概要
『新世紀エヴァンゲリオン』およびその関連作品の登場人物、碇シンジ×渚カヲルのカップリングを指す。
現在で言うところの過剰にブロマンティックな二人の関係描写は、TVシリーズ放映当初絶大なインパクトを残し、以降幾多の二次創作物を生み出し続ける事となった。
ふたりの関係性の違いからTV版&旧劇場版のシンカヲを庵シンカヲ、貞本漫画版のシンカヲを貞シンカヲ、新劇場版QのシンカヲをQシンカヲ等と呼び分けられることがある。
また、新劇場版を除きシンジをサードチルドレン、カヲルをフィフスチルドレンと呼ぶ事から、別称に35がある。
主なメディアでの関係性
TV版&旧劇場版
カヲルが登場するのは実質第24話「最後のシ者」のみであり、傷心のシンジに第9の鼻歌を歌いながら近づく。その後瞬く間に打ち解けた二人はカヲルの誘いで一緒に入浴し、その際に彼が「好きってことさ」と告げている。入浴後カヲルの部屋に泊めてもらったシンジが胸の内を語った際、カヲルはシンジに「僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない」と言っている。
その後の展開については「碇シンジ」「渚カヲル」を各々参照のこと。
劇場版26話『まごころを、君に』では、怯えていたシンジにレイ(リリス)と一体化して現れたカヲルが「もう、いいのかい?」と声をかけると、シンジの表情が変わり「そこにいたの?カヲル君」と安らかな表情を浮かべた。
貞本漫画版
シンジのカヲルへの呼称は最初のみ「渚くん」で、以後は「渚」呼びをしている。カヲルからシンジへは変わらず「シンジ君」。お互いを「君(きみ)」と呼ぶのは変わらない。
二人の交流する期間は第9~11巻とTV版より多いが、互いの性格がともにTV版とは異なるのと出会った時期が違うことがあり、カヲルはシンジに拒まれ続けていく。
第10巻では、家に帰りたくないというシンジにカヲルが「ベット半分使っていいよ」と言ったことにより、同じベッドで眠っている。その際、カヲルはシンジに枕を譲っている。
その後シンジの過呼吸の応急処置として(カヲルからシンジへの)キスシーンがあるなどTV版に比べ身体的な距離は縮まっているが、両者の関係は良いとは言えない。
人の心をよく理解できないカヲルにシンジが怒るような場面も多く見られる。
ニュアンスは大きく異なるが、最終的にはTV版と同じ結末を辿ることになる。その際にカヲルはシンジに「僕を少しでも好きなら殺して欲しい」と伝えており、そうすることでシンジの心に残ることを望んでいる。その後シンジは、「惹かれていたんだ、僕は」「あんなやつを、好きになってはいけないと、思っていたのに」と独白している。
新劇場版
第3作『Q』で出会う。二人の関係はTV版に近く、ピアノの連弾をしたり、シンジの故障したS-DATをカヲルが直してあげたり、シンジの誘いで一緒に寝転がって星を見たりなどと良好。
TV版との大きな差異として、カヲルはシンジに「僕は君に会うために生まれてきたんだね」と断言している(TV版は「生まれてきたのかもしれない」であった)。
ちなみに、ピアノの連弾をする際、最初は椅子が高くてシンジの足が少し浮いているが二度目以降は背丈に合っていることから、カヲルが椅子の高さを調節したことが窺える。
そのほかにもカヲルの「いつも君の事を考えているから」などといった台詞などから、Qでの彼は常にシンジを思って行動している。
その後の展開については「碇シンジ」「渚カヲル」のQに関する記述を各々参照のこと。
「幻の24話」
TV版24話の脚本を担当した薩川昭夫による没となった初期稿が、1996年発行「別冊JUNE」9月号に掲載され、当時「幻の24話」として話題を呼んだ。
初期稿(第1稿・第2稿)では二人で裸で泳ぐ、シンジがカヲルに明確な恋愛感情を抱き告白するもやんわりとかわされ落ち込む、カヲルがシンジにキスをする等といった描写が登場する。