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ゾルタン(真の仲間)

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ぞるたん

『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』に登場する町。

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』に登場する辺境の町。

本作の主人公であるレッドギデオン・ラグナソン)が隠棲している街であり、本作物語の主な舞台地。この町で平穏なスローライフを送る事が、レッドが自らの人生に定めた最大の目的である。

地理および地勢

アヴァロン大陸における人類生息可能地の端にある辺境。

北と東には「世界の果ての崖」と呼ばれる人類未踏の大山脈がそびえている。この大山脈は、この世に生きる全ての者(モンスター、魔物・魔族を含む)がいかなる能力を以てしても越えられぬという険しいものであり、ゆえにこそ北と東は自然の要害に守られている。

南側は海に面しており港もあるが、南洋からは頻繁に嵐がやってくるため、海洋貿易にも適しておらず(停泊中に嵐に遭えば何か月も足止めを喰らうこととなる)交易のルートからはガッツリと外されている。港の利用者は地元の漁師たちとゾルタンの上層部が手配している(ゾルタンを目的地としている)定期交易船ぐらいのものである。

トドメにゾルタンの遠洋海域はクラーケンサーペント、白鯨(クレーターホワイト)など大型海洋モンスターの巣であり近海(波打ち際から数メートル程度)でしか漁業は不可能。航路も陸地際の浅瀬を通るしかない。

山脈に囲まれた中央部と開けている西は広大な湿地帯であり、町として発展しようにも開発できる土地が限られている。正直、都市開発においては湿地をなんとかするための最新技術でも開発されない限りは現状が最大値であり、これ以上の発展は見込めない。

大山脈と湿地帯を保水資源とするため水源は豊富。

大地は肥沃で「種を蒔くだけで、日常に困らない程度の作物は取れる」と言われるほど。

しかし、この大地の肥沃さは定期的かつ頻繁に起こる嵐と水害によってもたらされるものであり、ゾルタンでの農業は「食うには困らないが、商売にはできない」とされるほど「生業」として据えるには条件が悪い。(生業として農家に勤しむと、ほとんどのケースで収穫直前に嵐にやられ、文字通り全ての努力が水泡に帰す……どころかマイナス資産を打ち出して苦しむ事となる場合がとても多い。事実、のちに薬草農家にジョブチェンジしたルーティも兄の薬屋を手伝いつつ守護冒険者職を兼務する「兼業農家」であり、彼女が農家としてやっていけるのは相棒であるティセの有能さと自身の勇者としての各種固有スキルの転用があるため)

こうした産業開発の条件の悪さから、このゾルタンで何らかの成果を挙げて世にひとかどの人物になろうとする事は多大なる困難が付きまとっており、アヴァロン大陸各国家の中央官吏は、このゾルタンに赴任・派遣される事を「左遷島流し」と捉えて何よりも恐れている。

また、このような土地状況から旅人も素通りする。発展して無い町である事から犯罪者すら(標的に出来るものが無いので)見捨てると言われている。

しかし一方で、その干渉が限られている地域である事から、ワケありの人間(逃亡者、隠者、変人)が身を隠すには最適。そうした形でゾルタンに流れ着き、この街で人情に触れて良心に目覚めて更生し居つきゾルタンのために頑張っている、という人間もそれなりに多い。(他ならぬレッドもそのひとり)

そして以上の理由から努力が頭打ちになりやすい土地柄であるため、ゾルタンに生きている人々は未来はあえて見ず、現在のみに足をつけて懸命に生きるという傾向を持ちやすい。要は、どこか刹那的かつ享楽的な部分がある。しかし、こうした部分は「物事を深く考えず、深刻にならずに大らかに生きる」とも言えるものであるため、一概に悪いものと断じる事もできない。

ゆえに、この町の通称は怠惰の街。勤勉である事が、とてもアダとなる土地柄。

と、まぁ、こうした地勢であるがために大陸の各国も率先してゾルタンを手に入れようとは考えない。(手に入れるメリットが無いうえに、役に立たないお荷物の土地を抱えるハメになりかねない)そのため周辺国はゾルタンに対して自治を認めており、それゆえに便宜上必要な時にはゾルタン共和国を名乗る事がある。(実際は、大陸最大の王国家「アヴァロニア王国」の後見によって認められた自治区に過ぎない)

政治機構は街の有力者(市長や町議会、各ギルドの代表者会議、各地域の長老や顔役など)による合議制によって為されている。一方で町の有力者となる一番の要因は年功序列であり、いくら優れた実力や実績があっても、年長者より年が若ければ決して実力者の位置にはつけないという特徴がある。(つまりゾルタンの政治は、よほどの非常時以外は大抵、有力者たちの親の親の親の……といった今はもはやいないご先祖様たちが何年も前に敷いた予定調和で動いている)

これもまた上述した自然の要害による守られと大嵐による自然災害によって定着したものである。

ゾルタンの人々

アルベール・リーランド(CV:天﨑滉平

ゾルタンでリットに並ぶBランクとして遇されている冒険者。リットの引退宣言後は唯一のBランクとなったため、周囲から町の守護神として期待されている(が、その実力や人格をよく知る町の実力者たちからは不安がられている)。

偉業達成を目指さんと志向する「ザ・チャンピオン」の加護を持つ。この加護には「世の中の誰もが認める英雄として振舞わないといけない」という衝動がつきまとっており、それゆえにか「自分は英雄なのだから何をしても許されるのだ」と傲慢にふるまうとともに、自らが辺境のゾルタンで燻ぶっている現状に不満を持っている。しかし、実際の実力は「ゾルタンだからこそBランクとして遇してもらえる」という程度であり、とても「英雄」に至れるような力は有していない。

レッドの事は「薬草採取専門のDランク冒険者」という事で最初から見下しており、レッドから名前を呼ばれた時には「さんをつけろよDランク」と言い放った。

英雄に憧れながら実力が足りない、そのコンプレックスもあり「力を持つ者は、その力を使い上を目指す義務がある」と考えるタチであり、密かにレッドに対して「Dランクよりも腕が上ではないのか」と疑っており、それを確かめるために(そして、もしもそうならば絶対に許せない事なので、無理やりにでも表の場に引きずり出してやると考えて)幾度となくレッドに対して挑発を仕掛ける。

ゴンズ(CV:山中真尋

ゾルタンの下町で働いているハーフエルフの大工。レッドの友人。

仕事はキッチリやり遂げるが、オフでは際限なくダラけていき、時にオンオフの切り替えも漫ろな、ゾルタン人の気質を最も体現しちゃってる、ある意味ミスターダメ人間。

確かな技術を誇る、豪快な親方。隣家に住む妹一家の事を大事に思っており、特に甥っ子の事は彼に何かがあったならば狼狽するほどに溺愛している。その事もありレッド(ギデオン)とは「兄仲間」でもあり非常に話が合っている。

のちに甥っ子を救われた事から、レッドに対して涙を流すほどの恩義を感じ、レッドが独立して薬屋をやることを決心した時には、店舗兼家屋の建築を開業祝いを含め材料費のみ(つまり実質タダ働き)で引き受けた。

タンタ(CV:芹澤優

ゴンズの甥っ子で、まだ加護には触れていない天真爛漫な少年。

ある日、白眼病という失明の危険がある急性の病を患うが、危険を顧みずに必要な薬草を回収してみせたレッドの活躍により事なきを得た。

のちにゴンズと父の背中を追い、大工になる事を目指す。

ニューマン・ヴィンターズ(CV:魚健

ゾルタンの下町で開業している医者

タンタの白眼病の治療を担当した際にレッドと知り合い、以降、レッドの薬屋のお得意様となり友人ともなっていく。

メグリア(CV:東山奈央

ゾルタンの町にある冒険者ギルドの受付嬢。レッドが採取してくる薬草の買い取りも行っている。有能で上品さも備えたレッドに対しては信頼を寄せ、強い騎士だったりするのを隠しているのではないかとも考えている。

ナオ(CV:徳井青空

ゴンズの妹でタンタの母。人好きのする明朗な性格の持ち主で、同棲中のレッドとリットの関係を理解している。趣味はサウナ通いと地ビールを飲むこと。

ミド(CV:三品健

ゴンズの同僚かつ義弟で、タンタの父。ハーフエルフではないれっきとした人間で、かつては冒険者として活動していた。引退後は大工として働き、ゴンズより器用さはやや下だが早い計算力がある。ゆえにフォロー役としての役目を持つ。ゴンズも陰ながらではあるが、彼を褒めている。

ディル(CV:利根健太郎

「火術師」の加護を持つ男。人を襲ったモンスター・アウルベアの討伐に向かうアルベールの、道案内をつとめる。ギデオンやリットは覚えていないものの、実は一度、ロガーヴィアでの魔王軍との戦いの際に会っている。

ストームサンダー(CV:上田燿司

ゾルタンの下町に店舗を構える家具屋であり家具職人。レッドの友人のハーフオークで、リットも以前から上得意様として店を利用している。通称・ストサン

イロイロと計算高い商売人だが、一方で漢気も天下一品であり、下町の多くの人から慕われている。

アル(CV:木下鈴奈

貧民街サウスマーシュに住むハーフエルフの子で、タンタの友人。父親は船着き場で荷下ろし人足をしている。

大人しく優しい少年。タンタよりも早く自らの加護に触れており「ウェポンマスター」の加護を有する。「ウェポンマスター」は人生でたったひとつだけ自らが「これ」と選んだ武器を極める事ができる加護。一方で自分が選んだ武器が世界で最上のものであると思い込み、その武器を否定されたりデメリットを突かれたりすると逆上しやすい衝動がつく。

喧嘩相手のアデミが加護に触れた途端に乱暴者になったため、加護が与える衝動に対して怯えていた。しかしレッドより「加護は加護、自分は自分。加護は否定せず、かといって加護の衝動に呑まれるのではなく頑張ってコントロールするもの」だと導かれて持ち直す。

のちに、とある事件に巻き込まれて家族もろともに怪我をした事をきっかけに、レッドとリットのもとに保護され、加護に目覚めたのに家族を守れなかった自らの無力を痛感した事とリットに憧れた事からショーテル使い(ショーテルマスター)の冒険者になる道を選ぶ。

アデミ(CV:柚木尚子

ゾルタンの治安の一端を預かる衛兵隊長モーエンの息子。

タンタやアルとは時に喧嘩をする程度の間柄で互いに良い関係とは言えない。2人よりも先に自らの加護に触れ「喧嘩屋(バープローラー)」の加護の持ち主であることを知り、以降、加護の衝動のせいで周囲の子どもに理由なく喧嘩を吹っ掛けるようになった。

一方で衛兵隊長の子であるため、正義感そのものは強い。喧嘩を吹っ掛けるようになったのは加護の衝動もあるが、さらにその加護が父を尊敬する自身が望んでいた加護とはかけ離れたものであった事への苛立ちもあったため。

しかし、とあるきっかけで加護の衝動を抑える術を身に着けた、として「これで父を助けられるようになる」と喜び周囲の喧嘩していた子どもたちと和解。ところが和解して間もなく斧を持ち出してアルとその家族を襲ったとされた。ただ衛兵隊の面々はこれを認めず、アル一家を始めとする貧民街や貧民街以外にもいる一家の支援者たちと深く対立する事となる。

オパララ

ゾルタンの町で屋台を引いているハイエルフのおでん屋。ゾルタン生まれの気風の良い姐さん。

元々、おでん屋の客であったが、その味に惚れ込んで弟子入りし、師匠の屋台を引き継いで運営している。レッドとティセもお得意さま。

ヤランドララが来た時には思わず平伏してしまい(ハイエルフにとってみれば高位の貴族が来ちゃったようなもの)逆にヤランドララに気を使わせてしまう。

ビッグホーク(CV:稲田徹

サウスマーシュを根城にし、盗賊ギルド・ナンバー2の座についているハーフオーク

荒くれ者が大多数を占める盗賊ギルドでナンバー2にのし上がれる、というだけはあり、残虐で容赦がなく目的のためには手段を選ばぬ男。

リットの冒険者引退によって彼女が街中に常駐する事を快く思わず暗躍するも失敗。また、悪魔の加護と呼ばれる加護の衝動を和らげる中毒性のある麻薬を密かに街にバラ撒いていた。この事により、やがてレッドたちと敵対し激突する事となった。

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