概要
ナーラオ&ヨースルとは、映画クレヨンしんちゃんの第19作目黄金のスパイ大作戦に出てくるゲストキャラクターにして、本作における黒幕。
スカシペスタン共和国の共同統治者であり、事実上の独裁者。称号は、ナーラオが最高元帥で、ヨースルが最高総統。ヘガデル博士が開発した「メガヘガデルⅡ」を奪い、世界を征服することが目的である。
人物
スカシぺスタン共和国の共同統治者であり、年齢不詳。しんのすけがおばさんと称していることからも、それなりに年齢を重ねているはずであるが、かなりの巨乳で優れた体型を持つその美貌から、年齢を推し量ることはできない。
また、その関係性も不明。ただ、殆ど絶対的ともいえる信頼をお互いに対して抱いており、活動する時は二人一緒に行動しているほか、後述の過去の話を聞く限りはおそらく親友同士であると思われる。
またその過去の話から、元々は単なる一市民でしかなかったが、二人で協力し合うことで一国の支配者にまで成り上がった模様。一種の女傑ともいえる。
基本的にどんな時でも余裕を崩さず、優雅さを感じさせる態度は一貫しているものの、しんのすけとスノモノ・レモンのとある行動だけは無礼者と怒りを露わにした。
目的
軍事力による世界征服を目指すオーソドックスな悪役であり、スノモノ・レモンとしんのすけを利用して隣国の科学者であるヘガデル博士の作った「メガヘガデルⅡ」を奪い、世界を征服する事が目的。
ただ、その世界征服の手段だが、中々に悪辣。
世界征服の手段自体は、「『メガヘガデルⅡ』によって発生した悪臭のおならをミサイルに詰めて世界中の各都市に向けて発射し、悪臭によって都市から人々を追い払う事で都市を制圧する」という作戦であり、「人的・物的被害を出さずに都市機能を麻痺させる」と言うかなり高度で戦略的なものとなっている(とのことだが、そもそもガスなのでミサイルで突っ込ませた時点で爆発し悪臭どころの騒ぎではなくなると思われるが…)。
問題はミサイル精製の為の過程。
悪臭を詰めたミサイルを精製するためには、「メガヘガデルⅡ」を食べさせて出たおならを集めるのだが、その際におならを発射する生物は体が風船のようにパンパンに膨れ上がり、おならを一発発射するだけでも死を覚悟するほどの恐怖と苦痛を味わって疲労困憊するというありさまであり、その様子は目の当たりにしたスノモノ・レモンが愕然とするほど。
しかし、そんな「メガヘガデルⅡ」を国民の中から選んだ2000人に毎日食べさせることで、ガスを大量に精製し、ヘレブシアターと言う施設に集めることでミサイルを精製するという計画を目論んでおり、そのガス精製専門の人間をヘレブ(恐らくは屁とスレイブを合わせた言葉)と呼称している。
ヘレブに選ばれた人間は、文字通り人間として扱う気が一切なく、劇中での野原家に対する描写を見る限り、恐らくはメガヘガデルⅡ以外の食事を与える気もない模様。
つまりは、自国民に対して兵器製造の為の素材としか見ていない。
経歴・活躍
詳細こそ不明だが、レモンの前で自身らの過去の一端を語っている。
それによれば彼女たちが若いころ、おならが原因でナーラオは会社に笑い物になり、ヨースルは彼氏にフラれる形で人生が台無しになったとの事。
その後、メモリー横丁という場所の飲み屋で出会った両者は意気投合し、「いつか2人で世界を臭くして大笑いしてやる」という夢を抱き、2人でスカシペスタン王国の支配者として上り詰めたという。
劇中ではしんのすけが「メガヘガデルⅡ」を奪取した以後の場面から本格的に登場。
しんのすけを騙していた事を告げ、しんのすけを含めた野原一家に「メガヘガデルⅡ」の実験を受けさせる。大量のおならが放出される様子に甘美する他、レモンを展望室に招待し、自身らの過去や夢への情熱を熱弁する。
しかし、そのまま酒で酔って寝ていた所を、自身らの野望を疑問視したレモンに「メガヘガデルⅡ」を奪われてしまう。ヨースルがそれに気づくと、レモンの両親や兵士たちを動員し、自身らも2人乗りのカートに乗って捜索を開始する。
一度はしんのすけとレモンを追い詰めるが、2人の突拍子の無い行動に怒りの声を上げた瞬間に「メガヘガデルⅡ」の残りを口に突っ込まれ、「メガヘガデルⅡ」を食べてしまう。
更には「メガヘガデルⅡ」を食べたしんのすけとレモンが放屁でミサイル発射に必要な施設を破壊した事で、「世界を臭くする」という夢は打ち砕かれてしまった。
自身らも「メガヘガデルⅡ」の効果で体が膨らんでいく中、人生の底から国の頂点まで上り詰めた事に浸りつつもう一度2人でやり直すことを決意。
最後は2人で空を仰ぎながら放屁、おならでハートマークを描きながら空の彼方へ飛んでいった。
余談
クレしん映画において二人組の悪役が黒幕となるのはマカオとジョマに並んで二組目(元々二人だったものが合体して一人の悪役として登場したものも含めればアセ・ダク・ダークも入れて三組目)。
また、『敵組織に美人の女幹部が存在している』という設定自体はクレしん映画のお約束と言っても過言ではないが、女性が物語全体の黒幕であったこともこれが初。
また、クレしん世界の中に存在する一国の国家元首が敵の親玉であったこともこれが初。
と、何気にクレしん映画の中の初の要素が多い。