概要
北爪宏幸の漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場する女性将校。一年戦争終結後、敗残兵が集まるアクシズで活躍した。階級は中尉。19歳。
両親が幼い頃に亡くなり、義理の兄に育てられた。その兄が軍人であり、その部屋にあった写真に写る若手士官、シャア・アズナブルに憧れて軍に入る。
そしてアクシズに配属されてからは、同年代のハマーン・カーンに姉の様に接し、ハマーンは彼女の存在により安定した精神状態を保っていた。
ハマーンとは年齢がやや近いこともあり(ナタリーのほうが4歳上)公私にわたって姉の様に接し、ハマーンもナタリーを慕っている。またシャアとも仕事上親しく、ハマーンのことをしばしば相談される。
優秀なコンピューター技術者であり、連邦の捕虜によるハッキング事件が発生した際には、不在だった技術大尉の代わりに連邦のハッカーと熾烈な攻防を繰り広げており、のちに評価を受けた。
一方で自らの昇進を後押ししてくれたエンツォ大佐の命により、シャアをジオン残党による徹底抗戦派に変節させなければならない。だが、シャアにはその苦しみを見抜かれ、思わず秘めたる想いを告げると、シャアは受け入れた。
そして、二人は結ばれた・・・。
兄も亡くなり天涯孤独のナタリーの心に、温かい光が点る。熱いほどの温もりが包み込む。そうだ、これが生きること。
やがてナタリーはシャアの子を身籠った。そして夢を見た。シャアと式をあげるという、どこにでもある幸せな夢。小さな夢。生きる意味を見つけた。
そう、あの人のそばにいる。ただそれだけの、しかし大きな大きな意味を。
————しかし、夢は突然覚めた。
お腹の子をハマーンに言うべきか迷った。しかし意を決し、ついにシャアと結ばれたことを告げる。
それを聞き、ハマーンは憧れのシャアを取られたことで激怒した。ナタリーが可愛がったハマーンは、ナタリーのせいで、一気に二人の心の支えを失ったのだ。
立ち去るハマーンに哀しむナタリー。さらにその直後、無情に旧エンツォ派が有能な裏切り者の彼女の命を狙う。それに気がつくも嫉妬に狂ったハマーンは見殺しにした。
そして、そのままナタリーは子供を産み落とすことなく銃殺されてしまった…。
その後、ナタリーの殺害の知らせを聞いたシャアは彼女を黙殺したハマーンと完全に決別。アクシズから離れることとなった…。
余談
シャアの周りにはララァ・スンやナナイ・ミゲルなど様々な作品の中で多彩な女性が関わってくるが、ナタリーは唯一シャアの子供を妊娠した人物であり、シャアとハマーンの決別のきっかけともなった悲劇のヒロインでもある。