概要
陸軍航空兵の敷井大尉は、南方戦線で不時着したジャングルで、とある日本軍狙撃兵と出会う。その兵士は航空兵のみを集中して狙撃する、「パイロット・ハンター」であった。彼はなぜこの場所から離れず、愛銃を変えることもなく、パイロット「のみ」を倒しつづけるのかを知ることとなる。
登場人物
- 敷井
陸軍の航空兵。愛機は四式戦闘機「疾風」で、階級は大尉。序盤、自機を一式戦闘機「隼」と誤認して襲いかかってきたF6Fを2機撃破するものの、機体がエンジントラブル(もしくは被弾の可能性)で不時着水する。海岸にたどり着いたところを敷井に撃墜されパラシュート降下してきた米軍パイロットに狙われるが、狙撃兵(後述)の援護によって九死に一生を得る。
航空以外の軍事の事情にはさほど詳しくないのか、狙撃兵の「100kmほども離れた部隊のいるところまで、行けると思うか?」という問いに対し「たかが100kmじゃないか」と答え、彼を怒らせる描写がある。小銃の扱いには慣れていないようだが、拳銃の射撃スキルは高く、中盤で遭遇した米軍パイロットとの一騎討ちで勝利している。愛銃は十四年式拳銃。
狙撃兵と別れたあとは生還し軍務に復帰しているようで、再び四式戦に搭乗していることが確認できる。
- 狙撃兵
日本軍の狙撃兵。愛銃は三八式歩兵銃の照準器搭載型で、不時着してパラシュート降下してくる米軍パイロットを狙撃していた。搭乗していた輸送船が米軍の爆撃機に撃沈されたものの命からがら脱出し、たどり着いたジャングルの洞穴で1年以上ひとりで潜伏していた。洞穴には大量の武器弾薬や食糧のほか、倒した航空兵のものと思われる飛行帽が飾られている。パイロットを集中して狙撃していたのはそのときの恨みによるもの。鉄かぶとをかぶり、目元は暗くなっている。名前は明らかにされていない。敷井に一度尋ねられたが、「そっちの勝手だ」と名乗ることを拒否している。
射撃の腕は非常に高く、1km以上先にある標的を撃ち抜くことができるほどである。
終盤で一度だけヘルメットを脱ぎ、素顔が明らかになるシーンがある。
敷井と別れたあとも部隊とは合流することなくジャングルに残り、パイロットへの狙撃を続けている模様。
名場面
劇中で敷井が狙撃兵と別れる際に狙撃兵が最期の願いとして「敷井が持っている十四年式拳銃と自分の九四年式拳銃を交換してくれ」と申し出る。敷井はこの交換に応じるのだが、その時に「こんなもんでもよけりゃ...」と言ったことで狙撃兵の怒りを買う。
敷井は「世界にはもっと性能の良い銃がたくさんある」「あんたにはそれを持たせてやりたいと思ってね...」と(100%善意で)説くが、狙撃兵は「今更そんなこと言うな!」「外国の銃の方が性能がいいと言うなら、なんでその外国相手に戦争しているんだ!」と秘めていた怒りを吐き出す。彼が一人で戦い続けているのは、三八式と十四年式が世界で一番いい銃だと信じてこそだからであるから。
そして愛銃を掲げ「いいか!これは、この世界でいちばんいい銃だ!いちばんすぐれた小銃なんだ!」「おれには、これしかないんだ!だから、これがいちばんいいんだ!」と力強く宣言するのであった。
このシーンがオタク諸兄の心に響いたのか、性能やコスト面で他キャラを推す周囲に対して自らのキャラ愛を叫ぶシーンとしてオマージュされることが多い。一部ゲームでは性能やコスト面のみならず自分がプレイし始めた時からずっとパーティーにいたメンバーに愛着を感じるというプレーヤーもいるため、後発、高レアのキャラクターよりも古参の低レアメンバーを推す心情を叫ぶシーンとして使われることが多い。