※この記事にはメトロイドプライムシリーズ3部作のネタバレが多く含まれています。
※基本的なメトロイドの詳細は「メトロイド(クリーチャー)」の記事を参照してください。
概要
メトロイドシリーズに登場する敵対組織『スペースパイレーツ』が【惑星ターロンⅣ】で発見した生物の突然変異を誘発する放射性物質『フェイゾン』を利用して生み出した品種の事を指す。
また本記事ではターロンメトロイドが更なる突然変異を遂げた「フェイゾンメトロイド」や、特殊な要因で通常種とは区別される個体についても併せて紹介していく。
ターロンメトロイド種
『メトロイドプライム』及び『メトロイドプライム2』に登場するフェイゾン変異型メトロイドの基本種。その名称はフェイゾンが初めて発見された惑星ターロンⅣの特有種である事に因む。
惑星SR388系列の幼生メトロイドにフェイゾンを注入・照射した事でエネルギー吸収能力の著しい向上とそれに伴う攻撃性と食欲の増加、内部組織の退化による冷気エネルギー以外の耐性の低下等、従来種とは異なる性質へと変化している。
しかしフェイゾン変異した生命体も、フェイゾンに触れると即死してしまうという仕様はターロンメトロイド種にもバッチリ適用されるため、上手く誘導すれば戦わずに済む…かもしれない。
特に【フェイゾンマインズ】の「メトロイドファーム」では、たま~に出現したと思ったら勝手にフェイゾンに触れて自滅してしまうお茶目で可愛いメトロイドを見る事ができる。
ちなみにGC版の『メトロイドプライム』限定だが、ゲート付近まで誘導したメトロイドをゲートが閉じる瞬間に接触させる事で圧死させる裏技が存在した。
ターロンメトロイド(Metroid)
『メトロイドプライム』にのみ登場。
その姿形は従来種の幼生メトロイドと殆ど同じであり、下顎の牙が若干肥大化している程度。
攻撃方法はサムスに狙いを定めてから突進して密着、生命エネルギーを吸収する事のみ。
しかし一定のダメージを与えると電撃を纏って一回り程巨大化してしまい、この質量の増大中は「パワーボム」や「フェイゾンビーム」以外の攻撃を無効化してしまう。
出現場所は【アイスバレイ】と【フェイゾンマインズ】。
特に最初に出会う【アイスバレイ】の「メトロイド研究所」ではご丁寧にも強制スキャンとなり、保管タンク内に閉じ込められているターロンメトロイドをスキャンしなければ戦闘が始まらない。
しかし上記の通り、耐性面による弱体化の影響で、従来の「アイスビーム」による凍結+ミサイル攻撃という正攻法が必須ではなくなったため、出会った時点でも問題なく戦える。
「パワービーム」や「ミサイル」を普通に連射しているだけでも倒す事ができるし、勿論「アイスビーム」入手後ならば、凍結中にミサイルを1発撃つだけで簡単に倒す事ができる。
尚、『メトロイドプライム』のみの仕様として、サムスがメトロイドとスペースパイレーツの両方に発見されていない状態で、メトロイドの保管タンクを破壊、或いは抑制シールドを解除すると、メトロイドがパイレーツに襲い掛かり、そのまま倒してしまう光景を目にする事ができる。
下記のハンターメトロイドやデバイドメトロイドでは一切敵対してくれないため、実はこの光景は一部の監禁されたターロンメトロイドだけに限定される独自仕様だったりする。
ちなみに先行販売された海外版では「ターロンメトロイド」とは表記されておらず(名称はそのまま「Metroid」)、名称が統一されるのは次回作『メトロイドプライム2』からである。
ハンターメトロイド(Hunter Metroid)
『メトロイドプライム』にのみ登場。
フェイゾン実験により突然変異を遂げたターロンメトロイドの亜種。
赤く細長い凹凸した身体と発達した2本の長い触手を持ち、より現実のクラゲに近い姿となった。
攻撃性や耐冷性はターロンメトロイドよりも上昇しており、特に近づく物に対して過剰反応する。
しかし「アイスビーム」による凍結+ミサイル攻撃のコンボは相変わらず有効である。
攻撃方法は通常の突進攻撃の他は、触手の中央からビームを発射して獲物を拘束、遠距離から生命エネルギーを吸収してくる。拘束中は継続ダメージと共に移動が制限されてしまうが、攻撃する事自体は可能であるため、落ち着いてそのまま「アイスビーム」で反撃しよう。
出現場所は【アイスバレイ】と【フェイゾンマインズ】。
【アイスバレイ】では停電した研究施設から脱走したと思われる個体が「フロストケイブ」に1体出現する他、【フェイゾンマインズ】の「メトロイドファーム」でもターロンメトロイドと同時に出現する事もある。暗所かつ足場の悪い地形で戦う事になるため、先に遠距離から処理したい所。
デバイドメトロイド(Fission Metroid)
『メトロイドプライム』にのみ登場。
フェイゾン実験により突然変異を遂げたターロンメトロイドの亜種。
外見は白く透明な皮膜と、黒色のメトロイドコアを持ったターロンメトロイドであり、攻撃方法も全く同じなのだが、その耐久力は大幅に上昇しており、なんと「アイスビーム」では凍結しない上に、一定のダメージを受けると小型の個体に分裂してしまうのだ。
しかしフェイゾン変異体の不安定な性質によって、分裂した個体は特定のビーム属性に対する耐性を失っており、その弱点を突く事でようやく倒す事ができる。
尚、どのビーム属性が弱点となるかは、分裂するまでは分からない。完全にランダムである。
また「パワーボム」を使用すれば、例え分裂前の個体であっても一撃で倒す事ができる。
- パワーメトロイド
分裂後、コアが黄色に変色した個体。「パワービーム」と「スーパーミサイル」が弱点。
流石に「パワービーム」だけで応戦しようとするのは愚策としか言えないため、ここは威力と燃費に優れた「スーパーミサイル」を使用したい所。
しかしチャージ中の隙を狙われてしまえば元も子もないため、もしパワーメトロイドを確認したら最優先で「パワービーム」に変更して、相手に攻撃の隙を与える前に倒してしまおう。
- ウェイブメトロイド
分裂後、コアが紫色に変色した個体。「ウェイブビーム」と「ウェイブバスター」が弱点。
分裂後の個体であっても、チャージ攻撃で感電させる事はできない。
その命中精度と3本のビームを収束した攻撃力から、(若干だが)「パワービーム」よりはマシな部類だと言える。ロックオンさえしていれば、そこまで苦戦はしないだろう。
- アイスメトロイド
分裂後、コアが白色に変色した個体。「アイスビーム」と「アイススプレッダー」が弱点。
分裂後の個体であっても、チャージ攻撃で凍結させる事はできない。
折角、元々の弱点を取り戻したというのに、その対処法までは返してくれなかった開発スタッフは実に意地が悪い…せめて「アイススプレッダー」で凍結してくれれば…
しかし「アイスビーム」は弾速と連射性能こそ劣るものの、その1発分の威力は「プラズマビーム」を凌ぐため、それほど相性が悪い訳ではない。しっかりと狙い撃ちしよう。
- プラズマメトロイド
分裂後、コアが赤色に変色した個体。「プラズマビーム」と「フレイムスローワー」が弱点。
分裂後の個体であっても、チャージ攻撃で燃焼させる事はできない。
ただし威力と連射性能に優れた「プラズマビーム」が使用できるだけでも、この4種のメトロイドの中では最も対処がし易いはずだ。
出現場所は【フェイゾンマインズ】と【インパクトクレーター】。
前者はオメガパイレーツ撃破後、「メトロイドファーム」に元々出現していた他のメトロイド達と置き換わる形で大量に出現する他、後者の「クレーターメインホール」では周囲の赤色フェイゾンから倒しても倒しても無限に出現し続けるという地獄の様な光景が広がっている。
兎に角、ただ相手をするだけでも面倒極まりない存在であるため、出会ったら迷わず無視して別のフロアまで突っ走る事を推奨する。
特に【インパクトクレーター】ではデバイドメトロイドが最大3体まで湧き続けるため、もし移動中に狙われた場合はまず安全な位置まで引き付けた後に「パワーボム」で一掃してしまおう。
尚、日本版の名称である「Divide(ディバイド)」は「分割する」という意味を持つ英単語である。
そして海外版の名称である「Fission(フィッシオン)」も「分裂」を意味する英単語なのだが、それ以外にも「核分裂反応」という意味を持ち、フェイゾンが放射性物質である事とかけている。
ついでに対義語は「Fusion(フュージョン)」である。…良いセンスだ。
ベビーメトロイド(Infant Tallon Metroid)
『メトロイドプライム2』にのみ登場。
スペースパイレーツの遺伝子操作により生み出されたターロンメトロイドの幼体。
青く丸みを帯びた半透明の身体、小さな牙状の触手、1つしかないメトロイドコア等、従来の幼生メトロイドとはかなり異なった姿をしている。勿論、あのベビーメトロイドとも別物だ。
またエネルギー吸収能力が未成熟であるため、攻撃方法は体当たりしか持たない。
携帯可能なエネルギー資源として利用すべく意図的に生み出された品種であり、エネルギー貯蔵量は成体のターロンメトロイドと比べると少ないが、小さく軽いため管理し易い利点がある。
作中におけるスペースパイレーツの記録から推測するに、おそらくはメトロイドエネルギー確保のため、大量繁殖させる計画が持ち上がった際に、保管スペースの節約と、成体よりも制御し易いという目的から生み出されたものと思われる。
しかしフェイゾンと接触すると一気にターロンメトロイドへと急成長する性質を持ち、また周囲にフェイゾンや外敵の存在を感知すると巣から群れで飛び出して狩りを行う等、あくまでメトロイドであるという事を忘れてはならない。小さくてもメトロイドはメトロイド(凶暴)なのだ。
耐久力は「パワービーム」数発程度では倒せない位には高く、また唯一の攻撃手段である体当たりの威力やその速度も、成体であるターロンメトロイドの突進攻撃と殆ど変わらなかったりする。
出現場所は【砂と荒廃の地アーゴン】の「メトロイド管理センター」。
【水底に眠る神殿トーバス】を攻略する頃、再びこのアーゴンの基地を訪れると、何故かそこにはターロンメトロイドの姿は一切なく、代わりにその周囲にはこれまで見られなかったフェイゾンの他、何やら見慣れない物体が天井や連絡通路の裏側から垂れ下がっているのが分かるだろう。
これが後述するベビーメトロイドの巣「メトロイドコクーン」であり、サムスが接近すると群れを成して襲い掛かってくる。
ワスプハイブと同様、このメトロイドコクーンを破壊しない限りは一定時間毎に何度でも出現するため、先に遠くからミサイル等で破壊しておくと良い。
フェイゾンメトロイド種
『メトロイドプライム3』に登場するターロンメトロイドの新たな派生種。
ターロンメトロイド種は突進からのエネルギー吸収以外に攻撃能力を持たず、またその動きも慣れてしまえば単純で対処がし易い相手だった。
しかし汚染の影響を更に色濃く受けた本作では、よりフェイゾン生命体らしい変異を遂げており、一筋縄ではいかない強敵と化している。
またフェイゾンの原産地である【惑星フェイザ】では、スペースパイレーツによって持ち込まれたと思われるフェイゾンメトロイド達が、最早フェイザの原生生物よろしくすっかり馴染んだ生態系を確立しており、そのため本作ではログブックのバイオロジーにおいてもフェイゾンメトロイド種は全てフェイゾン系に分類されている。
フェイゾンメトロイド(Phazon Metroid)
『メトロイドプライム3』にのみ登場。
重度のフェイゾン汚染により更なる突然変異を起こしたターロンメトロイドの変異種。
後背部まで大きく突き出た甲殻により2つに分かれた身体を持ち、見た目は脳の様になっている。
またターロンメトロイド以上に鋭利に伸びた2対の牙は、より獲物をがっしりと掴める形状に変貌しており、その凶悪さに磨きがかかっている。
ただし冷気エネルギーに対する耐性は低いままであるため、従来の凍結させてからの粉砕コンボは相変わらず有効…なのだが、本作ではその正攻法も一筋縄ではいかなくなってしまった。
攻撃方法はお馴染みのエネルギー吸収攻撃の他に、新たに体内で生成したフェイゾンエネルギーを利用した放電能力と小規模な次元転移能力を獲得している。
遠距離攻撃が追加された点についても確かに厄介なのだが、特に問題なのは、この次元転移能力を応用した空間移動(テレポート)能力と物質透過能力を持つ事だろう。
本作では「アイスビーム」は登場せず、その代わりに凍結効果が付与された「アイスミサイル」が登場するのだが、このフェイゾンメトロイドは前作『メトロイドプライム2』に登場した「ハンターイング」が如く圧倒的な反応速度でコチラの攻撃をすり抜けて回避してしまうのだ。
特にミサイル攻撃に対しては、フェイゾンメトロイドが他の攻撃動作中であっても機敏に反応してしまう上に、そもそも壁や天井をすり抜けてそのまま留まられてしまうと、コチラから攻撃する事さえできないまま、永遠と放電攻撃を受け続ける羽目になってしまう。
一応、突進の速度は過去作よりも低下しており、またエネルギー吸収能力の継続ダメージ量も僅かに弱体化しているため、突進を誘って「アイスミサイル」を撃ち込む事も出来なくはないが…
それも単体で相手をする事ができればの話。大体は複数体で同時に襲い掛かってくるため、悠長にミサイルを撃ち込むタイミングを待っている時間はないだろう。
基本的には態々戦うよりも、無視して他のフロアまで逃げた方が被害が少なくて済む場合が多い。
…たまにゲートのロード時間が長すぎて、追撃を受ける事も多いのは内緒だ。
それでも戦闘を回避できない場合は、迷わずに「ハイパーモード」を使用しよう。
フェイゾンメトロイドは単発のビーム攻撃に対しては回避する頻度が下がるため、単純に「ハイパービーム」を連射すれば簡単に倒す事ができる。撃破後は直ぐにモードを解除すれば、結果的には体力の消耗を抑えられるはずだ。
勿論、残りの体力にまだ余裕があり、尚且つその腕前に自信があるのなら「コラプションモード」に移行させて戦うのも断然良し。コチラが殺られる前に最大効率で一気に殲滅してしまおう。
…実は【惑星ウルトラガス】を攻略すれば、もう1つの対処方法も解禁される。
その方法はとっても単純。ただ「Xレイバイザー」に切り替えて、フェイゾンメトロイドをロックオン、そして「ノバビーム」を発射するだけ。
結果、急所であるメトロイドコアを直接攻撃されたフェイゾンメトロイドは即死する。
「Xレイバイザー」でフェイゾンメトロイドの皮膜を透視して内部の急所を直接ロックオン、一部のフェイゾン素材を貫通する特性を持つ「ノバビーム」で狙う撃つ、という訳だ。
この組み合わせは【惑星ウルトラガス】攻略中にも何度か謎解きで必須となるのだが、実は一部のフェイゾン生命体にも攻撃手段として利用できるのだ。
そもそも【惑星ウルトラガス】のシードボスであるオメガリドリーも、まずこの方法に気付かないと倒せない仕組みになっているので、気付きさえすれば今後の戦闘が一段と楽になる事だろう。
初対面となる【惑星エリシア】の「生物研究所」は本作のトラウマスポットの1つであり、施設に入ろうとゲートを開いた瞬間、ミイラ化したスペースパイレーツの死体が崩れ落ちながらお出迎えしてくれる。…この時点で既に嫌な予感しかしない。
更に進めば案の定、聞き慣れた鳴き声でしかし変わり果てた姿に変貌したフェイゾンメトロイドが保管ケージに監禁されている光景を目にする事ができるだろう。
しかもこのフロアでは保管ケージの中に収められた「シーカーミサイル」を入手するために、嫌でも自分から電源を落とし、保管ケージのエネルギーシールドの供給を絶つ羽目になる。
当然、そうなれば他の保管ケージも同様に…正に「行きはよいよい 帰りはこわい」である。
こうして自分で自分を苦しめながらも、解き放たれた恐怖の施設をやっと脱出できたのも束の間、そのまま「スカイタウン」の外までフェイゾンメトロイドがテレポートして来るという追い討ちが待っている。…正直、もう勘弁してください。
その後は【惑星ウルトラガス】の「メトロイド研究所」にて強制イベント戦闘となり、また第2のトラウマスポットたる【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】では宇宙空間を平然と飛び回り、いきなり壁や天井からホラーチックに出現する等、要所要所で心臓に悪い程の強烈な印象を残す事になる。
また【惑星フェイザ】では時間制限付きの戦いになるとは言え、コチラが常時「ハイパーモード」となっているため、倒すだけならば全く問題はない。
しかし最深部である「リバイアサンジェネシス」では、耐久力がかなり高く、倒すにも一工夫必要となる難敵ベビーリバイアサンを倒さない限り、倒しても倒しても最大2体まで無限湧きしてくるため、最後まで気の抜けない戦いとなるだろう。
ミニロイド(Miniroid)
『メトロイドプライム3』にのみ登場。
各能力が未発達の状態で孵化してしまったフェイゾンメトロイドの幼体。
姿形や性質は前述したベビーメトロイドと殆ど同じであり、コチラの体色は青紫色となっている。
ただしミニロイドの場合は突然変異の影響でフェイゾンメトロイドの成長過程が変化した結果、自然発生した幼体であり、スペースパイレーツが遺伝子操作で意図的に生み出したベビーメトロイドとは発生の要因が異なっている。しかし両者の脅威度には雲泥の差があったりする。
出現場所は【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】と【惑星フェイザ】。
成体が持つ放電能力や次元転移能力は疎か、エネルギー吸収能力さえも全く発現していないため、戦闘能力は皆無に等しく、ベビーメトロイドの様な体当たり攻撃すらも行わない。
一応は個々の脆弱さを補うべく、大規模な群れで狩りを行うらしいのだが、実際は積極的に襲ってくる事はまずなく、なんとサムスが近づいても全く反応を示さない。
耐久力も「プラズマビーム」(時期的には「ノバビーム」)を連射すれば簡単に殲滅する事ができてしまうため、移動の邪魔にならない程度に蹴散らして、後は無視して進めば特に問題はない。
総括すると、接触しない限りは完全に無害な存在であり、フェイゾン変異型メトロイドは元より、メトロイドという種族全体の中でも珍しい最弱の存在と言っても過言ではないだろう。
…尤も、ミニロイド自体はプレイヤーに対して優しくても、その周囲には大体成長したフェイゾンメトロイドが同時に出現するため、結局は「可愛さ余って憎さ百倍」になるのがオチなのだが。
尚、海外版では発育不全を起こしたフェイゾンメトロイドの幼体という設定は同じなのだが、僅かに生き残った個体はフェイゾンを吸収して、一気に成体へと急成長する事が明言されている。
しかし出現場所の一つである【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】の「修理庫」フロアには、フェイゾンが存在しないため、実際にフェイゾンメトロイドへと成長する光景を目にする事はできない。
また【惑星フェイザ】には、ミニロイドが保護されている卵らしき物体も存在しており、スペースパイレーツのログデータによれば、この卵をフェイゾンに浸す事で一気にフェイゾンメトロイドとして孵化させる実験記録が残されているのだが、やはり作中ではそのような状況になる事はない。
フェイゾンホッパー(Phazon Hopper)
『メトロイドプライム3』にのみ登場。
フェイゾンメトロイドが更に突然変異を起こし、誕生した甲殻節足生物。イラスト左の個体。
従来の飛行能力と次元転移能力を失った代わりに、刺々しい黒紫色フェイザイト結晶の外殻と鋭い爪を持った強靭な四肢を新たに獲得している。
また突然変異の影響で攻撃耐性が大幅に上昇した結果、冷気エネルギーに対する一定の耐性も獲得しており、「アイスミサイル」では凍結しない。
近距離では堅く鋭い棘の外殻を利用した体当たりを、遠距離では口から液状フェイゾンを吐き出して攻撃する他、たまに「ハイパーモード」を使用してくる事もある。
出現場所は【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】と【惑星フェイザ】。
何れも終盤のエリアであり、特に前者のエリアは【惑星エリシア】の「生物研究所」フロアに次ぐ第2のトラウマスポットであり、出会って早々にビックリさせられた挙句、「ハイパーモード」による圧倒的な攻撃力と耐久力で攻めてくるため、色んな意味で心臓に悪い難敵と言えるだろう。
兎に角倒し辛い相手であるため、基本的にはコチラも迷わず「ハイパーモード」で応戦したい。
勿論、無視して通過できるフロアであれば、そのまま通り過ぎるのが一番安全だろう。
また【惑星フェイザ】の「メトロイドケイブ」にはコイツの巣であるホッパーハイブが大量にぶら下がっているのだが、(かなり慣れたプレイヤーでもなければ難しいが)実はフェイゾンホッパーが地面に着地する前に攻撃を当てる事ができれば、なんと一撃で倒す事ができたりする。
尚、海外版では【惑星ブリオ】に生息する「ブリオホッパー」のフェイゾン変異種とされており、メトロイド扱いされていない。
確かにガンマメトロイドっぽくはあるものの、初見でコイツをメトロイドだと見抜いたプレイヤーはかなり少ないと思われるため、この設定に関しては日本版よりも納得がいくかもしれない。
しかしその場合、惑星ブリオ固有のホッパー種から突然変異したにもかかわらず、何故元の惑星には一切出現しない上に、全く関係ない場所にのみ出現するのかという新たな疑問が発生する訳だが…
メトロイドホッパー(Hopping Metroid)
『メトロイドプライム3』にのみ登場。
フェイゾンホッパー種の独自繁殖により誕生した幼生体。イラスト右の個体。
攻撃方法は成体であるフェイゾンホッパーと同じだが、外殻の青色フェイザイト結晶がまだ未発達であるため、耐久力や耐冷性は低く「アイスミサイル」数発で凍結させる事ができる。
しかし成体と同様、「ハイパーモード」を使用してくる事もあるため、油断は禁物だろう。
出現場所は【惑星ノリオン】と【惑星フェイザ】。
特に【惑星ノリオン】の「サブドックB」では所謂イベント戦闘となり、大群で襲い掛かってくるため、コチラも「ハイパーモード」で一気に殲滅しよう。
また戦闘フロアが屋外であるため、使用できる事を忘れがちな「シップミサイル」の数少ない出番でもある。…命中率が悪い上に、「ハイパーモード」で一掃した方が早いとか言わない様に。
ただしこの戦闘中にうっかりスキャンするのを忘れてしまうと、次にスキャンできる機会は終盤、【惑星フェイザ】攻略中(時間制限付き)になってしまうため注意しておきたい。
上述した通り、フェイゾンホッパーは日本版と海外版とで設定がかなり異なっているのだが、このメトロイドホッパーに関しては(英名を見れば一目瞭然だが)フェイゾンメトロイドの突然変異種である事に間違いはない。
しかし独自に繁殖した幼生体という設定も存在しないため、海外版に限ればこの形態が(おそらく)成体扱いであり、両者の外見と性質が酷似している点についても収斂進化だと考えられている。
メトロイドハッチャー(Metroid Hatcher)
『メトロイドプライム3』にのみ登場。
フェイゾンメトロイドが更に突然変異を重ね、誕生した本作のボスキャラクターの1体。
フェイゾンホッパー種とは異なる変異を遂げた結果、従来の飛行能力は健在でありながら、新たにフェイザイト質の甲殻と4本の触手を獲得している。
この触手は獲物に突き刺して遠距離から生命エネルギーを吸収するだけでなく、回転しながら突進する事で広範囲を薙ぎ払う様に振るってくる事もある。
更に周囲のフェイゾンを吸引する事でフェイゾンメトロイドを生み出す能力を持ち(おそらく体内に前述したミニロイドを複数体格納しているのだと思われる)、見た目こそハンターメトロイドの流れを受け継ぎつつも、それをより厄介な性質へと強化したボスキャラクターと言える。
攻略方法だが、本作のボスキャラクター達の例に漏れず、面倒な工程を踏まなければならない。
まずは触手の先端にあるフェイザイト結晶を攻撃して全ての触手を引っ込ませよう。
触手は一定のダメージを受けると回復のために一時的に引っ込めるのだが、また一定時間後に復活してしまうため、満遍なくダメージを与える事で効率よく触手を全滅させたい。
触手を全て引っ込めると形態が変化。周囲のフェイゾンを取り込もうと吸引を始めるのだが、この吸引中の口腔内にまた一定のダメージを与える事で無防備な状態にする事ができる。
この時、全身が弛緩した事で引っ込んでいた触手の接合部分が緩み、物理的なパワーで排除する事が可能となる。そう、「グラップリングビーム」の出番だ。
この触手は心臓部であるメトロイドコアと直結している大事な感覚器でもあるため、触手を引っこ抜く事でようやく本体にダメージが入る仕組みとなっているのだ。
…言い換えれば、この一連の流れを4回繰り返さないと倒せない。本体も触手もロックオンできるとは言え、非常にフラフラとよ~く動く上に、避け難い攻撃と狭い地形の中で戦う事になるため、かなりの長期戦を覚悟しなければならない。
特に触手や口腔内へのダメージが足りないと、何度も何度もやり直しになってしまうため、いっその事「ハイパーモード」を使用して多少強引にでも攻めた方が楽かもしれない。
出現場所は【惑星ノリオン】【惑星ウルトラガス】【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】。
こんな厄介な難敵を3回も相手にしなければならないだから、戦う前から気が滅入る事だろう。
全くアイテム回収などの寄り道を行わずにストーリーを進めた場合は【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】の「オーロラユニット管理ルーム」にて最初の戦闘となるはず。
もし最速で戦いたい場合は【惑星エリシア】で「プラズマビーム」を入手後、【惑星ノリオン】の「ジェネレータB(メトロイドホッパー部屋の先)」に向かうと良い。事前にスターシップが呼び出し可能になっているため、先に回復を済ませておきたい。
【惑星ウルトラガス】では「ハッチャー保管庫」というそのものズバリのフロアで戦う事になる。
尚、必ず戦う事になるのは【銀河連邦戦艦ヴァルハラ】の個体だけであるため、残りの個体に挑むタイミングはプレイヤー側が任意で決める事ができる。
…と、ここまでが上記の正攻法で戦った場合の話である。
上述したフェイゾンメトロイドの項目で紹介した必勝法を思い出して貰いたい。
一部のフェイゾン物質を透視する事ができる「Xレイバイザー」と、一部のフェイゾン物質を貫通する事ができる「ノバビーム」。そしてこのメトロイドハッチャーはフェイザイトと同質の甲殻を持ったフェイゾンメトロイドの変異種である。…勘の良いプレイヤーならもうお分かりだろう。
つまり、このメトロイドハッチャーもまた一撃で即死させる事ができるのだ。
まさかボスキャラクターにまで一撃必殺が適用されるとは夢にも思わないかもしれないが、よ~く考えればメトロイドコアが透けて見えている上に、言ってしまえば大型のフェイゾンメトロイドの親玉を相手にしているのだから、寧ろ通用しない方がおかしいと言える。
これに気付いてしまえば、全てのメトロイドハッチャー戦は完全に出オチとなり、最早消化試合でしかない。
しかもこの方法は【惑星ウルトラガス】で一切の寄り道をせず、この2つの能力を入手した時点で使用可能となるため、やろうと思えば全てのメトロイドハッチャーをこの方法で倒す事もできる。
尚、出現場所や倒し方にかかわらず、撃破時のモーションは全く変わらないため、どの個体も触手は全て引っこ抜かれた状態で爆散する(あれ?)。
その他のメトロイド
ターロンメトロイド 赤化個体(Tallon Metroid)
『メトロイドプライム2』にのみ登場。
【惑星エーテル】に持ち込まれたターロンメトロイドが、赤色に変色した個体。亜種ではない。
体色が異なる点を除けば、その姿形や性質は惑星ターロンⅣのターロンメトロイドと全く同じ。
何故このような個体差が惑星ターロンⅣと惑星エーテルとで生じてしまったのかと言うと…当時のスペースパイレーツのメトロイド管理体制が歴代最悪の極みにあったためである。
惑星ターロンⅣにおけるメトロイドの飼育状況は、豊富な資源や過去の研究記録に基づく徹底的な管理体制が敷かれており、具体的には…
- 「合成栄養物質などの人工食糧には反応しないため、バイオエネルギーを与える事」
- 「メトロイドを保管する際は、低温の抑制装置で摂氏10以下まで温度を下げる事」
- 「メトロイドに許可なく餌を与えない事」
- 「メトロイドを興奮状態にさせない事」
等々、メトロイドを安全かつ効率よく運用するためにしっかりとした対策が行われており、問題は殆どなかったのである。では…もし管理を怠った(或いは行えなかった)場合はどうなるのか?
それはメトロイドシリーズの経験者でないとしても、火を見るより明らかだろう。
惑星エーテルでは様々な問題点から、【砂と荒廃の地アーゴン】以外の地域には拠点となる基地を展開できなかった所か、そのアーゴンの基地もルミナスの古代遺跡を再利用しただけで拡張工事も進まず、その結果メトロイドの研究どころか管理さえもままならない状態になっていた。
そんなボロボロな状況下でも、何とか彼らはメトロイドを管理しようとしたのだが…
- 「不適切な食物しか与えられないため、メトロイドが食中毒を発症」
- 「抑制装置に生命エネルギーを吸収されているため、常に飢餓状態」
- 「保管スペースが狭すぎる上に、複数の個体を同時に監禁している」
- 「たまに射撃訓練の標的や無謀にもペットとして扱われる事もある」
等々、メトロイド以前に他の生物であったとしても、多大なストレスしか感じない劣悪な環境下に苛まれ続けた結果、メトロイドが極度の興奮状態に陥ってしまったのだ。
つまり本作のターロンメトロイドが赤い理由は「怒髪天を衝く」が如く、激昂しているから。
元々凶暴だったメトロイドがターロンメトロイドに変異して更に凶暴化し、更にそこから怒り度MAXになったと考えれば、これほど恐ろしい存在はないだろう。
しかし上述した通り、その性質は通常個体と全く変わっていないため、「パワービーム」だけでも問題なく戦えるし、「ダークビーム」入手後ならチャージ攻撃の「エンタングラー」で麻痺させてしまえば、後はミサイル1発で倒す事ができる。…怒りで強くならなくて本当によかった。
出現場所は【砂と荒廃の地アーゴン】の「メトロイド管理センター」。
またストーリーの中盤以降は「ラックステーション」にも脱走したと思われる個体が出現する。
尚、管理センターの上層部にある飼育ケージの中では、瀕死のスペースパイレーツ兵士1名が3匹のターロンメロトイドに生殺しの状態で生命エネルギーを吸われている光景を見る事ができる。
これが餌やりの途中で襲われた事故なのか、または何らかの処罰の結果なのかは不明である。
メトロイドコクーン(Metroid Cocoon)
『メトロイドプライム2』にのみ登場。
スペースパイレーツがベビーメトロイドを扶養するために使用している有機体の保管庫。
元々は小動物運搬用に別途開発されていたものらしく、ベビーメトロイドを複数体収容できる他、内部はベビーメトロイドを数サイクルにも渡って扶養する事ができる作りになっている。
ただし戦闘用ではないため装甲などは全く施されておらず、「チャージビーム」やミサイル1発で簡単に破壊する事ができる(単発のビーム攻撃では破壊できない)。
出現時期はストーリーの中盤頃、【砂と荒廃の地アーゴン】の「メトロイド管理センター」を再び訪れると部屋の天井や連絡通路の裏側辺りから、コクーンがいくつか垂れ下がるようになる。
スプリンターコクーンやワスプハイブと同じく、先にコクーンを破壊すれば内部に収容されていたベビーメトロイド達も全て死亡してしまうため、無限湧きを阻止する事ができる。
尚、「メトロイドコクーンはスペースパイレーツの実験でターロンメトロイドが変態した蛹」と説明されているのだが、これは日本版の発売でようやく明かされた設定である。
先行販売された海外版ではあくまで「自然素材を利用した有機体で構成された繭の形をした保管用容器」であり、当時は全くメトロイド扱いされていなかった。
ダークメトロイド(Dark Tallon Metroid)
『メトロイドプライム2』にのみ登場。
ダークエネルギー生命体「イング」にスナッチ(融合)されたターロンメトロイド。
ダーククリーチャー化した事でイング特有の毒々しい黒紫色の皮膜に覆われており、身体の側面には目玉と思われる赤い器官が形成されている他、牙の本数も3対(計6本)に増加している。
攻撃方法こそターロンメトロイドと全く同じだが、ダークエネルギーに対する耐性を得た事で耐久力が大幅に上昇しており、また何より統率されたイングの精神と高い戦闘能力を持つメトロイドの身体という悪夢の組み合わせから、ターロンメトロイド以上の強敵として立ちふさがる事は想像に難くない…はずなのだが、実はイング側からすればあまり有効な戦力ではなかったりする。
何故なら、生命エネルギーを吸収するという元々メトロイドが持っていた強力な狩猟本能にイングの方が影響されてしまったから。つまり両者が真に融合(同調)してしまった訳なのだ。
本来、イングは融合した対象の精神を完全に支配して、その身体を自由に操る能力を持っており、その支配力はどれだけ強靭な意思を持った存在だろうと抗う事は不可能だと作中で明言されていたのだが、その唯一の例外がコレ。流石はシリーズの名を冠する最強の生命体と言った所か…
イング側からすれば「強そうな奴を乗っ取ろうとしたら、実は自分よりもヤバイ奴であったため、逆に取り込まれてそのまま利用されてしまう」という、まさかの肉体乗っ取り系の敗北パターンとなってしまい、改めてメトロイドの恐ろしさを思い知らされる事例(珍事)と言えるだろう。
尤も、元々ダークエネルギーから誕生した生命体であるイングが、あらゆるエネルギーを吸収する能力を持ったメトロイドに勝つ道理など最初からなかったのかもしれないが。
また耐久力こそ上昇しているものの、元々がライトエーテル側の生物であるため、ダークエネルギーの耐性が完全ではなく、「ダークビーム」のチャージ攻撃「エンタングラー」+ミサイル1発による一撃必殺コンボは相変わらず有効。更にダーククリーチャー化した事でライトエネルギーも弱点となってしまったため、実は「ライトビーム」のチャージ攻撃「ライトブラスト」をタイミング良く発射すれば、そのまま嵌め続ける事もできてしまう。
つまり攻撃方法と対処法はターロンメトロイドと全く同じであるにもかかわらず、弱点だけは増えてしまっているため、プレイヤーからは強化されたはずなのに全くその実感が湧かない事に…
元々メトロイドが殆ど関わらない同作ではあるが、ここまで不遇な扱いのメトロイドも早々いないだろう。メトロイド涙目である(スナッチしたイングの方がよっぽど涙目だろうが)。
ちなみにイングは自分の意思で融合状態を解除する事ができるのだが、ダークメトロイドの場合は完全に同調している関係上、おそらく解除する気にすらならず、事実上不可能だと思われる。
そんな状況を反映してか、出現場所は【闇のルミナセウス】【闇のアーゴン】【闇のホレイト】と全てダークエーテル側に限られている。ライトエーテル側には一切侵攻してこないのだ。
ただし【闇のルミナセウス】の「フェイゾングラウンド」では、フェイゾン採掘任務中に襲われたと思われるコマンドパイレーツの死体を咥えたまま浮遊しているダークメトロイドの姿を見る事ができる。…持ち込んだ側とは言え、これには流石のスペースパイレーツもまた涙目に違いない。
ちなみに次回作『メトロイドプライム3』では【惑星ウルトラガス】の「メトロイド研究所」に、このダークメトロイドの標本が輪切りに解剖された状態で飾られている。
尚、海外版の没設定では、スペースパイレーツがダークメトロイドを人工的に再現しようとしたのだが、イングの存在(及びダークエネルギーの必要性)を知らなかったため、実現には至らなかった事がスキャンデータに書かれる予定だったらしく、実際の製品版では「夜行性で一瞬光に怯む傾向が強い」という簡素な内容に変更されている。
メトロイドプライム(Metroid Prime)
『メトロイドプライム』にのみ登場。
フェイゾンが生んだ究極の生命体にして同作のラスボス。詳細は該当記事を参照してください。
戦闘BGM
曲名は「VS.チョウゾゴースト」だが、作中ではチョウゾゴースト戦と共通となっている。
また『メトロイドプライム3』では「VS.フェイゾンメトロイド」に曲名が変更された。