概要
発売日を延期してまで取り組んだであろう、妖怪ウォッチバスターズ2。
しかし、いざ発売日にフタを開けてみると思いのほかバグが多すぎ、ストーリーの進行中に何故か詰んだり、一部の妖怪が異常な行動をしたりと中身が開発中に近い状態であったため、多くのプレイヤーに衝撃を与えた。
通常この手のバグの著名な作品は普通にプレイする分にはバグの支障はないものが多いが、この作品ではメインストーリーを進めている間ですらバグに遭遇する可能性があるという救いようのなさ。
更新データはVer1.3まで配信されていたが、殆どがストーリー関連ばかりでクリア後のやり込み要素やビッグボスの異常な行動は何一つ修正されておらず、発売日から長きに渡り多くのプレイヤーからクレームが出まくる状態となってしまった。
流石に本社のレベルファイブもこの散々な異常事態に目を閉じてはいられないらしく、本ソフトが出回ったお店にて在庫回収が行われることまであった。
なお、ニンテンドーeショップでのダウンロード販売はその当時も継続されていた。
そして最終的に全く更新データが配布されなくなった事から、「逃げ出した」「隠した」などの散々な悪口クレームまで出て来るようになってしまった。
こういったバグの数々を名前をもじってバグバラヤーと呼ばれている。
通称「妖怪ウォッチバグターズ2 悲報伝説バグバラヤー クソード/バグナム」。
確認されたバグ一覧
★マークは更新データで修正されたバグ
リセマラバグ
闇エンマなどのクリア後に低確率で仲間になるイベントが、ソフト再起動無しでリセマラ出来るという最強バグ。
どちらかといえば仕様の裏を突いた裏技に近い。
さすらい闘技場無限バグ
さすらい闘技場にてある操作を行うと、一日一回のスペシャルチームと何度も戦えるバグ。
こちらはデータが破損する恐れがあるので要注意。
さすらい闘技場にスペシャルチームとして現れるこの2体が、シャドウ妖気(使うと確定で仲間になるアイテム)無しだと全く仲間にならないバグ。このバグは連鎖的に限定レジェンドを解放出来なくなるため、大半のクレームはこれに関する事ばかりである。
QRコード読み取り中にフリーズ ★
QRコードを読み取る時に、稀に一切操作がきかなくなるバグ。
こうなるとソフトを再起動せざるを得なくなる。
ダンジョン突入で画面が暗転 ★
ダンジョンに突入した瞬間、暗転状態でフリーズするバグ。こちらもソフトを再起動せざるを得なくなる。
ヒュードロイド連動でガシャがすべて大当たりに ★
妖怪ガシャにてヒュードロイドを連動した際、全てのパネルが大当たりになる表示バグ。
ふぶきちゃんの像を置くイベントがおかしい ★
秘宝妖怪を倒した後にふぶきちゃんに話し掛けると、違う秘宝妖怪の像が置かれるバグ。
デフォルトポーズ
ムゲンダンジョンにて、敵妖怪が突然Tの字ポーズで固まるバグ。
透明化バグ
ムゲンダンジョンにて、敵妖怪とふすまがマップ上にしか表示されなくなるバグ。
商品物抜けの殻
ムゲンダンジョン内のショップにて、商品が一つも無いバグ。
暴走自慢ハッタン
ボスとして登場する自慢ハッタンが、必殺技を永久に連発するバグ。
見えない壁
特定のボスステージにて、お供妖怪とビッグボスが見えない壁に阻まれるバグ。
大辞典バグ
妖怪大辞典が色々とおかしな状態になっている。特にエンブレムバグが代表的である。
おたから妖気でガシャコイン
宝箱からこけしが出やすくなると説明文に書かれているおたから妖気だが、実際こけしではなくガシャコインが出てきているバグ。
大妖魔ぬらねいらが超異常
月兎組以来の登場となる大妖魔ぬらねいらだが、とにかく色々バグっている。特に必殺技がステージの端にいるだけで一切動かずとも回避出来てしまう。おまけに、バトル終了後もサポートキャラであるエンマ大王が消えず、棒立ちで玉を放ち続けるバグや、大妖魔ぬらねいら以前にビッグボス版のぬらりひょんが大辞典に登録されないバグも確認されいて、もう散々である。
「チャンス!」の表示が消えない
バトル中にボスがひるむと、「チャンス!」と表示されるが、この表示がバトルが終わっても消えないバグ。いつまで経っても、何をやっても消えないため、非常に邪魔である。
マップ外から敵が湧く
マップ外の何も無いところで敵が湧き、じわじわ近付いてきて、やがてマップ内に侵入するというバグ。
アイテムが売れない
読んで字のごとくアイテムを売ることが出来ないバグ。そのうえ、表示される画面も明らかにバグっている。
ブシ王の挙動がおかしくなる
ブシ王が「浮遊する魂」を取り込む技を発動する際、溜め込んだ状態のまま動かなくなってしまう。
余談
この通りバグが多い作品ではあるが、大問題であるバグを差し引いたとしてもファンからの評価は全体的に不評。
その理由の一つとして、「このゲームは"バスターズ2"を名乗っているが、実態は"バスターズトレジャー2"であること」が挙げられる。
本来「バスターズ」は『妖怪ウォッチ2』のおまけ要素を掘り下げてソフト化したもので、こちらは3DSのインターネットサービス終了までオンライン部屋が作られるほどの良作として知られる。
しかし、今作におけるシステムは『妖怪ウォッチ3』のおまけ要素である「バスターズトレジャー」を元としたものであり、早い話バスターズ2と名乗ってはいるもののバスターズとは似て非なるものなのである。
そのため、プレイしたファンからは「やりたかったのはバスターズであってバスターズトレジャーではない」という意見が殺到した。
その他にも「ストーリーの導入であるジバニャンが1億円の借金を作った動機」、「探索要素が主なはずのバスターズトレジャーが元なのにゴール以外の宝箱の中にはレアアイテムは一切入っていない」、「過去作品に輪をかけて酷いホビー連動の必要性」など問題点を挙げると数挙に暇がなく、ファンからはもしバグが酷くなかったとしても評価はそこまで変わらなかった可能性を指摘されている。
とはいえ「過去作品の妖怪がほぼ全て登場」、「導入にさえ目をつぶればそこそこ深いストーリー」など評価点がないわけではない。問題点が大きすぎるだけである。
あの数々の名作を世に送り出してきたレベルファイブの作品、しかも人気シリーズの続編とあろうものがこうも酷い出来になってしまったのには様々な理由があるが、大きな原因の1つにこのゲーム自体が完全外注作品でなおかつその外注をした会社に問題があったという所にあるだろう。
何を隠そう、このゲームの制作に関わったのはデジタルワークスエンターテインメントという会社。
この会社はグラフィック制作に定評のある会社で、例を上げると「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」、「ゼノブレイド」シリーズ等他多数の名作ゲームのグラフィック制作に関わっている。
だが同時にこの会社、プログラム面がめっぽう弱いことでも定評があるのだ。
まあ制作の殆どをまるナゲットしたレベルファイブにも非はあるのだが……
恐らく同時期に妖怪ウォッチ4の開発も行っていた影響も少なからずあると思われ、そんな中でも人気シリーズであるバスターズの続編をユーザーに何とか楽しんで貰おうとした結果このような惨状になったと考えるのが妥当であろう。
結局のところ、ユーザーに寄り添ってコンテンツを展開しているレベルファイブだからこその失敗だとも言えるのかもしれない。
そして、肝心の本命だった『妖怪ウォッチ4』の売り上げにも悪影響を齎し、妖怪ウォッチシリーズを失墜させるに至ってしまった。
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