CV:小林裕介
概要
寄宿学校編のキーパーソンで、ヴィクトリア女王の従兄弟にあたるクレメンス候爵家の嫡男。
ウェストン寄宿学校に在学し、「深紅の狐寮」の所属だったが、1年ほど前から学友4名共々帰省しなくなり、内情調査を命じられたシエルが捜索のため同校に生徒として潜入する事態になった。
シエルの調査によると、在学中に「紫黒の狼寮」に移りそこの自室に籠っているとのことだったが、セバスチャンによる炙り出しのため起こしたボヤで寮生たちが外に出てきた中にも存在を確認できなかった。
端正な顔立ちにクリケット・刺繍・レポート・作詩と何をやらせても完璧にこなす朗らかな好青年と言われていたが...。
真相
良いのは顔と家柄だけの悪童。本作において代表的な、作者公認のクズエリートである。
校則が厳しいウェストン校への愛着は微塵もなく、学内では点数稼ぎと憂さ晴らしを兼ねて陰で自分よりも立場の低い生徒をいじめ抜き、彼らの才能の成果物を取り上げ自分のものにしていた。
さらに、副校長のヨハン・アガレスにも賄賂を贈って癒着し、真相を知った当時のP4にも罰せられないよう根回しをするなど、後輩のモーリス・コール以上に卑劣であくどい手段を使い、自分自身では何の努力もせず監督生になろうとしていた。
エドガー・レドモンドの寮弟という立場を利用しいじめに関する調査自体も誤魔化していたが、詩の知識がなかったことが災いし、いじめ被害者によるP4宛ての密告文をスルーしてしまい悪事を暴かれるも、現場に現れたアガレスが軽めの処分を言い渡したことで厳罰を逃れる。
後ろ盾を得ているのをいいことに、「来年は俺が監督生かぁ」と去り際に嫌味を言ってP4を嘲笑したが、学校の伝統を踏みにじられた悲しみと怒りに我を忘れたハーマン・グリーンヒルの暴走により、クリケットのラケットで撲殺された。
遺体は同じく殺害されたアガレスや不良仲間と共に、レドモンドが伯父のドルイット子爵の伝手で頼った「暁学会」のリアン・ストーカーに預けられ、葬儀屋の手で「歪んだ肉人形(ビザール・ドール)」に改造された。
シエルがクリケット大会貢献により招待されたお茶会にて、生前そのままの姿まで修復された状態でお披露目されたものの、すぐに暴走を起こしグリーンヒルの腕に噛みついたため、セバスチャンにテーブルクロスで拘束された。
女王への報告後は皇室の縁者の醜聞ということで事件は揉み消され、遺体は再起動しないよう破壊したうえで秘密裏に埋葬、表向きには「ボート遊び中の事故死」として処理された。