◆忍◆ ニンジャ名鑑#99 【ナラク・ニンジャ】 ◆殺◆
ニンジャスレイヤー=フジキドに宿る謎のニンジャソウル。
この世の全ニンジャを殺す事が目的らしい。
ニンジャソウル状態でなお自我を保つ存在はわずか数例、神話級ニンジャに限られるが、ドラゴン=センセイにもその正体はつかめなかった。
「オヌシは儂だ。ニンジャを殺すニンジャだ。望みを果たせフジキド」
CV:麦人(オーディオドラマ、アニメイシヨン)
人物
マルノウチ抗争の際にフジキド・ケンジに憑依しニンジャスレイヤーを生んだ、謎多きニンジャソウル。
老人のような口調で喋り、全ニンジャの抹殺をもくろむ恐るべき存在。
全ニンジャを殺害するためならば手段を選ばず、一般人への被害や、ニンジャでありながら正しく生きている者への対処などでフジキドと度々衝突する。
一方で悪のニンジャを殺害する場合については利害は一致しており、ニンジャに関する豊富な知識を有しているため、フジキドのアドバイザーとしても活躍している(通称ナラクペディア)。
このため、初見殺し系のジツを持つニンジャにとってナラクとフジキドのコンビはこの上ない脅威となる。
しかしたいてい言うのが遅かったり、アドバイスが大雑把だったりで微妙に役に立たない。また、基本的に自分以外のニンジャ全てを格下扱いしており、アーチニンジャのソウルを宿した強敵だろうと自分が出れば瞬殺できると豪語しているが、ソウルの格だけで相手を評価しがちなため、憑依者自身が強い場合はその知識が役に立たないこともある。
とはいえ、肉体を完全に乗っ取った時のワザマエは自分以外を格下扱いするだけあって凄まじく、かのラオモト・カンすら全力を出せないにもかかわらずカラテで一方的に押していた。
当初は隙あらばフジキドの肉体を乗っ取ろうとしていたが、フジキドと共に様々な戦いをくぐり抜けてきたことで半ば和解しつつある。
しかし時折、フジキドの精神に干渉して殺戮への誘惑をかける事もある。
名鑑にある通り、一部の神話級ニンジャのソウルを除き、ふつう憑依したニンジャソウルはその自我を喪失して憑依者に能力を残すのみだが、ナラクは例外的にその自我を極めて明瞭に宿し続けている。
しかし古事記等にも彼の記述はなく、その正体は謎に包まれている。
彼の詳細が明らかになるのは第二部中盤以降だが、現在もすべての謎が明かされたわけではない。
最近萌えキャラ化が進んでいる気がする。でもたまに本気出すとコワイ。
容姿
ウキヨエ(ファンアート)では『ニンジャスレイヤーと同じ容姿だが両目がセンコめいて細い』という、フジキドが肉体をナラクに乗っ取られた状態をイメージした姿で描かれることが多い。一方、劇中自らの精神世界(ローカル・コトダマ空間)でフジキドと対峙したナラクは老人の姿をしていた。
無印コミカライズではニンジャスレイヤーに似た禍々しい煙のような姿、グラマラス・キラーズでは長髪を持つ全裸の青年、殺(キルズ)ではニンジャスレイヤーの顔面にも見える巨大な炎、又は巨大な口と一つ目の顔面として描かれている。
アニメイシヨンでは、黒い炎を纏う骸骨のような姿で描かれる。他のニンジャソウルも同様だが紙にマジックペンで書き殴ったような、他のキャラクターとは明らかに異なる画風が特徴。
ナラクが身体の主導権を握っているときのニンジャスレイヤーは右半身が紫色に変わり、メンポの模様も変化する。
最終話でフジキドの体を完全に乗っ取った際は銀色の筋肉隆々の身体に「殺」の字めいた赤く光る模様が浮き上がり、剥き出しの牙や黒炎も相まって非常に禍々しい姿をしていた。
この時完全に力を発揮できていない(できるわけがないが)ためか、ラオモトがちゃんとアニメめいた動きをしているのと対照的に一枚絵の使いまわしで画面を動き回っていた。
以下ネタバレ含みます
正体
その正体は平安時代に邪悪なニンジャによって理不尽な死を強いられ、ニンジャ及び世界に対する憎悪と憤怒を抱えて死んでいった一人の老人、そして原初のニンジャであるカツ・ワンソーに対する怨嗟をつぶやく謎のニンジャの干し首を中心に、古代から現在まで世界中でニンジャの犠牲になった人々の怨念が集まって形成された集合意識。この中にはマルノウチ抗争で死亡したフジキドの妻子も含まれている。
その出自から、ニンジャという存在に対して並々ならぬ憎悪を抱き、その殲滅を存在理由としているが、それでもニンジャソウルであることには変わりはなく、ニンジャをスレイする際に非ニンジャが犠牲になることになっても一切の躊躇を抱かない。
古代から生きるリアルニンジャであるフィルギアによればナラクニンジャとはオリジナル・ニンジャスレイヤーそのものであり、それ以降もニンジャを憎む者の肉体を乗っ取って歴史の要所要所で災害めいて「ニンジャスレイヤー」として顕現、殺戮の嵐を吹かせていたことが語られている。
そしてフジキドは垣間覗いたナラクの記憶の中で、ナラクの依代としてニンジャスレイヤーと化した者の多くがナラクのソウルの重圧や殺人と殺忍の罪悪感、肉体への負荷に耐え切れず悲惨な死を迎えている様を目撃しているが、フィルギア曰く、ナラクの暴虐を押さえ込んで半ば制御・融和しているフジキドは非常に珍しい存在であるらしい。
- 初代ニンジャスレイヤー
ニンジャたちの長い歴史の中で、初めて出現した最初のニンジャスレイヤー。
素体となったのは平安時代の寒村に住んでいた老人イチロー。
イチローは故郷の村がダイカンの悪政で苦しめられていたことを憂い、ダイカンの上司にあたるグレーター・ダイカンのワンバ・ニンジャへと直訴すべく、最終的には処刑される運命にあると知りながらヒキャク役を引き受け、見事その役目を全うした。
しかし、イチローの命を賭した直訴も空しくワンバ・ニンジャはダイカンを罰することはなく、イチローは故郷の村人たちが見守る中、磔にされ火刑にて無惨な最期を遂げてしまった。
この余りに理不尽な仕打ちと結果に、不甲斐ない己を含む全てのニンジャと世界への、悍ましくも凄まじい憤怒と憎悪を抱いたイチローの呪いはその死後も消えることはなく、イチローは虚無の闇の中で、「ナラク」と名乗る謎のニンジャの干し首と出会う。
そのニンジャは神話時代にカツ・ワンソーに敗れ干乾びた生首が古戦場に放置されていた古のニンジャで、カツ・ワンソーに並々ならぬ憎悪を抱いていた。
イチローの処刑の際に、気が触れた一人の村人がニンジャソウルの残滓が残っていた生首を拾って処刑場に持ち込んでいたことで、イチローの魂と邂逅を果たしたのである。
そして、ナラクのニンジャソウルをその憎悪ごと吸収したイチローに呼応するように、赤黒い奔流がその身を包み込み、既に炭化していた亡骸はニンジャとして復活した。
それこそが、史上初の初代「ニンジャスレイヤー」である。
初代ニンジャスレイヤーはその場に居合わせた村人やダイカン、ダイカン護衛のサムライなど目についた生者を皆殺しにすると、最後に最も恨み深きワンバ・ニンジャをアイサツ後間髪入れずに行動不能に陥れ、徹底的に甚振ってから殺害した。
当代ニンジャスレイヤーにも受け継がれている「忍殺」の文字や赤黒いニンジャ装束、メンボなどの基本スタイルは、既にこの頃から健在だったようである。
その後も多くのニンジャやその関係者を数多殺して回るなど、平安時代のニンジャ社会を恐怖のどん底に叩き落とす災厄レベルの脅威となった。
そこで初代ニンジャスレイヤー討伐のために、カツ・ワンソーの使徒の一角であるシ・ニンジャや最強の槍使いとして恐れられたニンジャ六騎士の一角であるヤマト・ニンジャを筆頭に、シ・ニンジャの配下を主力とする精鋭部隊が差し向けられた。
初代ニンジャスレイヤーは、この恐るべき軍団相手のイクサに一歩も退かず激闘を繰り広げ、多くのニンジャを葬り去ったが、多勢に無勢で最終的には討ち取られてしまった。
最期はシ・ニンジャとヤマト・ニンジャに動きを封じられ、全方位から多数のニンジャに総攻撃を受けて死亡したが、死ぬ寸前まで壮絶な抵抗を続けていたという。
しかし、上述の通り初代ニンジャスレイヤーの死後も、ナラク・ニンジャはソウルとなってニンジャに恨み持つ者に憑依しては新たなニンジャスレイヤーを生み出し、果てることなきニンジャへの憤怒と憎悪に任せて殺戮の歴史を繰り返している。
現在までに初代、フジキド、マスラダを除くと9人ほどの存在が語られており(同一人物説のある者もいる)、時代がある程度わかるものではアメリカの南北戦争中、ベトナム戦争以降の冷戦期、1989年のベルリンに『ニンジャスレイヤー』が現れていたことが公式から明かされている。