曖昧さ回避
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の登場人物、真希波・マリ・イラストリアスと式波・アスカ・ラングレーの百合カップリング・コンビ。 この記事ではこれについて解説する。
- 『テイルズオブグレイセス』の登場人物、マリク・シザース×アスベル・ラントの腐向けカップリング。 →マリアス(TOG)
概要
両者ともにユーロネルフの所属であり、脚本の初期稿段階ではアスカ→マリの呼び方が「マリ先輩」になる予定だったが、割愛された(現在この設定が活きているかは不明)。
新劇場版パイロットとエヴァの専用機設定がオミットされており、パイロットの乗り換えが可能。劇中にて赤木リツコが「パイロットも含めてエヴァの予備パーツは常に備えている」という趣旨の発言をしており、この「アスカの予備パーツ(パイロット)=マリ」であったことを臭わせている。現にアスカ戦線離脱時、彼女の常用機である2号機をマリが使用した。また、旧作にて加持リョウジが接触するエヴァパイロットの役回りもアスカからマリに移された。
破におけるマリアスは、以上のように関連性を臭わせる演出が幾つか見受けられた程度のものであり、直接的な会合などもなく特に接点はなかった。
が、次作『Q』においては大きく接点が生まれる事になる。
『Q』におけるマリアス(ネタバレ注意)
『Q』においてマリとアスカはともにヴィレ所属のエヴァのパイロットとして共闘。
終始マイペースなマリにアスカが振り回され、負けじとアスカもマリをこき使っている。視聴者は世界観から取り残されたシンジ君同様に空白の14年間の情報を何も知らされておらず、全ては推測するしか無いのだが、少なくともこの二人は長年連れ添った戦友といった間柄のようである。
それぞれを「コネメガネ(=マリ)」「お姫さま(=アスカ)」と呼んでおり、飄々とした軽口やサバサバした悪態をつきながらも実直に任務をこなしていく有様はまさにプロの傭兵コンビであり、ベテラン同士のツーカーな関係性や時折見せるオンナゴコロのやりとりなどに心奪われた者も多く、その関係性を反映したり、余暇や待機時の光景を妄想したイラストやマンガが続々投稿されている。
実のところ、物語は常にシンジの視点から綴られるため、関係の正確な所は不明。しかし終盤、第13号機のシン化覚醒を食い止めるべく身を投げ出したマリがシンジに対して「せめてヒメを助けろ、男だろ」と熱いセリフを口にしたことから、(何らかの思惑があったとしても)マリはアスカを大切に思っている事は確かだろう。
『シン』におけるマリアス(ネタバレ注意)
Q公開当時の予告編ではEVA8+2号機というあしゅら男爵か仮面ライダーWみたいな謎のエヴァが登場し、緑色のエヴァのような何か(インフィニティのなりそこない?)を相手に斬った張ったの大乱闘を繰り広げた。両機のパイロットであるアスカとマリがこの機体とどう関わるのか注目されたが、後の正規予告編で矛盾するため、おそらく白紙化されたことと思われる。
後年、コロナ禍の続く2020年末に公開された正規予告編では純白のプラグスーツかつペアルックという何かを連想せずには居られないサードインパクト級の燃料が投下された。
この時のカットがカヲシンの第13号機用プラグスーツ着用時と全く同じカメラアングルだったため、上記8+2号機の存在と併せて「マリアスでダブルエントリーか?!」とファンを騒がせた。が、実際は別々に改修された2号機と8号機が同時運用されるカットへと続くため、地獄の果てまで悪魔と相(愛)乗りという訳には行かなかった…。
【注意】以下、劇中ネタバレ【喚起】
結論から言うと
もう結婚してた
前作終盤でシンジ及び綾波シリーズと合流したアスカに対して、マリは冒頭でパリ奪還作戦に参加しており、またしてもこの間直接的描写はない。
が、再会後は
①ハグ、頬スリなど異様なほどボディタッチによるコミュニケーションを求めるマリ
②それを口では嫌そうにしながらも何ら拒絶せず、マリのなすがままにさせるアスカ
③専用待機室がマリの本で埋め尽くされた同棲感あふれる惨状に苦言を漏らすアスカ
④劇中『まだ人間であることの証』と評された髪の毛の手入れをマリに託すアスカ
⑤最後の出撃でおそろで着こむ新品のプラグスーツを『白無垢』と表現するアスカ
⑥もはや言う事無しのパーペキな連係プレーと何かを彷彿とさせる決まり手
⑦着地時に新弐号機が8号機ORをお姫様だっこ、まさかのリバ
マリアスの民をして「二次創作で垂れ流してきた妄想を公式が採用してきた」と表現するほどに濃度と解析度の高いマリアス描写が延々と続く。まさに公式が最大手。
また、今作においてはアスカに危険が迫った局面で、マリが『アスカ』と呼びを改める。互いに一線を画すという態度を保持し続けた両者の関係性が危機的状況において崩れるというのは、この手のバディものでは常套手段でもある。同時に、破ではマリにそういった心配が全く見受けられなかったことから、知り合い、馴れ初め、いまに至るまでの関係性は件の14年間の間で培われてきたことが分かる。
【注意】さらなる劇中ネタバレ【喚起】
エヴァの宿命というか、監督の趣向というか、終盤は個々人の心の補完と抽象的な描写や心象風景が続くようになる。マリアスの運命は終盤、重要な局面においてある人物から『キミの求めているモノ』として差し出され、各々ある人物の所に至ることが示唆されているが、それらが後に具体的にどういうことになるのかは判然としないまま物語は幕を閉じる。
劇中の言葉を借りれば『すべては心の中だ』ということだろうか。
マリアスが築いたこれまでのゆるぎない信頼、親愛、忠義、etc、がどのような終劇を迎えるのかは、是非自身の目で確認して欲しい。
その期待に応えるだけのものが随所に散らばっているはずだ。
関連イラスト
余談
エヴァ登場人物が船舶に関連する命名基準を持つことは有名だが、一説にはアスカが惣流(蒼龍)から式波に変更となったのは、マリの真希波(巻波)やレイの綾波と併せて「エヴァパイロットヒロインは皆綾波型で統一する」という意図があるのではないかと考察されている。なお、並べればすぐにわかるが、マリの命名システムはアスカのものを参考にしていると思われる(漢名艦・名前・カ名艦)。
マリの正体が未だにハッキリせず、数多くの考察が上がっている。中でも俗説、都市伝説の域を出ないが、「マリ=アスカの血縁者説」というものがある。これは上記の命名基準、ユーロネルフの所属、何のテスト運用も無しに2号機に乗れた(旧作ならシンクロすらできない)、などを理由として挙げ、ぶっ飛んだモノではアスカの母親説まで存在する。
これは、エヴァの呪縛設定とマリのやや古い言語センスや大人びた言動、新劇場版側に旧作おけるキョウコ・ツェッペリンの描写が皆無であること、貞本版エヴァのアスカに父親の存在しないデザイナーベビーという設定があること、Qにおいてアヤナミレイ(仮称)とマリに何やら因縁が存在しオリジナルとなる人物の素性に言及すること、などを理由にマリはアスカの母親かそのコピー、つまりシンジに対する碇ユイや綾波レイのポジションではないかと語られる。
……が、新旧と貞本版、その他メディア展開された設定に存在する食い違いは山のようにあり、ぶっちゃけやろうと思えばどうとでも解釈が出来てしまうため、鵜呑みには出来ない。人を選ぶので、公式のアナウンスがあるまでは都市伝説の域を出ない事を前提に、ほどほどに楽しもう。