2011年4月16日公開の『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第19作目『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』
評価
スパイアクションに主眼を置いたアクション映画。
また、主人公であるしんちゃんだけでなく、野原一家とかすかべ防衛隊の面々が様々に活躍することが多いクレしん映画の中では、しんちゃんとゲストキャラクターの絆に焦点を当てており、いつもの面々の活躍が最小限に抑えられている作品でもある。
シャイニングやミッション・インポッシブルなどの様々な映画のパロディが仕込まれ、クレしんらしいギャグこそ多いものの、一般人であるしんちゃんがスパイとして訓練され、黒幕に利用されると言うアクション映画としてかなり王道の筋書きとなっている。
また、クレしん映画では珍しいことに本作の黒幕は女性の二人組であり、しんちゃん世界の中で存在している国家の独裁者と言う、かなり強固なバックボーンを持っている。
ただし、設定が過去の劇場版と矛盾していたり、とあるキャラの名前が過去作に登場したキャラとかぶるなど賛否両論も多い。
あらすじ
しんのすけの前に謎の少女が現れた。彼女は「レモン」と名乗りアクション仮面の仲間だといい、しんのすけが必要だという。レモンの指導でしんすけのスパイの特訓が始まる。
野原家で夕食を食べていると謎の軍団がやって来て野原一家を拉致、目的の研究所がある某国へ連れて行かれる。その研究所にあるのは恐ろしいパワーを持つアイテムであった。
ゲストキャラクター
本作のヒロインである少女スパイ。アクション仮面の仲間である「アクションスパイ」の一員としてしんのすけとともに「悪の科学者」ことヘガデル博士の元から「アクションパワーカプセル」を奪還しようとする。既にスパイとしては一流といえる能力を持っており、しんのすけをスパイとして鍛え上げる。
レモンの家政婦。しかし実際には自らも一流のスパイとしての能力を有しており、レモンとしんのすけの窮地を幾度も救った。老け顔だが一応20代らしい。
名前とモデルはキャストのなかじままりのモノマネのレパートリーの一つである市原悦子氏が元になっていると思われる。
ヘーデルナ王国の科学者。背丈から顔の輪郭までしんのすけとまったく同じだが、相違点として垂れ目と白髭と白眉、側面だけの白髪が特徴。しんのすけはレモンから「アクションパワーカプセルを奪った悪の科学者」と教えられていたが、実際は芋と屁の研究者。屁が出なくなる芋を作る研究中、偶然メガヘガデルIIを作り出してしまった。
スカシペスタンが極秘研究所潜入のためにしんのすけを利用しようとしているのを知って、まず助手のジャガーとマッシュを春日部に派遣してなんとかしんのすけを説得しようとするもレモンやかすかべ防衛隊の妨害で失敗。続いて研究所に潜入してきたしんのすけと直接会って説得するも失敗してしまう。
- ライム(声:櫻井智)
レモンの母。冷徹な性格でスパイ一族の誇りを重視し、レモンに対して厳しく接する。
ナーラオとヨースルに反抗したレモンを捕らえようとするが、最後はレモンと和解した。
- プラム(声:堀内賢雄)
レモンの父。温和な性格でレモンにも優しく接しており、レモンも彼には素直に応じる。
ナーラオとヨースルに反抗したレモンを説得し、メガヘガデルⅡを一度は取り戻すが、偶然股間にしんのすけの頭突きを食らい悶絶する。その後もレモンを止めようと動くが、レモンが銃で攻撃された為、銃を撃つ部下を殴り倒し反抗する。その後レモンと和解し家族としてやり直す事を決めた。
- 偽アクション仮面(声:玄田哲章)
しんのすけをアクションスパイに任命するが、その正体は本人もとい郷剛太郎ではなく背格好と声色だけ似たただの週雇いのアルバイトだった。
スカシペスタン共和国の支配者。称号はナーラオが最高元帥で、ヨースルが最高総統。レモンとしんのすけを利用してメガヘガデルⅡを奪っては軍事転用し、世界征服を目論んでいる。
用語
- スカシペスタン共和国
レモンの母国。国民は尻の形の帽子をかぶっている。「共和国」とは名ばかりで、その実態はナーラオとヨースルによって支配されている独裁国家であり、また女性が支配していることもあって男性よりも女性の権限が著しく強い国となっている。
作中以前でもヘーデルナ王国から研究データを盗み出しており、目的のためには手段を選ばないことでも知られている。
- ヘーデルナ王国
スカシペスタン共和国の隣国。あらゆる芋の名産地であり、国民はタニシに似た山芋の形の帽子をかぶっており、関西弁でしゃべる。
- ヘガデル研究所
ヘガデル博士の研究所。創立50周年記念として「となりのトロロイモ」の大試食会を温室で開いている。
研究所は全9階建てで、監視カメラや赤外線センサーなど厳重なセキュリティが張られており、さらに最深部の極秘研究所に入るにはある鍵が必要となる。研究所の見取り図はしんのすけのシルエットと消化管、極秘研究所は屁のマークの形状をしている。
- メガヘガデルⅡ
(画像でしんのすけが股に挟んでいるカプセル)
ヘガデル博士が地球温暖化対策で屁=二酸化炭素の出ない芋を研究している途中、偶然作り出してしまった副産物。
食べた途端に小腸・大腸を刺激し膨大な量の屁を出させてしまう特質を持ち、大量に食べると巨大な建造物を破壊してしまうほどの威力になる。多く摂取するほど強烈な勢いで腹が肥大化するが、人体には影響が無く排泄すると元の体型に戻る。
芋羊羹の形でカプセルに保管されており、味も芋羊羹そのものである模様(一方で、ヘガデル博士は「芋羊羹」の存在そのものを知らなかった)。
スカシペシタン共和国はこのメガヘガデルⅡの成分と服用した際のデータを研究・分析・量産し、数千人に服用させ、その放屁で生成したミサイルを世界各地に放ち、世界中の軍事力を奪って世界を掌握することを目的とし、野原一家はその最初の実験台(モルモット)としてスカシペシタン共和国に拉致された。
最終的にしんのすけとレモン、ナーラオとヨースルがカプセル内の残りを全て食べた上、ミサイル施設も破壊された事で計画は頓挫する事となった。
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