私の名前はヒロだ。
概要
声:玄田哲章
日本からやってきた蒸気機関車。車体番号は51。とても高名な機関車であり、”鉄道の英雄”と呼ばれている。
貨車に向けて態度が悪いディーゼルを懲らしめようと正しい扱いを教えたり、除雪に苦労するエミリーを手助けした。
劇場版にて
彼は森でトーマスにて発見される。昔ソドー島にやって来たが、本人曰く「故障してしまい部品が届くのを待っていたが、いつの間にか忘れさられてしまった。」という理由で錆びに塗れて佇んでいた。
後にトーマスが仲間のきかんしゃにこの話を伝えるが、それに気づいたスペンサーが秘密を握ろうとして追跡してくる。
部品を集めてもらい、機関車として走り出せるようになるも、スペンサーから逃げようとしたあまり応急処置につけた部品が剥げてしまう。
ハット卿が事情を知った後には修理工場にて、彼を修理し、完全復活を果たす。
考察
蒸気機関車先進国のイギリスが後進国である日本の機関車を欲するはずがなく、また年代的にもあっていないなど、「日本の機関車」を出すためにいろいろ無理のある設定となっている。
……が実はD51形の輸出機は存在する。戦後賠償の一環としてソ連のサハリン州向け、台湾鉄路管理局向け、そして朝鮮戦争の戦地に送るためにイギリスも含む連合軍向けだ。
また軌間が日本の在来線と異なる点についてだが、日本はチャイナ進出時に、D51形のひとつ前の機種であるD50形を標準軌化改造を施して送っている。
と、すると、多少時系列を捻じ曲げれば、以下のように解釈できないこともない。
まず、ソドー島の鉄道はかつて3社の私鉄だった。そのいずれかが、イギリス本土とは異なる1,067mm軌間を採用していたという仮説が立てられる。
公式の年表では1914年に3社はひとつの鉄道会社ノース・ウェスタン鉄道となる。だが、もし違う軌間の路線が混じっていたとしても、すぐには改軌しなかった事はありうる。
しかし、その過程で急遽、1,067mm軌間用大型蒸気機関車が必要となった。しかしいずれは1,435mm標準軌に改軌する可能性もあり、少数形式かつ短命となることを考えると、新たに設計して導入するのはコストパフォーマンスが悪い。
なので1,067mm軌間用大型蒸気機関車を製造している日本から輸入されることになった。
導入して間もなく、やはり1,435mm軌間に統一することが決まる。だが、この時期既に欧州ではドイツとの戦争がおっぱじまり、少経年車をそうそう廃車にするどころの話ではなくなる(改軌も、戦時体制下での輸送力増強の為と理由付けられる)。
……ということになったところへ日本がD50形を標準軌改造していることが判明。輸送力増強の為に標準軌改造しようと、D51形も改造できるかとメーカーに質問したところ、できると回答。早速足回り部品が発注される……が、太平洋方面でも大東亜戦争がおっ始まってしまい(あるいは海路輸送中に、イギリスの船で運んだためにドイツ海軍に船が撃沈又は拿捕された)、部品はイギリスには渡らないままとなり、改造できないヒロは改軌後事実上放擲されていた……とこんな感じである。
メーカーは、D51形の1935年製造分だと川崎造船所か汽車製造ということになるが、どちらとも取れない。まず、ヒロには横浜にいた記憶があるらしいが、これは同じ神奈川県下の川崎市から連想されたものとも取れるが、川崎造船所は川崎市とは直接の関係はなく、もともと兵庫県で創業したメーカーだ。一方、汽車製造は東京支店を持っていたが、こちらでは機関車製造の実績がない。ただ、日本版ではカットされている五重塔が映るシーンからすると、京都府に近い大阪府に本店を持っていた汽車製造とも想像できる。