曖昧回避
概要
読んで字のごとく牛の神様。
牛は神もしくは使いとして古くから信仰されており、旧石器時代の遺跡であるラスコー洞窟やアルタミラ洞窟には、他の動物とともに牛の先祖であるオーロックス(原牛)の姿が神々しくも描かれている。
オーロックスは紀元前8000年頃に家畜化されて牛になり、肉や乳が食料とされるだけではなく、犂の発明によりその力は農耕にとって重要な存在となった。
ゆえに多神教の農耕神や水神、また角の形から月神ともされ、牛の特徴を持つ主神や女神が各地で崇拝された。
さらに、特別な供物として神に捧げることも、古代社会では広く行われていた。
しかし、それらの牛の神々は別な神を信仰する民族によって征服された場合に、邪神や怪物にされてしまうことも多い。
ギリシャ神話に登場するミノタウロスは、クレタ島での牛神信仰が起源であるといわれ、中国神話の武神蚩尤や雷神夔は、もともとは龍神であったが、奉じていた民族が失権したために、皇帝の象徴である龍を名乗ることが許されず牛神とされたとの説もある。
旧約聖書ではモーセが十戒の石版を得るのを待つことができなかった民が、金の子牛像を造って祀っていたので罰せられたというエピソードがあり、憎むべき異教神としてモロクという邪神が伝わり、牛頭の悪魔であるとされる。
ヒンドゥー教においては牛は神聖視されるため、肉を食べることを禁じられ、いじめたり傷をつけたものも罰せられるが、似た動物である水牛は反対に神敵アスラなどの化身であるとされている。
日本では、日本神話の須佐之男が牛頭天王と同一視され、さらに菅原道真が牛に乗ることから、雷神や疫病神などの祟り神とされることもあった。
奇しくも牛飼いは、牛の病気・牛痘との接触で天然痘の症状が軽いことから、疫病除けの神であるともされる。
関連タグ
イーオー アステリオス/ミノタウルス エフェソスのアルテミス
須佐之男 牛頭天王 菅原道真 牛鬼 件 赤べこ ナマトヌカナシ
ホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマン エンカイ(天空神)