概要
犯罪者集団ネオギルドの首領にして、ネオギルド最強のロボット。第2話で壊滅したギルドの首領・ベン藤波は腹違いの弟である。
普段は手の中で2個の金属球を転がし、ネオギルド本部から部下のロボットへ指令を下す。戦闘では(どこかで見たような)ビームガンを所持しており、ジャンパーソンとの戦いでたびたび使用している。ネオギルド最強のロボットであるだけに戦闘力が高く、第38話ではガンギブソンとの壮絶な戦闘の末に彼を機能停止に追い込んでいる。
冷静沈着でベンの敗北を「力がないから負けた」と分析しているが、作戦が不利に動くと怒りを露わにして部下に八つ当たりする悪癖があり、それが原因で離反者を出してしまう時もある。劇中ではネオギルド製のロボットも何体か社会復帰していた場面が確認されているが、これらのロボット達はネオギルドで製造された事実を示す『NG』が刻印されたチップが搭載されているため、復讐心に突き進んでいたガンギブソンに狙われた者も多い。
また、本来ならばロボットを更生させ、社会に復帰させるロボット刑務所を密かに掌握してロボットを反乱の道具にするなど、同じロボットであるジャンパーソンは彼の悪行に怒りを抱いていた。
ちなみに第40話では彼と瓜二つである人材コンサルタントの田崎智が登場しており、(経路を知られないために目隠しされていたとはいえ)この田崎に成りすましてガンギブソンを騙し、ジャンパーソンの基地に案内させ侵入した回さえある。
※以下ネタバレ
ネオギルド最強のロボットと称していたが、彼の正体は人間であり、ガンギブソンと戦っていた真壁は影武者のロボットであった。ジャンパーソン達が真壁の真実を知るに至ったのはネオギルドとの最終決戦の最中である。
ジョージ真壁はロボット工学の権威・真壁慎一郎の息子であり、かつては弟のベン、執事ロボットのボニーと共にロボットと人間が共存する町ブラボータウンで一家仲良く暮らしていた。
だが、ある日警官が無実のロボットを追いかけている現場に出くわし、ボニーはそれを止めに入る過程で警官に撃たれてしまい、その件で父親は責任を問われ心労により亡くなってしまった。
その悲劇が原因で真壁とベンは人間を憎むようになり、後に真壁は一時植物学者である神野博士の助手となるも、博士の死を機に姿を消す。その後、『〈ロボットを差別する人間の支配〉と〈ロボットによる社会の樹立〉』を目的とした組織を結成して現在に至る。
第46話では、ネオギルドの最終作戦の一環としてブラボータウンに住まうロボットと人間の対立を煽り、やがては世界規模での全面戦争に発展させるべく活動していたが、ジャンパーソンに阻止された上に彼の怒りを買った。尚も悪あがきとばかりにジャンパーソン達に殴り付けようとするも、あえなく返り討ちにされてしまう。
這う這うの体で逃げ込んだアジトはブラボータウンの地下にあり、彼を追い詰めたガンギブソンからは「結局お前はこの街(ブラボータウン)から離れる事の出来ないただの甘えた子供に過ぎなかったんだよ!」と糾弾された。
最終的に全てを失い、ガンギブソンからも「倒す価値の無い男」と断じられて置き去りにされた真壁は自爆装置を起動させ、家族の写真を見つめながらその名前を呟き、崩壊するブラボータウンと運命を共にした。
ガンギブソンは真壁との決着まで彼に殺されたキャロルへの哀しみによる復讐心を燃やしていたが、もはや真壁には「殺す価値すら無い」と判断、ネオギルドそのものの壊滅をもって復讐を果たしたと自身を納得させた。
そして、2つの敵対組織を壊滅したジャンパーソンとガンギブソンは休む間もなく最後にして最大の敵との熾烈な闘いに身を投じる。
余談
- 第42話にて彼が発した台詞は、警官によってボニーを喪い、それが家族の死の遠因となった自身の過去を踏まえている過去が窺える。
- 真壁は神野博士が作った生物の傷をも回復させる無限の生命エネルギーを放つ『生命の木』を狙って活動した時期もある。劇中では生命の木をどのような用途に用いるのかは語られていなかったが、彼の行動の裏には「無限の生命エネルギーによって、ベンと慎一郎を蘇生させる」目的があった可能性がある。過去の悲劇が引き金となって家族を喪った彼の心境は、知る縁もない……
- 当時の児童雑誌によるコミカライズ作品の中には、ビルゴルディと呉越同舟し真壁もサイボーグ化・ビルシルバに変身しジャンパーソンとガンギブソンと戦う展開もあった。こちらのビルシルバ=真壁は最終的にサイボーグ化した際のパワーに無自覚のままに暴走した末、危険視したビルゴルディによって爆破される最期をたどった。