概要
ゾーンとは極限の集中状態のこと。
現実に存在するもので、どのスポーツ選手でも入れる可能性がある。
しかし、黒子のバスケは一般的なゾーンとは多少異なる所がある。(眼から光なんか普通出ないし)
作中での扱いは、他作品でいうギアや超サイヤ人のような感じである。
ゾーンの基本能力
初登場は第133Q(単行本15巻)であり、青峰大輝が劇中で最初に入っている。
ゾーンに入ると眼から光の残像が出現し、アニメでは光の色がそれぞれのイメージカラーに対応した色になっている(青峰は青色など)。
まるでどこぞのモンスターの様である。
ゾーンに入ると本来なら不可能である筈の100%の力を出せるだけでなく、「雑念」「周囲の声や音」「景色の色」など、不必要な情報は全てカットされ、目の前の相手だけではなく、他の選手の位置や動きなど、必要な情報の処理能力が向上する、要するに視野が広がる。
これにより、火神は空中戦でパスをするようになった。
また、不必要な情報は漏れなくカットされる為、黒子のミスディレクション・オーバーフローによる視線誘導が全く効かなくなる。
発動条件
ゾーンに入る為には以下の条件がある。
・前提条件に「キセキの世代」クラスの才能
・バスケに全てを捧げていること、要するに誰よりもバスケが好きであること。
・雑念が全く無く、完全な集中状態であること。
・自身にとってのトリガーを引くこと。
以下の条件が全て揃えばゾーンは発動する。(しかし、これら全てを満たしても必ずしも入れる訳ではない)
本来なら偶然にしか入らないのだが青峰と赤司のみ、自分の意思で自在に入ることが出来る。青峰の場合は自身のトリガーを本能によって自覚しており、赤司の場合は自力で自身のトリガーに辿り着いた。両者共、作中においてゾーンの強制解放を発動している。
ゾーンは一度入れば二回目以降は入るのが急激に難しくなる。
その理由は一度ゾーンの何でも出来る感覚を知ってしまい、自然ともう一度という気持ちが出てしまう為。
この思考こそが雑念であり、極限集中のゾーンにおいてあってはならない要素。
氷室はキセキの世代に近い存在ではあるがキセキ以下の為、ゾーンには入れず、紫原もバスケが好きと自覚するまでは入れなかった。
要するに、(青峰と赤司以外は)ゾーンに入る為にゾーンに入ろうとはしていない。
また、赤司がゾーンに入れるのは己の力だけで相手を倒すと決意した時のみで、チームプレー中にゾーンを強制解放することはできない。ただしこれは僕司(もう一つの人格)の場合であり、俺司(主人格)の場合はチームプレー中にゾーンを解放していた。
火神の場合は仲間を守る為の意思という…何ともバトル漫画の主人公の様な条件である(バスケ漫画なのに)。
また、EXTRA GAMEの描写からして黄瀬も似たような条件の可能性が高い。
ゾーン発動者一覧
前述の通り「キセキの世代」クラスでしかゾーンには入ることができないため、必然的に作中でのゾーン発動者は「キセキの世代」もしくは火神大我のみとなっている。
初出:第133Q(単行本15巻)
作中で一番最初にゾーンを覚醒させた。
発動のトリガーを本能で自覚しており、自分の意志でゾーンの切り替えを行える。
初出:第135Q(単行本15巻)
青峰との1on1の最中にゾーンが覚醒。
「仲間のために戦う意志」が発動のトリガー。
初出:第167Q(単行本19巻)
誠凛に追い詰められた状況下で、「バスケが好き」だと自覚しその負けず嫌いの強さも引き金となって覚醒。
初出:第260Q(単行本29巻)
無様なプレーを繰り返した洛山のチームメイトに失望し、無冠の五将すらも見限り、己の力のみで戦うと決意したことで覚醒。
青峰同様に自分の意志でゾーンに入ることができる。
初出:『黒子のバスケ EXTRA GAME』
青峰の体力温存のためシルバーを一人で相手取り、「勝つためならなんだってやってやる」という想いから覚醒。
完結から数年の時が経ってから発売した『黒子のバスケ LAST GAME』の円盤特典である原作者のネームによって、ラストの誠凛vsキセキの世代の試合で遂に緑間がゾーンに入っていた事が判明。
ゾーン発動による固有能力
- 火神大我
・守備範囲が紫原クラス(3Pエリア全域)になる。
・ジャンプ力、滞空時間が上昇。
・3Pの精度上昇。
・ジャンプ力、滞空時間、左手の繊細なコントロールから繰り出される投げ込み式の無敵のダンク、「流星のダンク」を使用可能。
- 青峰大輝
・「型のないシュート」の精度上昇。
・「俊敏性(アジリティー)」の上昇、景虎曰く、青峰クラスのゾーンは体感の倍は速いとのこと。
・また、彼の場合ゾーンの切り替えが自由。
- 紫原敦
・描写が非常に少ないので単純な能力アップ以外は判明してない。(紫原のスタイルからして無い可能性が高い)
- 黄瀬涼太
・「キセキの世代」全ての能力をコピーできる「完全無欠の模倣」と掛け合わせた状態で発動した。この状態の黄瀬は体力の消耗が激しく、只でさえ短い「完全無欠の模倣」の時間が更に短くなっているが、そのスペックは間違いなく全キャラ中最強。
- 緑間真太郎
・ゾーンの発動条件や入った際の固有能力などは不明なままである。
・ファンの間の考察では「シュートを打つ際の溜めがなくなる、または短くなる」や「フォームを崩された状態での超長距離3Pシュートが可能になる」などの能力予想がされている。
- 赤司征十郎
・単純な能力強化、恐らく「天帝の眼」の能力も向上している。
・これはゾーンによる能力ではないが、主人格の赤司は並外れたバスケIQと「天帝の眼」により究極のパスを操り、味方を全員ゾーンの一歩手前まで入れることが出来る。恐らく、パスを受ける相手がキセキの世代の場合は普通にゾーンに入れられる。
ゾーンのデメリット
ゾーンは確かに入れば強力だが体力の消耗が非常に激しく、長くは保たない。
しかも、ゾーン状態で相手に完敗してしまった場合、ゾーンが解けてしまう。(少しぐらいやられた所で解けないが)だけならまだしも、これはゾーンの解け方としては最悪であり、戦意が揺らぐだけでなく反動で通常以上に体力を消耗する。
黒子と火神のコンビで天帝の眼を完封された赤司は精神が激しく乱れ、ゾーンが解けてしまい通常以上に体力が消耗していた。
恐らく、体が出来上がっていない高校生であるキセキの世代は無闇やたらにゾーンに入ってしまえば体に確実に負担が掛かる。なので、いつでも使える代物では無い。
ゾーンを越えたゾーン
青峰曰く、ゾーンに入ると扉が開き、更にそこから水底に沈んでいく状態になるらしく底につくとゾーンによる100%の力を出せるらしい。(あくまでイメージ)
そして、水底にはもう一つの扉があり、門番のような人影がいるらしい。青峰が行ったことがあるのは底までであり、その扉を開けることは出来なかった。
今吉はこれをもう一人の青峰と予想したが実際は違っており、黒子であった。
そう、第二のゾーンとは仲間と共に戦う力であり、ゾーンの真の力である。これに気づいた青峰は「開かねぇわけだ」と納得していた。
火神はこの答えに辿り着いて遂に扉を開き、直結連動型ゾーンを発動させた。
これはゾーン状態の火神との一瞬のアイコンタクトにより、超高速のパスを繋げる超速連携である。
ゾーンとは本来、仲間と力を合わせる為の力だったのかもしれない。