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概要編集

基礎データ

海王星からの距離35万4759km
直径1352.5km
表面積2302万km²
質量2140京t
公転周期5.877日
自転周期5.877日
軌道傾斜角156.9°(海王星赤道に対して)
軌道離心率0.000016

海王星の第1衛星で、同惑星の衛星の中では最大。太陽系の衛星全体で見ても、ガリレオ衛星タイタンに次ぐ第7位の大きさであり、準惑星冥王星より大きい。


1846年10月10日、海王星の発見から17日後に発見された衛星である。

衛星の名はギリシャ神話ポセイドンの息子、トリトンに由来。ポセイドンはローマ神話ネプチューンに相当し、ネプチューンは海王星の名前であるためそれに関連付けられて名付けられた。

第2衛星ネレイドが発見されるまでは存在するであろう海王星の衛星全般を「トリトン」と呼称していた。

 

その構造は冥王星に近く、冥王星も属するカイパーベルト天体から捕捉されたという説が有力だが…


巨大な逆行衛星編集

トリトンの最大の特徴は惑星の自転と反対方向に公転する逆行衛星である点だろう。

逆行衛星自体は他にもあるが、トリトン以外の逆行衛星がいずれも軌道が歪で、ヒル球(惑星による引力の支配圏)の外縁に軌道を持ち、その物理的サイズもとても小さいという、いかにも元々小惑星でしたという雰囲気がするが、

球体を維持できるサイズかつ、並の軌道半径で逆行する衛星はトリトンが唯一である。


更に公転軌道は太陽系の星全体でもとりわけ真円に近いという特徴を持つ。数字にして0.000016と極めて小さく、これに匹敵するのは土星の第一衛星のパン(0.000014)くらいしかなく、太陽系惑星で最も小さい金星(0.0068)より2桁も小さい。

一応軌道離心率が小さいというのは主星から強い潮汐力を受ける衛星全般に共通する性質であるが、デカめかつ逆行する天体の軌道を真円に均すには海王星の潮汐力だけではとても無理があり、後述するかつて公転軌道に漂っていたガスの影響等も考察されている。

ちなみに自転軸が自身の公転軌道にほぼ垂直という特徴もあり、仮にカイパーベルト天体から捕捉されたなら軌道がもっと歪に、自転軸ももっとズレてもいいはずだが、自然に形成されたなら逆行すること自体がおかしいため、捕獲されたと仮定して様々な説が構築されている。


海王星がもたらす潮汐力によりトリトンの軌道は非常にゆっくりと縮小を続けており、遠い将来トリトンは海王星に衝突するか、砕けて輪を形成すると考えられている。

潮汐力が軌道を縮小させる方向に働くのは逆行軌道ゆえの現象である。

トリトンの捕獲と歴史考察編集

トリトンが海王星に捕獲された段階では海王星の周りにはほかの惑星(特に天王星)と同じような順行軌道の多数の衛星からなる衛星系あったと考えられている。これらは捕獲されたトリトンの重力散乱(重力により軌道を乱すこと)の結果海王星系の外に弾き出されたり海王星に衝突したりして消滅したと考えられている。この仮説は現在の海王星系の衛星の質量の99%以上がトリトンという一つの巨大衛星に集中しているという事実を説明できる。




巡行衛星を生み出したデブリ円盤は、最初は極端な楕円軌道だったトリトンの公転軌道を円軌道化する助けになったと考えられている。トリトンの現在の円軌道は海王星の潮汐力単独によるものとしては説明し難いためデブリ円盤と潮汐力の2つの作用経路で円軌道化効果が働いたという説が支持されている。デブリ円盤は海王星系の形成期にのみ存在したと考えられ、現在では散逸して存在しない


トリトンは海王星に接近した結果として海王星に捕獲されたが、単純に接近しただけでは海王星を素通りして軌道が変化するだけに終わり、捕獲されない可能性が高い。トリトン以前に海王星に衛星が存在していれば、その衛星と運動量の交換やデブリ円盤による減速によってトリトンが海王星に捕獲される可能性が何もない場合と比べて高くなる。



活発な地表編集

海王星に近いということもあり潮汐力の影響が大きく、周囲より高温になった窒素を吹き出す「氷の火山」もいくつか発見されており、生命の起源となる物質も発見されているという。

火山活動により地表が更新されるため、クレーターは少ない。


ただし、重力が弱いため大気は非常に薄い。


関連タグ編集

太陽系 海王星 衛星

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