概要
鹿児島県の奄美大島瀬戸内町と海を挟んだ加計呂麻島に伝わる農耕神および牛神。
漢字では奈麻戸奴加奈之と書きナマトンカナシ・ナマトヌガナシとも呼ばれる。
姿は星のような模様の身体に足、尾、角が各8本ずつある大きな牛という異形で、2月の壬の日の「迎え祭り:オムケ」と4月の壬の日の「お送り祭り:オホリ」の、二回の「ネリヤ・カナヤの神の送迎祭」に現れる。
チャルメラの様な鳴き声をあげるといわれ、篝火の光の中を八本の脚で歩き回って田を耕すという。
島民たちはこの神を非常に畏怖しており、一部のノロの一族のみが対峙することを許されているというが、現れたときには地面に頭をつけて拝んでいるために、姿を見たものは皆無であるという。
なお、トカラ列島の悪石島には水田が無いためか、現れても特に益が無い牛ボゼという魔物が出るといわれている。