概要
『特捜ロボジャンパーソン』に登場する、帯刀龍三郎が総裁を務める大財閥。世界経済に大きな影響力を持っているが、総裁である帯刀は、それだけでは飽き足らず、様々な兵器・機械技術を駆使して、裏の世界も含めた全ての支配者にならんと暗躍する。
なお、正確には帯刀と彼の秘書達が世界征服のために活動しているだけであって、社員達は真っ当に勤務している。そのため、帯刀コンツェルンそのものが悪の組織というわけではない。
構成員
ロボットを中心としたネオギルド、バイオモンスターを中心としたSS-Nに対し、賞金稼ぎを雇ったり、傘下の犯罪組織を使う事が多い。
直接的な手段ではなく間接的な手段を講じていたためか、他の二勢力と違いジャンパーソン側も組織の実体を把握出来ず、彼らにはネオギルドでもSS-Nでない、もう一つの組織と認識され、ビルゴルディ出現後も「ビルゴルディ(が属する組織)」としか呼ばれず、最終決戦で三枝かおるがスパイとして敢えて帯刀の軍門に下り、最終回の前話である第49話でジャンパーソンにその実態を伝えるまでその正体を掴めずにいた。
物語では前述の三陣営による三つ巴の様相を見せていたが、いずれにせよ「ネオギルド」「SS-N」の二つは人間社会の支配ではなく、前者はロボット至上主義の樹立、後者は人類抹殺が目的であり、帯刀としては自身の障害となる存在だったために両者を互いに争わせて共倒れを狙った。実際にネオギルドとSS-Nが帯刀の策略にまんまとハマって抗争状態に陥っていた。
帯刀の世界掌握の野望は非常にわかりやすく典型的と言ってしまえばそれまでだが、二組織が人間への絶望から生まれた歪んだ野望だったのに対して、帯刀は実に「人間の欲望に忠実」を体現した存在だったといえる。
帯刀龍三郎 / ビルゴルディ
帯刀コンツェルンの総帥。劇中から実年齢は30代半ば~40代前半ぐらいの成年男性と推測される。彫りの深い顔立ちをした若手実業家の表の顔とは裏腹にペロペロキャンディーが好物で、ジャンパーソンを「ジャンピー」と呼ぶ等、子供染みたワガママでおちゃらけたイメージがあるが、その本質は野望のためならば自身に忠実な直属の部下ですら犠牲にする非情な性格の持ち主であり、眼鏡を外すとその冷酷な一面が露わとなる。
後に自らを改造させ、自身を「魔王」と称するバイオボーグ・ビルゴルディとなる。この時点で完全におちゃらけた顔は消えており、冷酷無比の顔が顕になっている。
悪党ではあるものの秘書達の事はお気に入りらしく、セーラの仇討ちを誓ったり、身を挺してマヤとシンディをかばう一面も見られた。経緯は不明だが、ロボットに対しては憎悪を抱いていた。
セーラ
帯刀の秘書で、同時に交渉人を務める。戦闘時にはボウガンを使い、敵を撃つ。度重なる失敗の末に最後通告を受け、バウンティキラージャンゴの弟・ルーゴを利用してジャンパーソン打倒の最終作戦を展開するが、離反したルーゴによって部下もろとも爆死する。
後にクローンとして再生を遂げるが、悪の魔王と化した帯刀に幻滅・決別した事で粛清され、一時とはいえ心通わせたジャンパーソンに看取られて息を引き取る。
マヤ
帯刀の秘書であると同時に彼のボディガードを務める。当初の髪型はポニーテールだったが、後の回ではショートカットに変わっている。戦闘時は全体が赤色で、胸部や四肢に装甲が付いたハイレグなボディスーツ姿となり、銃と剣を武器に戦う。生身の人間だが、ジャンパーソンとガンギブソンをも圧倒する戦闘力を持つ。最終話ではガンギブソンの腕を剣で斬り落とすも、その隙を突かれ戦死。
その最期は、ガンギブソンに折れた自身の剣の切っ先で首元を突き刺された上に、そこから更に首を掻っ切られるという壮絶な物であった。
シンディ
セーラの死後に配属された帯刀の秘書。セミロングヘアーの女性で、マヤと同じくボディガードを務める。武器はムチとボウガンとスタンガン。戦闘時は髪を束ね、デニムジャケットを着込んだ姿で登場する。マヤとは違い格闘戦には長けていないが、彼女との連携が得意。見た目に似合わず血の気が多く、寝返ったふりをした三枝かおるの挑発にいきり立っていた。最終話ではガンギブソンを道連れにしようとするも失敗して死亡。
珍大光&珍小光
帯刀に雇われた中国出身のストリートファイター兄妹。大光は柳葉刀、小光は釵(サイ)を武器にジャンパーソンに襲い掛かった。読みは「チン・ターコアン」「チン・シャオコアン」。
ちなみに兄の演者は、この前後数年の間に幾多のヒーローの中の人を演じる事になる。
ジャンゴ
帯刀に雇われたバウンティキラー。拳銃、ライフル、バズーカなどの射撃の名手で、その火力でジャンパーソンを葬ろうとした。演じた人は以前、十年以上も集団ヒーローのリーダーとして活躍していた。
怒鬼
帯刀に雇われた風魔忍者。兜割りとナイフを使った攻撃、土遁の術と雷遁の術を得意とする。
ルーゴ
ジャンゴの弟で、やはり彼もバウンティハンター。兄の仇討ちのために、思考連動システムを用いた早撃ちを駆使してジャンパーソンとガンギブソンに挑む。
思考連動システムとは、脳と機械を繋ぎ、機能不全となった人体のパーツを機械に代替させる技術で、ルーゴはその技術を「銃を撃つ」という一点に特化させ、ルーゴが「敵」と認識するだけで機械が手を動かして銃を撃っているため、柔軟に敵味方を判断しながら最速の早撃ちと精密射撃を備えた驚異の射撃マシーンとして、たとえ敵味方が入り交じろうと撃ち間違えない生体ユニットと化している。
しかし、不完全な技術のまま肉体を酷使しており、一度はジャンパーソンとガンギブソンを圧倒しかけるも、自分に思考連動システムを与えてくれた女性技師とジャンパーソンの献身を受け改心。襲撃してきたセーラと帯刀配下の戦闘員の一団をレーザー銃の銃撃で倒したものの、直後に肉体が限界に達して銃が握れない体になってしまった。
だが、その時に念願の0.001秒の早撃ちを実現させ、かつそれが大切な人を守るために叶える事が出来た誇りを胸に、新たな思考連動システムによるリハビリに励んだ。
坂倉
帯刀のコレクションに高名なダイヤを加えるべく雇われたハイテク怪盗。戦闘では奇術用具を駆使する。
サイレント
帯刀海底開発の深海作業用ロボット。そのパワーと頑強さに目を付けた帯刀に伴侶のジェルソミーナを殺され、ジャンパ-ソン打倒のために利用される。撮影に使われたスーツは『特警ウインスペクター』のウォルターの物が流用されている。
ケイ
ネオギルドとSS-Nを一気に亡き者とする作戦の一環で、そのためのスパイの娘を演じる少女型ロボット。
関連項目
死の商人:「すごい科学で守ります!」ではネロス帝国の表の顔との関係の可能性が触れられている。
変遷
犯罪組織バイオロン→ギルド/ネオギルド/帯刀コンツェルン/スーパーサイエンス・ネットワーク→スペースマフィア