ナタマメ
なたまめ
学名:Canavalia gladiata
原産:熱帯アジア、アフリカ
マメ科ナタマメ属蔓性一年草
熱帯アジアかアフリカが原産で、日本には江戸時代に渡来していて「本草図譜」「成形図説」(薩摩藩主の島津重豪による農業の教科書)にも記載され、特に鹿児島では栽培が盛んであった。
若い莢を漬物や炒めもので食べ、よく福神漬に入っている、両方に刃のある西洋剣の形をした食材の正体はこれである。
また、豆を薬用に用い、テレビショッピングなどでよく紹介されるなた豆茶が最もたる例である。
薬効としては、血行促進や免疫力の向上などのさまざまな効果があるほか、昔から排膿(膿を出す)の妙薬と言われており、腎臓に良く、蓄膿症、歯周病や歯槽膿漏の改善、痔ろうなどにも効果があると言われる。
こうした有用性の高い豆類でありながら、残念ながら毒性がある。ナタマメと一口に行ってもアカナタマメとシロナタマメがあり、いずれの種も若い莢は問題なく食用にすることができるのだが、アカナタマメの熟した種子(豆)にはタンパク質系のレクチンという毒素が濃く含まれているため、利用をさける。一昔前に話題になったメッセージ缶(缶に詰められた土に予めナタマメの種子が埋め込まれており、水をやると育って、子葉に何らかのメッセージが書かれているのを見ることができる)にもアカナタマメが使われており、一時期その種子を食用にしてしまう中毒事故があとを立たなかった。
一方、シロナタマメの熟した種子にも若干の毒性はあるが、しっかりと加熱することで、豆を食用にできたり、薬としても利用できる。こうした特性はダイズや完熟したインゲンマメにも当てはまるため、乾物の豆を食べるにはよく火熱する必要がある。
一説には、生育する様子から童話「ジャックと豆の木」のモデルになったとも言われる。