概要
バンクーバー島北部に暮らす先住民「クワキウトル族」の伝承に伝わる女巨人。
その名は“森の女巨人”を意味しており、振り乱した髪の毛、黒い肌に真っ赤な唇、垂れた大きな胸を持つ巨大な老婆であるとされ、樹木をなぎ倒す事が出来る程の怪力を誇り、そのけたたましい叫び声は稲妻を呼び寄せる事が出来るといわれる。「フー」という木々の間を駆け抜ける風の音はズヌクァの鳴き声だとされる。
人々に富を運んでくる存在として信仰されている一方、人間の子供の肉を好物とする鬼女としての側面も持っており、祖母の声をまねて子供をおびき寄せて攫うと背負った籠へと放り込んで棲み処へ持ち帰り食料とし、犠牲となった子供たちの髑髏の首飾りを身に着けているという。
ズヌクァはたとえ死んでも蘇ったり、相手の傷を癒す不思議な力を持っているが、目が悪いため、たとえ襲われても簡単に逃げる事が出来るともいわれているほか、何時も強烈な眠気に襲われている為、ボーっとしていることが多いともいわれている。
彼女は莫大な富を持っており、彼女に気に入られ、彼女の子供たちと結ばれる事が出来ればそれを授けてくれるとされる。
また、ある伝承ではズヌクァを退治するために、彼女を騙して穴へと落として火を投げ入れ、再生復活不可能になるまで燃やし尽くした結果、後に残された灰の中から蚊が生まれたとされている。