概要
作中における悪役の一人。横浜明協学園中等部3年生で、海外のホラー映画に出てきそうな仮面をつけた謎の少年。
主人公・仙石アキラと同級生であることが示唆されており、彼に逆恨みに等しい感情を抱いている。
「地図にない島」での飛行機の墜落事故を前後して、「以前のオレとは違う」と語り、自分以外の人間を皆殺しにして頂点に立つとゆがんだ思想を現実にしようとする。
アキラが飛行機を燃やしたことに対して「みんなの希望を奪った」と煽り、有田幸平が飛行機の機長を殺害したことを目撃したうえで弱みを握り、彼の暴走を助長する行動を起こすなど、積極的に自分の思うがままに周囲を混沌へと陥れる。そのことで、真理谷四郎は「人の心の弱い部分をよく知っている」と指摘している。
幸平の消息を絶った後はしばらく登場しなかったが、密にアキラたちを監視する目的で行動しており、また、精神的に孤独に耐え兼ねたのか、単独行動に限界を感じたのか心境に変化が現れ、行動中に偶然瀕死状態だった幸平を発見し、「気まぐれで」救出した。キメラ戦の折に佐久間雪と遭遇し、彼女に隠れるように指示。性格こそ歪んだままだが、幸平を救出したことから始まったのか以前より丸くなり、仮面も口元が見えるように割れた。
最終回では幸平と共に雪に匿われている描写がある。このとき、小さいコマながらも仮面を外している描写があるが、素顔までは描かれず結局は正体不明のままで物語の幕は下りた。
物語の全体から見れば、最終的に改心したことがわかる。
余談
本作の作者である山田恵庸の過去作「EX 少年漂流」には、言動がハデスのそれと酷似(極度に自己中心的で冷酷かつ破滅的、そして人の心につけこんで巧みに唆しては混沌を煽る卑劣さなど)したキャラクター「一馬秋彦(かずま あきひこ)」が登場する(「EX 少年漂流」は「エデンの檻」よりも前に世に出た作品のキャラなので、この場合「ハデスのプロトタイプ」というべきか)。
一応、最後まで素顔が分からず仕舞いだったハデスと違い、一馬は最初から素顔を出して登場しており、その顔は(黙ってさえいれば)中性的な美少年である。
しかし、その中身はある意味ハデス以上に小賢しいサイコパスであり「中盤以降の主だったキャラクター達の死亡や負傷の原因や大元をたどれば、大半がコイツに行き着く」といえば、その危険性がわかるだろうか。
その分、終焉もハデスとは対照的であり、曲りなりにも多少はまともになってしぶとく生き延びたハデスと異なり、一馬のほうは最後まで改心することは一切無く、「半ば怪物と化したとある人物に、凄まじい怪力で頭部を握り潰される」という、非常にスカッとする…もとい、因果応報な最後を遂げている。