概要
化石は主に南アフリカで見つかっているが、アジアからも確認されている。
属名は「二つの歯」を意味する。ディキノドン類の仲間だが、全長は45~60cm程と猫程の大きさしかなかった。また、ディキノドン類の中でも初期の種であり、後の時代に出現する近縁種とは異なり、ディキノドン類の特徴である1対の犬歯以外にもまだ歯があった。
現在のホリネズミやアナウサギのように地中に巣穴を掘って生活しており、アフリカでは最大1.5mにも達する螺旋状の巣穴の化石も発見されており、中から番とされる雌雄のペアや多数の幼体の化石も確認されている。ペルム紀後期は乾燥と温暖化が進行した過酷な時代だったので、こうして地下で暮らすことでやり過ごした結果、多くの生物種が絶滅したペルム紀末の大量絶滅を生き延びることが出来たと考えられている。とはいえ化石の産出上体を考えると、時には洪水などで溺死するケースも多かったらしい。
多くの近縁種と同様に植物食で、背の低い植物や、地面を掘って地下茎などを食べていたと思われる。また、雌雄のペアや多数の幼体化石が産出していることから、家族単位の群れをつくって暮らし、雌は原始的な母乳を汗のように分泌して幼体を育てていた可能性が示唆されている。