレ…
(「みんなを守るんだ。シャガクシャ様みたいに。」そう言い残し息絶えたラーマ。だがシャガクシャは知っていたのだ自分がラーマの言うような立派な存在でないことに、そして自分の憎しみが結果ラーマを殺してしまったことに。)
ちなみに
TVアニメ版ではラーマの声優がOVA版の潮になった。