LSS(エヴァ)
えるえすえす
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破で描写される予定だったシーンの一つに、「トウジの妹が町を守ってくれたシンジにお礼の手紙を書く」というものがあった。
【注意】以下の記述には『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』のネタバレを含んでいます。
シン・エヴァの終盤で、シンジが父ゲンドウと決着を着けるため、自分自身の落とし前をつけるために再び自分の意思で初号機にエヴァに乗って戦う事を決意し、ミサトからDSSチョーカーを受け取り自ら装着する。
しかし、そのやり取りを見たヴィレクルーの北上ミドリが反発し拳銃を取り出してシンジに「疫病神」、「全ての元凶」と怒りと憎悪の言葉と銃口を向けたが、威嚇射撃と言わんばかりに警告もなくいきなり発砲してきた。しかしそれはミドリではなく撃ったのはサクラだった。
「碇シンジはもうエヴァには乗りません!碇さんはエヴァに乗ってみんなを不幸にして、自分自身も不幸になったんや!だからもうエヴァには乗らんのです!」
サクラはシンジがエヴァに乗るとシンジを含めたみんなが不幸になると言う複雑な思いを抱いていた。しかし、シンジの決意が固いと見るや、
「怪我したらもう乗らんで済みます!痛いですけど、エヴァに乗るよりはマシですから我慢してください!」
と、シンジに怪我を負わせてまで力尽くで止めようと再び撃とうとしたが、シンジを庇ったミサトの腹部に命中してしまった。ミサトは14年前の第10の使徒の襲撃でシンジが初号機に乗って助けにきてくれなかったらあの時に死んでいたと彼の行動を擁護し、シンジの取った行動の責任を全て自分が取るから行かせてやってほしいとクルー達に説得するミサトだが、
「そうや!碇さんは私らを救ってくれた恩人や!けど、うちらのお父ちゃんもニアサーで消えてもうたんやぞ!?碇さんは恩人で!仇なんや!」
と、サクラは複雑な胸の内を爆発し泣きながら吐露した(詳細は不明だが、おそらくセリフから察するにトウジとサクラの父親はニアサーの影響により命を落としたと思われる)。サクラはシンジに対し、恩人と仇という両方の感情を抱いており、いずれもそれは返って、シンジが黒幕だという濡れ衣を晴らすことになった。
尚、そんな狼狽しているサクラを見てミドリは逆に落ち着いたのか、「もういい!もういいよサクラ。もう、あした生きてくことだけを考えよ」と諭され、サクラは座り込んだ。
上記の行動からヤンデレのように扱われることがある。それは一部では、碇サクラとしてインターネット・ミーム化した。
以上の経緯を要約した「エヴァにだけは乗らんといてくださいよ!」というワードがファンの間で急速に広まった他、マリが「〇〇にゃ〜」と(主にシンジ関連の事で)煽り、サクラが銃撃(「パァン!」と表記される)し、それをミサトさんが「大丈夫よ…」と庇うという流れが定着した。
(以下一例)
マリ「そんな愛の重い女は嫌われるよ〜時代はおっぱいのでかい軽い娘なんだにゃ〜」→(パァン!)→シンジ「ミサトさん!」→ミサト「大丈夫よ…」
あまりにもネタが急速に定着しすぎてミサトさんが穴だらけになってるのではないかとファンからは心配されている。この他、シンジとの接点を与えたサキエルが恋のキューピッド(元ネタが天使だけに)だのサクラ担当プロデューサー(超意訳)だの呼ばれていたりする。
こうしたカップリング論争にサクラが躍り出た理由は作中でアスカに「女房か、あんたは」と突っ込まれた事やサクラという人物自体属性のてんこ盛りのようなキャラクターであったこと(妹、尻、看護師、年下のお姉さん属性、愛憎などなど…)がサクラ人気に火を着けてしまい、SNSでは「鈴原サクラ怪文書」(ふせったーにサクラへの思いを綴った文書の事)、掲示板では「碇サクラスレ」(サクラス)が大量に作られるほどにまでなった。
Q時点ではイマイチどんなキャラクターなのか理解されづらかったが、シンエヴァの公開で再評価されたというのも大きいだろう。
ちなみに、「エヴァにだけは乗らんといてくださいよ!」ネタで弄られる彼女だが、公認ゲームでは当の本人がエヴァに乗っている。詳しくは鈴原サクラの記事にて。
シンエヴァは登場人物をエヴァから解放するための物語と評される事もあるが、彼女の存在によってますますエヴァンゲリオンから離れられなくなったというファンが徐々に増えつつある。それだけにサクラという女の存在感は大きかったのだろう。
赤木リツコ:旧劇クライマックスでゲンドウを狙ったR-92というロシア製の小型リボルバー。軍用銃ではないので私物と考えられるが、なぜか新劇場版ではサクラの手にあり、クライマックスでシンジを狙った。
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