概要
1989年にリリースされた『ファイティングファンタジー(アーケード)』の続編にあたる。
しかし共通しているのは世界観と一部のキャラクターだけ。ゲームシステムは全く異なっており、「ファンタジー」と「プロレス」の組み合わせという珍妙な内容に変更されている。
プレイヤーは8体の中から1体を選び、対戦相手を倒して国王の座を目指す。
pixivでは紅一点のアマゾネスのシンディーの投稿が目立つ。
ストーリー
4年に1度行われる国王の座を賭けた戦いに挑む挑戦者たち。挑戦者たちは武器を持たず、己の肉体で勝ち抜いていかねばならない。
ゲームシステム
サイドビューだった前作とは異なり、クォータービューとなっている。
操作は8方向レバーで移動、攻撃はパンチなどの小攻撃ボタンとキックなどの大攻撃ボタンとなる。
対戦相手と接近すると組み合うことになり、そこからはレバーと攻撃ボタンの組み合わせとボタン連打でプロレス技をかけあうことになる。
相手の体力ゲージを0にするとプレイヤー側の勝利、プレイヤー側の体力ゲージが0になるか時間切れになるとプレイヤー側が敗北となりゲームオーバーとなる。
体力ゲージの他に「OKゲージ」というゲージがあり、相手の攻撃を喰らったり相手への技が成功するとゲージが増えていく。OKゲージが点灯すると必殺技が使えるようになる。
ボタン連打型のプロレスゲームなのだが、あくまでも生死を賭けたデスマッチでありフォールはない。
使用可能キャラクター
各キャラクターには身長、体重、年齢が設定され、個人名もある。しかしゲーム内ではだいたい種族名で表記されている。
- ファイター
「My Arena!」(この勝負もらった!)
「A pity you must die!」(悪いが死んでもらおう!)
名前はマイケル。年齢27歳。
前作の1Pに似てなくもないが、髪は短い。
攻撃力、防御力、スピードはいずれも平均的。
世界一の戦士を目指して諸国を旅している。
必殺技は「パワフル・バスター」。
しかし他に濃ゆいキャラクターが多いせいか影が薄い。
- アマゾネス
「I am faster!」(私についてこれるかしら?)
「You are no match!」(あんたなんか、めじゃないわ!)
名前はシンディー。年齢23歳。
スピードが高いが攻撃力に劣る。勝気できつい性格。
必殺技は上へ放り投げた敵の背中に乗り、敵の両腕をロックして地面に落とす「チキン・ロック・クラッシュ」。
今作では唯一の女性キャラ。ダメージを受けた時のボイスがエロいという評判がある。
- ヘラクレス
「Strong!」(ストロング!)
「You are a bug to me!」(キサマなんぞ虫けら同然よ!)
名前はポン。年齢34歳。
前作のラスボスと同一人物らしいのだが、前作のエンディングで死亡したはずが何事もなかったように引き続き登場している。・・・男塾でももう少し何か説明あるぞ。さらに種族がジャイアントからヘラクレスへと変更されて身長が3m20cmから193cmに縮んでいる。まさかこれもジャンプネタか?
蒙古覇極道・・・もといショルダータックルは健在。武器持ち込み不可のため独眼鉄の巨大ヨーヨーシールドは手放したが、代わりに必殺技は「抱え上げて上空へと放り投げた敵の両脚を掴み、膝で腕をロックしつつ、敵を脳天から地面に叩きつける」という「パワフルドライバー」。どう見ても某超人プロレス漫画の必殺技です。
前作から唯一の続投キャラだが、新たなジャンプネタを引っ提げており相変わらずのネタキャラ筆頭。もちろん外見は半裸の獄長。
- ワーウルフ
「Feel my fangs!」(俺の牙を味あわせてやる!)
「My teeth are hard!」(俺の牙でくたばれ!)
名前はボギー。年齢は84才。
二足歩行の狼だが、ブロンドの長髪を伸ばしている。
攻撃力が低いが、スピードが高い。爪による小攻撃が比較的強めでダッシュ攻撃も強い。反面、組み合いではやや不利。
必殺技は上へ投げた敵に飛びつき、回転しながら敵を頭部から地面に叩きつける「トルネード・クラッシュ」。
台詞ではやたら牙を強調するが、あんまり噛みつき攻撃しないので実は歯が弱いのかもしれない。
- ミノタウロス
「I am the victor now!」(オレが勝者だ!)
「Know the authority of my horns!」(オレの角の力、思い知らせてやる!)
名前はシャンカール。年齢は96歳。
闘牛に似た頭部を持つ半獣人。頭は弱いが、角を使うダッシュ攻撃や大攻撃の肘打ちが強い。
必殺技は上に投げた敵を、下から角で突きながら上昇、先に着地して待ち構えたところに敵が落ちてくる「ミキサー・ハリケーン」。あれ?これどっかで見たような。
- ゴーレム
「I am invincible!」(オレは無敵だ!)
「I will mash you!」(ひねりつぶしてくれるわ!)
名前ボドカ。年齢は219歳。
石の体に意思を宿したゴーレム族の戦士。
防御力と攻撃力はとても高い。反面、スピードや打撃技も出が遅いため動きの速い相手には苦戦する。
必殺技は抱えた相手ごとジャンプ、自分の体重を加えて相手を地面に叩きつける「スカイハイ・ボディプレス」。
- ビースト
「Brain to eat!」(脳みそ食わせろ!)
「Brain to eat!」(脳みそ食わせろ!)
名前はフレア。年齢は54歳。
角の生えた悪魔のような姿をしている。肌は鱗状。
脳みそが好物で、国王の脳みそを食ったら頭がよくなると思って大会に参加している。
攻撃力が高く、ダッシュ攻撃も強い。
必殺技は投げ上げた相手に飛び乗り、そのまま相手を背中から地面に叩きつける「ダイビング・フェイスクラッシュ」。あれ?フェイスって背中だっけ?
- ドラゴン
「You will be ashes now!」(灰にしてやる!)
「Feel the heat of my breath!」(オレのブレスで暖めてやるぜ!)
メイン画像の後ろ。
名前はジョセフ。年齢は482歳。
青い体色の「カンガルードラゴン」という種族。文字通り、カンガルーを思わせる姿をしており、翼が生えてない。
大攻撃のドラゴンブレスとダッシュ攻撃が優秀なため使い易い。
必殺技は敵を掴んで至近距離から浴びせるドラゴンブレス「セントブレス」。
ボスキャラクター
勝ち抜けていくと、下記のボスキャラクターたちと対戦。これらすべてに勝利する事でゲームクリアとなる。
- ヒドラ
「We are the a Hydra!」(オレたちゃ、ヒドラだ!)
「We are the a Hydra!」「Our power is very great!」
(オレたちゃ、ヒドラだ!オレたちゃ、とっても強ぇ~ぜ!)
名前はチャーリー。年齢は77歳。
五本首のヒドラ。長く巨大な身体をしており、尻尾で払ったり、首を叩き付けたりして攻撃してくる。一人称は「WE(オレたち)」
四本の首で相手の四肢を咥え込み、そのまま四方へと引っ張る必殺技を持つ。
ちなみにプレイヤーキャラがアマゾネスの場合、
チャーリーの必殺技は、一度はあえてかかる事がお約束らしい。
- ドッペルゲンガー
「You're doomed!」(貴様の運命の時がきた!)
名前は「ベホロイ」。年齢12歳。
自分と同じ姿に変身し、自分と同じ必殺技を使う。
時間経過と共に、暗かった色が自分と同じ明るさになり、どっちが自分か解りづらくなる。
- デーモン
「Let's taste your blood!」(貴様の血を味あわせてもらおう!)
名前は「パズズ」。年齢は5329歳。
三つの能力値全てが最大。自信の現れか、ファイティングポーズを取らず、余裕の腕組みで戦いに挑んでいる。
必殺技は、上に放り投げた相手に腕を組んで乗り、そのまま地面に叩きつけるというもの。
軸あわせして投げようとするアルゴリズムの為、ステージ脇にあるスパイクに誘導し、スパイクにヒットした後、また軸あわせしようとしてスパイクにヒットするという無限ループで倒すことが出来る。
- アークメイジ
「My magic is greater than your strength!」(我が魔力、おまえの力など比べ物にならぬわ!)
「Magic!」(マジック!)
名前は「クロノス」。年齢は98歳。
魔法を用いて戦う。離れていると、魔法による遠隔攻撃により一方的にやられるのみ。しかし接近するまでが難しく、動きの鈍いキャラクターだと接近に苦労する。加えて、接近しても魔法でテレポートしてしまうため、中々組付けない。
ただし、組んでしまうと案外弱い。
評価
ゲームシステムそのものは従来からあるプロレスゲームそのもの。打撃技で少しずつ削っていくか、組み合った時のレバガチャと連射に運を味方に付けるのが定石だった。しかし当時はストリートファイターIIのブームが到来し始めた時期であり、あまり遊ばれることなくひっそりと撤去されたことが多かった。
前作同様、ダーティなファンタジーの世界観やBGMは好評で、英語で収録された音声合成の出来も良かったことから一部に根強いファンを獲得している。まあいつものデコゲーです。
スーパーファミコンにも移植されたが、プレイヤーキャラクター3体(ゴーレム・ワーウルフ・ドラゴン)とボスキャラ2体が削除されている。
国内ではX68000版(SPS)とFM-TOWNS版(KID)も発売されたがこちらは特に削除された要素も無く、よりAC版準拠となっている。
関連項目
ファイティングファンタジー:前作に当たるが、ゲームとしては完全に別物。